畜人
耕した畑にタネを撒く
一回一回丁寧に
タネを持つ男が四つん這いで
等間隔に植えていく
植えたタネはメを出すと
きょろきょろ周りを見回して
十ヶ月すればヒトと成る
よく言うだろう
この国の
兵士は畑で獲れるのだ
なんだヒトが欲しいのか?
それならそいつを持っていけ
違うぞそいつはまだ早い
八ヶ月なんだ引き抜くな!
「ンギャァァァァァァ!!」
ほら見ろ足の骨が丸見えだ
そいつはもうすぐ死ぬだろう
仕方ないから埋めておけ
そしたら肥料になるからな
残酷だけど仕方ない
所詮俺達ゃ経済動物
ヒトを売って生きてんだ
ヒトはセイシを選べない
セイシはヒトを選ばない
ヒトの替わりはあるんだよ
後でたくさん植えるから
私は植物をまじまじと見ると鳥肌が立ちます。
草むしりなどで引っこ抜いた草の根を見ると、逞しくもあり、悍ましくもあり、凄いと怖いが混ざった感情が湧き上がるのです。
また、植物の成長を早回しした映像も身震いがします。
健気であり、気持ち悪くもあり、なんとも言えない気分になるのです。
現在流通している果物は、原生しているものよりも味が人の味覚に合うように品種改良されています。
それらを私達は嬉々として食べている。
デザイナーズベイビーというものがあります。
親が望む容姿や学力などをある程度の範囲に絞った子供を産めるそうです。
これらが悪だとは思いませんが、なんだかもやっとした気持ちになります。
この作品はそういった感情をぶつけました。




