悪魔って便利
みんなー!
修正作業が駄目だったので、急遽飛ばして諦めました。
調べたら構造が無理っぽい。
うへっ(頭空っぽ)。
というわけで、その一話を空けた所からスタートです。
ーーーー
「ねぇご主人、悪魔王か何か?」
うるせぇよ。とりあえず無視。
「ねぇーえー!」
たった2日。
たった2日なのだ。
絶対に俺のせいなのだが、首筋に当たる柔らかいものは後頭部を包む勢いだ。
そして肩辺りから手を回してきては俺の耳元で専売特許の甘くて脳に響く囁き。
「⋯⋯ねぇ。聞いてよ」
若干舐められてる気がする。
水の音が凄い。
ちくしょう。
煩悩、煩悩退散!
くそっ、リビ、コイツ⋯⋯!
なんてエロいんだ!
落ち着け、落ち着くんだ。
いや、体は正直に布を破って来そうです。
おい!男子でこれに耐えられる奴がいるなら教えてくれよ。
「ご主人、聞いてよ」
襟元から顔がやってくると、とんでもボディのリビが覗いてくる。
クソが。あんときの魔族よりも誘惑してきやがる。
⋯⋯状況が悪すぎる!
今じゃない!邪魔すぎる!
「ほらぁー見る!?えへっ!」
あ~見せるなぁ!
馬鹿!ここ学校なんだぞ!!
⋯⋯いやでっけ。
"お前は人間如きに快楽で絶叫してなかったか?
やめてぇぇ!!って腰振りながら"
「いやっ!今の私はそんなことないわ!
格が違うもの!」
"あっそ。
とりあえず、ここ学校なんだから喋りかけんな"
「ここが学校なのね!だからかしら──調子がいいの」
"感情を食べる⋯⋯だったか?"
「そう!」
"喰いたきゃ好きにしろ"
「あら?いいのご主人?」
"あぁ。悪魔だろうと、俺に何もしなければな"
「も、もうしないわよ⋯⋯ごめんなさい」
だからわざわざ脱いで俺が教えた全裸土下座をするんじゃない。
俺が興奮する。
この体中学生なの。
そんで今の俺は、土日の件から昔に戻りかかってるんだから。
メメもあんな風に使ったし。
「ねぇーえー」
はぁ⋯⋯くそ。
"なんだ?"
「ご主人、本当に人間?」
"言い方"
「いやっ!違うのよ! 私達と同じじゃないの?って聞きたかったのよ。
アー怒らないで!!その眼で私何回も⋯⋯っ!あんっ!
そうじゃないから!ごめんなさい!!」
体で何が今日もしようね!だよ。
お前ペットなんだぞ。
ペットが自我出すなよな。
"何が言いたい"
「あんなの、人じゃないわよ」
"あぁ、アイツらリア充組だろ?"
「うん。私でもあんな事思いつかないわよ」
"メメは回復する為に俺にご執心だしな"
「でも、男の方は私達が吸い取ってるから"一生回復なんてしないのに"、回復の演出まで見せて」
そう。アイツらカップルには絶望と希望を与えた。
女の方、雪菜って言ったっけ?覚えてないけど。
とりあえず獣という俺のイヌになったのだが、俺に色々してくれると達磨の身体が少しずつ回復するからもっと頑張ろうね、と部屋に置いておいて、1日に数回向かって色々する。
内容はしーっ、な?
