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婚約の真実

「だからこそ、男が国王になるべきだと考えたのだ。それに、男が国王になった方が国内も動かしやすいと思ったしな。

 だが、そうとなれば王家の血筋を残せない。

 そこで、私は力のある家の息子と私の娘、リリアを婚約させることを思いついた。そうすれば、王家の血筋が途絶えることはないからな。

 で、そのリリアの婚約の相手として選ばれたのがヘルニア公爵、お前の息子のスカルだったというわけだ」


 国王は諭すように言った。


「つまり、お前の息子が次期国王の候補になっていたのは、一つ、力のある家の息子であるから、一つ、リリアの婚約者であるからだった。

 だが、もうその理由がなくなった。

 お主、私が数日前、何故視察に行ったと思う?」


 国王がヘルニア公爵に問いかけた。


「……」

「わからぬようだから答えてやるが、私はリリアに領主を任せておった土地の様子を見に行っておったのだ」


 国王は、数年前にリリア王女に試練として辺境の土地の領主を任せていた。

 その土地を数年間管理させてみて、リリア王女に土地を治める、さらには国を治める力があるのかを試したのだ。


「私が視察に行ってみれば、女でありながらリリアは領主として、しっかりと土地を治めていた。

 つまり、一つ目の理由は、必要無くなったということだ」


 国王が視察に訪れた、リリア王女の領地は驚く程だった。驚く程、土地が豊かになっていたのだ。


「だ、だが、私と婚約していたのはエミリアだぞ。リリア王女ではない」


 先程、国王に次期国王を告げられた時唖然としたヘルニア公爵以上に呆然としていたのは、スカルだった。

 スカルは、状況が飲み込めないまま、国王の話を聞いていたが、ここで少し頭が回るようになった。


「ふふふ、まだ気が付かないのかしら」


 部屋の中にエミリアの声が響いた。

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