(ご乱心の為閲覧注意)必死に抑えてたのに
作者、数え切れないくらい修正を試みた模様。
原文から100倍マシになりました。
死にそうです(笑)元の文はいずこへ
精神って大変。
一応閲覧注意でお願いします!
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こっちの世界の言語。
使ったのは二十数年。
しかし私からすれば、少し研究していればすぐに過ぎる時間の話だ。
だからか、こっちに帰ってきたとき。
言葉を同時に勉強した。
周りとのズレが起きないように。
研究してきたように。
ただ、積み上げていく。
女だってそうだ。
俺からすれば、どんなに身分があって、容姿が綺麗であっても、本来──俺の前では人権はない。
どこの誰だろうと、関係ない。
自分の欲求通り。
自分のしたい時に使い、発散したいときにはいつでも使う。
そうだった。
こっちみたいに法律や人権的な概念がないから。
正確にはある。
だが、それも。
"強い"
それだけ。
たったそれだけで、話が終わる。
だから必死に欲求を抑えた。
愛人たちに自分のブツを押し付けることもなく、愛を持って腰を振るように努めた。
目の前の女は感情があって、快楽に身をおけるように。
愛情をもって髪を撫でて、必死に奉仕する女を見て欲情させた。
部下もそう。
人権はないのだから、無賃でもいいくらいだ。
だがそうではない。
ここでは人権が約束されているのだから当たり前だ。
こっちの世界で俺は────。
俺は──。
心の底から、必死に人であろうと努めた。
自重し、抑制し、周りの反応を見ながら。
その光景を向こうにいた俺が見たら、まるで。
まるで向こうの自分を嫌悪するように。
違う。全く以て違う。
怖かったのだ。
あっちの自分の人格が、こっちの人間の価値観と大きくずれているから。
女は俺の”モノ”
部下も俺の”モノ”
こちらの言葉であるように、天上天下唯我独尊。
本来の意味と現代での使い方が少し違うようだが、俺はどちらも該当している。
自分という存在は自分しかいないのだから俺が最も偉大で唯一無二の尊い存在である。
傲慢である自分には丁度いい言葉だ。
だから、この貰った財布。
これが俺の人間である証明の核であると。
家族とはこういうものだと理解し、定義し。
大事に愛でて、育んでいくものだと。
そう思った矢先の事だった。
折角──最近やっていい事とやっちゃダメな事の判別が少しずつついてきたのに。
運命はそうさせてくれないようだ。
ケルビンを、起こそうとする。
そうやって俺を、戻そうとする。
それはまるでお菓子の型のように。
俺は、俺自身をこちらの人間としてはめていたのだ。
優しいだろう?
本来の俺なら、どこからとも関係なく脱がして遠慮もすることなく腰を打ち付け、最後に自分の体液をかける奴だぞ。
常に快楽のために揉んで、犯して、汚す。
魔法を使って快楽に酔わせ、女を性欲の化け物にさせて俺を満足させるためだけに存在させる。
なんて今の自分は慈悲深いのだろう。
人権を保ち、感情を尊重し、外敵から守ってやる。
向こうなら、どれかを守る為なら俺の傍にいることを許容することだ。
部下も、仲間という存在も。
自分一人の魔法で事足りる。
確かに今は脆弱な魔力量でしかないが。
それでも、無限に近い量が有限になり、更に弱体化したところで、仮に1必要な魔法があるとして一万ある人間に何を言ってるのだろうって。
そんな話だ。
エリクサーが十万だとして、ただ法式を構築するだけなら、10や50で足りる。
最近学んだ言葉としては、こう使えばいいのか。
世界規模の禁欲生活だ。
そういうことだ。次元が違う。
その気になれば全部どうにでもなる気がする。
ただ、少し魔力量が心許ないから少しきついが。
容量が満タンになるのを早めるには、何処からか補充できればいいんだが。
この世界にそんなものはないから、自身の回復力に任せるしかないのだ。
「だ、誰っ!?」
割れた結界に足を踏み入れる。
しかしすぐに法式で手編みで編むように、すぐに割れた結界は修復される。
「ハド?イレダガムシャラントゥバスクラバ」
(お前だろう?私に敵意を向けてきたのは)
「な、何?何言ってるの?外国人?」
ん?あぁ。忘れていた。
あまりの激情に囚われ、言語が戻っていた。
入ると一人の女は俺の方を向いて入るが、肝心の身体は離れている異形に向いていた。
「ハァ、お前だろう?俺に向かって斬撃を飛ばしたのは」
「斬撃? アイツの事かしら?私たちはアイツらを祓う為に派遣されたのよっ⋯⋯て、部外者である貴方⋯⋯はっ!?」
どう見ても見た目は俺と同じくらいの見た目だが、何か違う。
構造から見ても、俺と似た器官を持っているようだ。
つまり、魔力に近い何かを持っている。
「結界⋯⋯!結界が剥れてる!?光輝!!早く結界を張り直して!」
「⋯⋯結界ならもう作っている」
は?と訳がわからなさそうな顔をするこの女の態度に少し苛立つが、魔力は見えないようだ。
こんなに緻密に練っているのに。
「あらぁ?突然の来訪者? もしかしてそこの退魔師の仲間?」
遠くにいる方の片割れ。
俺の認識からすればただの魔族だが、見てくれはまだ幼い。
イメージしやすいのはサキュバスか。
それが二人。
というよりも、この世界に魔族、または悪魔がいたのか?