リビが言っていたが、回復はする。事実だ。
だが、俺が操作してるから実際は全回復などしない。
ミリ単位で復活しているのを見せているが、俺が作った餌を与えてるから分かってない。
一緒にやったね!と笑って。
それじゃと"色々"元気よく飲んでくれる。
最近トイレの回数が減ったのはありがたい。
男の方はこの二匹の餌。
回復するのは俺の変換技術によるもので、この二人は回復したのをまた吸うという手筈。
これで、メメは俺しか存在を把握できない。
彼氏の方はありがたいと思ってほしいんだけどなぁ。
この二人に絞られたんだから。
あ、でも、意識がある中あの光景を見てるから、アレか。
叫んでたし、泣いてたしな。
そしてこれからは、生きながらただのペットに。
良かった。これからはただのメメ。
嬉しそうにしてたからいいだろう。
それに、あれ以上情報を求めても仕方ない。
退魔師だがなんだか知らんが、俺のエロい日常をこの上なく楽しむ為には害獣になるやつらの情報は最小限にするべきだ。
ーーふりゅ
あのふりゅなんとかを聞きたかったのだが。
なんだったんだろう。
「同じ人間でも、こんなにも違うのね。
そう思わない?ゲラハ」
「⋯⋯うん、でもご主人を誘惑したい」
"まだ昼なんだよ。誘惑してくるな"
ヤるなら夜だろ普通。
というか、格が上がると性格や行動パターンまで変わるのは驚いた。
リビはそのままって感じだが、見た目は完全にみんなが想像している数段はすげぇカラダをしているサキュバスに。
性格は元々に加えて、より人間的に。
ちょっと男子っぽさが混じったような⋯⋯そんな感じが。
ゲラハも同じではあるんだが、こっちは性格というよりも、俺に対する執着と言うと語弊はあるが、求めてくるようになった。
それは個人的な事であって誘惑するのとは別らしい。
正直、こんな早く進化するとは思わなかった。
「あっ、ご主人元気だねぇー! あ、さっきのが効いたんだ」
俺の前にやってきて、しゃがんでわざわざ確認してくる。
⋯⋯正解。やめて。
これじゃ傍から見たらクラスメイトで馬鹿妄想してる変態男子高校生にしか見えん。
「ゲラハ、見て、アンタの好きなご主人の精気が漲ってるわよ!」
「⋯⋯ご主人、駄目?」
凄い体を見せつけては上目遣いで。
⋯⋯っ。勘弁してくれ。
「すいません、トイレに」
*
「ふぅ〜!ご主人の力ヤバイ! 一回で10年分以上の力を貰ったわ!」
「出過ぎ」
ヤベ、頑張り過ぎた。
疲労がやばい。
椅子に完全にもたれ、脱力して寝る。
「ご主人疲れてるねぇ⋯⋯。ほら!疲れが取れる力!」
「おっ?」
身体からスッと疲労が抜けた。
なんだこれ。凄いな。
俺のエネルギー操作と似てる。
「悪魔は感情を食べる生き物。
そして種族的に私達は精気を貰う。
2つの核を得られて、強くなれば能力はいっぱい増えるの!」
"それで何ができるんだ?"
「眷属を作れるようになったり、空を飛べるようになったり、催眠を掛けたり、色欲の強化、身体能力の増加とかかしら? あとは変身も出来るわ!
でも多分、まだまだ色々あるわ!」
結構凄くね?
俺出してるだけなのに。
"当分の間、疲労とかの作業はお前に任せるよ"
「了解!ご主人!」
"ワンな"
「ワンッ!」
"チチ"
何とは言わないがボロン、とトンデモな凶器が出てくる。
"良く出来たね"
「えへへー」
悪魔をペットとして採用するの最高だな。
あの女のおかげで、便利な悪魔を2匹も手に入れたんだから。
「ご主人、ここつまんない」
"そらそうだろ、俺もつまらん"
まぁでも。
窓の外の日差しを浴びながら、俺は思う。
久しぶりにあんなに感情を出した気がする。
ガス抜きが出来てよかったかもしれない。
ケルビンである自分と今の自分。
上手い具合に合わせないとな。
はぁ、色々疲れるな。
時計を見ていると大事な事を思い出す。
あ、そうだ。
財布、どうしようかな。
販売元まで行って縫ったりとか出来ないかな?
キーンコーンカーン⋯⋯─
「ご主人、終わったわよ!さぁ帰りましょ!」
「この音は人間の座る時間が終わる知らせ」
"二人とも知性が増えてるな"
と、新しくしたエイフォンに通知は来ていない。
つまりまだ来てないな。
「あれ?どこ行くの?」
"寄り道だ"
歩いて廊下を進み、人気のいない別塔へと向かう。
「ここは?どこ?」
"俺の休憩スポットだ"
誰もいないし、教師や部活動でも使われてないエリアだ。
通知があるまではここで寝ておくか。
ガラッと扉を開けると。
「だ、誰っ!?」
「⋯⋯⋯⋯どうやら変な現場に遭遇したようだ」
一人は下着姿。
その周りには複数人の女たち。
面倒事に巻き込まれるのはゴメンだ。
背を向けて扉を閉めようとすると。
「ちょっと!!アンタ!!助けなさいよ!!」
下着姿の女が大声で叫んできた。
「あぁ?」




