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その後

 とある場所。


 森の奥深くをソーダ之助は歩く。


「懐かしい。無くしたと思った草鞋が落ちてるぞ。……ボロボロだけどな」


 ここは若き日、ハバネロ郎に敗北した後に一人(こも)った場所だ。


「この岩……ガリ●リ君で真っ二つにした、あの時のままだ。何も変わっていない」


 グルルルル……キャインキャイン……


 大きな熊が犬のように鳴いて、ソーダ之助から距離を取る。


「大きくなったな。あの時は小熊だったのに」


 母熊は、ホーム●ンバーで首をはねた。


「お前の住みかを奪いに来たんじゃ無いんだ。少しだけ、ここにしか眠らせて貰えない人を、受け入れてくれないか?」


 熊はゴロンと腹を見せた。


「ありがとう」


 大きな樹の側に穴を掘って、巾着を埋める。ここの冬は厳しいが、木々が雪から守ってくれるはずだ。


「ハバネロ郎殿、コイツも返す。鞘は俺のだが、悪く思わないでくれ。どうしても抜けなかったし、鞘を割ろうとすると一緒に折ってしまいそうでな」


 埋めた上に柿葛を刺した。





 キューンキューン……


 パイロットではありません。親熊にすがる子熊たちです。ごめんなさい。


「もう帰るよ。邪魔したな」


 来た道を戻る。もうここには来ないだろう。


「プロレスラーの奴、どうしてるかな?」


 家X家から遺髪を託された後、プロレスラーはいなくなった。リングと弟子を残してだ。めっちゃ迷惑。


「帰ったら追い出すか。スクワットなんざ一人でできるだろう……」


 背の低い枝を潜る。なるべく自然を傷付けないように、自分の足跡を踏んで進む。






 ズズズズズズズズズ……






「何だ?熊が追いかけて……えっ?」





 ズズズズズズズズズ……


 鞘に納められた刀が、地面に蚯蚓を描いてソーダ之助に付いて来る。


「狐にでも化かされたか?」


 どうにも嫌な予感がしたソーダ之助は走り出す。柿葛は遅れず着いてくる。


「やべっ」


 ろくな結末が見えない。






「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」






















 笑い声は、空を征く二筋の流星からだ。小判も降って来る……


「中二太郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!やればできるじゃないかッッッッッ!よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおしッッッッッ!この調子で地球万周追加だッッッッッ!」


「あいつらまだやってんのか……」


 柿葛は相変わらず着いてくる。


 そうだ、空に逃げよう。


 ソーダ之助は膝を曲げ跳躍。人の姿のまま流星になった。うさぎ跳びで流星になるのは、武力75から可能だ。


「よおし、これなら逃げ切れそうだ。おっと……そうだ」


 ソーダ之助は胸いっぱいに空気を吸い込んだ。


「いろいろごめんなさああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい」


 主人公が謝ったのだ。これで作者である私も謝れば……恐らく、コンプライアンス的に許してもらえるはずだ。


 ごめんなさい。















































































「アイアム、プロレスラー」


 地面の柿葛が光り、人の形となった。


 胸毛強調コスをしているその人物は跳躍し、存在しない何かを掴んでパイルドライバーッッッッッ!


 その体勢で流星となって、先に跳んだ流星にどこまでも着いて行くのだ。





 完

あと……辻堂安古市様、幻邏様、

なんか空気を読まないタイプの漂流してすみませんでした。

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クリームソーダ後遺症? ↓クリームソーダ作品 クリームソーダ後遺症祭り バナー作成/幻邏
― 新着の感想 ―
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