──やっぱり、人間知らない事の方がよっぽど多いみたいだなぁ。
「退魔師?なんだそれは?」
聞いてみると。
「⋯⋯っ!部外者に喋るわけには──」
"黙れ、平伏せよ"
制御の効かない頭が勝手にそうイメージしてしまう。
この場にいる全員の両膝が地面に押し付けられ、重力に負けて四つ這いの姿に様変わりする。
「くウッッッッ!!!」
「いいか?万物の王が、今──質問している」
歩いて四つ這いになっている女の前に行き、両膝を折って言い放つ。
顔を覗くと、睨みつけてくる。
細目寄り。
そんで切れ長の眼光、整っている鼻筋、口と、何かと総合すれば綺麗な方だがプライドが高そうな女。
強情なのがよく分かる。
だから、髪を掴んで上を向かせる。
「ッ!!」
「今──機嫌が最悪だ。
残念だが、俺はお前の命に興味がない。
殺してもいいし、俺の専属にしてやってもいいぞ」
殺気と敵意が消えない。
もう少し上に引っ張ると、ワイシャツの上からでも分かる膨らみ。
見た目の割に大きい2つの揺れるもの。
「──ほう」
「⋯⋯っやめな⋯⋯なさい」
俺の視線がワイシャツの膨らみをなぞっているのに気付いた女が視線そらしながら言う。
だが今の俺にそんなのは関係無い。
掴んで威圧する。
「⋯⋯っん⋯⋯くっっ!!」
まぁ、女か。
見てやると、少しの恥じらい。
だが、それでも意志は切れない。
年齢は知らないが、大きく柔いな。
これはイイ。
そうして髪を引っ張り続けながらも俺は背中に馬乗りに座る。
「ほら、説明しろ」
「⋯⋯くっ」
言葉を発しないので、腰を叩く。
「んっ!!」
「早く──殺すぞ」
そうやって触りながら少し離れた二人を観察する。
魔力量は大したことない。
それに、なんだ?アレは。
揺らいでいるモノはどう考えても魔力ではない。
瞳の情報には黒い炎らしきものが二人の少女の体を循環している。
「手を⋯⋯離して⋯⋯っ。話すから」
しばらくすると、この女の言葉と共に抵抗感が薄れる。
重圧による疲労のせいか。
それとも今にも倒れそうな女が悟ったのか。
過呼吸気味に喋り出した。
「早く話せ。今この場で剥ぎ取ってお前を犯してやってもいいんだぞ?逃げ場はないしな」
嘲り、耳元で囁いた。
吐息がかかると体が硬直している。
「ほら、気が変わらない内に」
俺の視線は乱雑に扱った緩むワイシャツの中。
花柄の黒か。
「たっ、退魔師⋯⋯っは⋯⋯色んな名前でカモフラージュしていて⋯⋯」
すると、震えた声で話し始める。
「雪菜!!!秘匿事項を喋るな!!」
煩いなぁ。
意識をそっちに向ける。
それだけで、光輝とか言う少年は崩れ落ち、あったはずの足がないと喘いでいる。
「あぁ、残念だ」
「ゔぁァァァァァ!!!!!」
「眺めが良い」
「ハァ⋯⋯ァァッハァハァ」
また髪を引っ張って、顔を覗くと女の脂汗が俺の手についている。
なるほど。様子から見るに、かなり焦っている。
「女。俺の話に答えれば、見逃してやる」
更に強く髪を引っ張り、嗤って鼻先に寄る。
「ッァァァ!!足が、足がァッッ!!」
「お友達と、自分の残りの人生。一生終わった人生になるのとどっちが良い?
⋯⋯俺は冗談でもそういう事は言わない。
もう、一人そういうのがいるからな」
「⋯⋯わ、分かったわ!しゃ、喋るわ!」
「簡潔に答えろ。お前が斬撃を飛ばした本人か?」
「違うわ」
「じゃあそこののたうち回って叫んでいる男か?」
「違うわ。あそこの二人組の悪魔よ!私たちは退魔師と言って、裏から支えてる機関です!!!
今の斬撃はあの二人の能力によるもので、私が避けて新たな敵かと思って貴方の方に弾いてしまいました!!」
「ァァッ!! ゅッなァ!!言うなぁ!! 言ったら⋯⋯ァァァァァァァァァ!!!!」
また意識を向けると両腕も無くなってしまった。
なんて可哀想に。
「言ったわよ!言った!言いました!!」
「じゃあつまり、自分が悪くないと言いたいのか?」
「わ、悪かったと思ってるわ!まさか結界をすり抜けるなんて思わなかったの!」
「俺の財布が斬れたんだけど」
「⋯⋯そ、それは悪いと思ってるわ」
「プレゼントだったんだ。両親からの」
「べ、弁償──」
自分の怒りが魔力伝いに女の身体を半分程地面にめり込ませた。
ーー家族に会えるかもしれない。もしかしたら!
ーー理論を300以上覚えたぞ!
ーー南、元気にしているだろうか。お兄ちゃんはまだまだ頑張れる。
ーーあれ、南の顔が思い出せない。拳哉の顔も朧げだ。
ーーもう覚えてもいないが、ただ、やり残した事がある。
ーー今なら、誰も困らないのに。
ーーこうやって書かないと忘れてしまう。日本語も忘れてきてる。
南、拳哉、南、拳哉。頭から離れように。書いて覚えないと。
ーー南⋯⋯あれ、誰だっけ?
「お前に───私゛の゛気゛持゛ち゛が゛わ゛か゛る゛の゛か゛ぁ゛!?」
一発。
「ごっぉ!!」
「ん?すまん」
見ると、俺の魔力の衝撃で花柄の下着姿にしてしまった。
「まぁいい。おい。とりあえずお前は後だ」
鼻をへし折った。鼻血くらい許されるだろう。
それに下着姿なら万が一外に出れたとしても男たちが放っておかないだろう。
アレは俺のだ。
女の方から二人の方へと向き直し、ゆっくり向かう。
「そこのお前ららしいな?」
「随分ご乱心だったようねぇ?そんな事より、私たちと遊ばない?」
お前たちが?俺と?
「あれっ?」
片方の少女の胴体には、切れ目。
次の瞬間──勢い良く切れ目から凄まじい量の血飛沫が舞う。
真っ二つに泣き別れ、もう片方の少女が呆然としているだけだった。
状況を飲みこむのに時間がかかったようだ。
慌てて泣き別れた片割れを何やら動かしている。
「リビ!リビ!」
ほう?治癒があるのか?
別れたはずの胴体がキレイに戻っている。
「あ、アンタっ!なんで私達の体に傷を入れられるわけぇ!!!!」
「あァ?知らん」
シャャャアと。
戻った片割れは、今度は首が飛ぶ。
無力にまた治している。
「い、意味分かんない!!私たちは悪魔よ!?
そんな退魔師の能力如きで⋯⋯!」
退魔師⋯⋯。
振り返って半分意識のない女を見る。
「まぁ利用価値はあるな」
あいつは使える。
立場的にも。
「おい──お前ら」
"平伏せよ"
「「うっ⋯⋯!!!」」
ポケットに突っ込んだまま、四つん這いになる2匹の悪魔とやらの前に着く。
「お前ら悪魔ってのはなんだ?」
「わ、私たちが割ると思う?やっ──」
ズシュ、と。
少女の足の裏には、少し尖って細い──魔力の槍。
「あぁぁぁっぁぁ!!」
俺はそのまま淡々と。
1本、二本、三本⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。
刺さる。どんどんと本数が増え。
噴き出す。青黒い血が噴き出していく。
1本ずつ増え、少女の声は消えていく。
そう見下ろす俺は、ただ無表情。
「も゛う゛や゛め゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」
ただ見下ろす俺の視界は、全身に数本の槍が刺さっている少女の大量の青い血と、泣き叫ぶ片割れの少女の必死の懇願だけが映っていた。
「悪魔とはなんだ?」
「に、人間の感情を食べて生きて行くの!!それ以外は知らない!
───ぐっっっっ!!」
片割れの少女の頭を地面に踏みつぶす。
「知ってるだろ。この俺の財布が斬れたんだ。
お前らの命よりも重いんだ。この財布は」
「さ、財布が何だっていうのよ!!」
ドスッ。
蹴る。
ただひたすらに蹴る。
「答えろ」
両膝を折ってうつ伏せに倒れる青い人外の血まみれの少女の髪を引っぱって平手打ち。
「俺の財布なんだよ。お前なんかの命よりも重いんだよ」
パシンッッ!
おい。起きろよ。
パシンッッッ!!
「起゛き゛ろ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」




