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90.嵐の後の片づけが一番大変

 「「あ~何から手をつけるか~」」


 会議が終わり、やっと人心地がついたと思わず出た言葉が隊長とかぶってしまってちょっと意外だ。


 何しろ、既に何やるかはおおよそ決まっているかのように会議を主導し、何なら思い通りに仕事を割り振っている様に見えていた。


 「何だ?隊長もやる事は色々あっても段取りは出来てないのか?」


 「まぁそんな所。内乱であちこちシガラミも出来ちゃったし、これからの開発にせよ貿易にせよ国交にせよ利益の分配で失敗したらあっという間に自分の信用持ちに落ちるしな~。まぁそれはそれで気楽でいいのか?それよりクラーヴンも忙しかったの?」


 「ああ、隊長程じゃないが色々とやることがあってな。まぁでも一番最初にブラックフェニックスの件から片付けるのが、いいかもしれん」


 「へ~どんな話かは知らないけど、ブラックフェニックスに恩義でもあるの?」


 「ほれ、内乱で食えなかった頃の事さ。レディに渡りをつけてくれたのに、まだ何の礼も出来てないんだよ。何か頼み事があるらしいんだが、忙しいだろうから後でいいって、ずっと遠慮させちまってよ」


 「そりゃ、ブラックフェニックスからだろ。ご飯の恩義が有って、にも関わらず待っててくれるなんていい奴じゃん」


 「それじゃあ、私の方の約束はいつになるのかしら?」


 いつの間にか後ろに忍び寄っていたレディに止められ、ちょっと驚いたが、言われているのは隊長のようだ。


 何しろ自分は鉄人が闘技にでた事で一応支払いは出来てる事になっている。


 「『決闘王』戦だよね。自分はいつでもいいし、何ならそこまで称号に拘りもないんだけど、もうちょっと待った方がいいかもね」


 「あら?内乱が終わったらと言う約束よ?」


 「勿論!だからすぐにでもいいって言ってるじゃん。ただ今のガイヤじゃ自分に勝てないよ」


 「そう?随分と安く見てくれてものね?」


 隊長とレディの間に何故か極冷気の風が吹き、窓がぴしぴしと嫌な音をたてているのだけが、妙に耳につく。


 「自分がガイヤを?やめてくれる?そういうの。ガイヤは強い、特に闘技場ってフィールドなら10回に1回の勝ちを拾うのがやっと。だけど今まで2戦自分が勝ち越してるのは何でだと思う?」


 「分からないわ。ガイヤは単純に実力不足だって言ってるけど、私はそう思わない。是非隊長さんの見立てを聞きたいわ」


 「多分装備の差。今回は特にそれが酷い事になる。何しろ自分は原初のヒトに会って、今は無き技術の装備を使ってる。しかも剣は世界樹の剣。そのクラスの装備をガイヤは手に入れた?」


 「でも戦闘技術じゃガイヤもかなりのものだし、闘技場に限定すれば隊長を上回るのなら装備の差で互角なんじゃないかしら?」


 「呪印開放」


 隊長が何やら口にすると左袖をめくり黒い蛇の刺青を見せてきた。


 そしてそれが生き物のようにスルスルと伸び、左手から左頬まで黒い蛇が巻き付くような姿へと変化する。


 「それが何かしら?」


 「ガイヤも呪印を手に入れたんでしょ?霊鳥の呪印で生命力の継続回復状態を維持できるのは知ってる。もしこの開放を覚えたら、もっと強力な効果が出る。自分は地味な能力だったけど、場合によっては必殺に近い大技を手に入れる事も出来るし、装備差を埋めるならそれ位した方がいい」


 「ふーん?それでその呪印開放と言うのはどこで手に入るのかしら?」


 「天上の国だよ。だからこのプロジェクトを手早く進めるのが、一番の近道って事」


 「分かったわ。私のガイヤが更に強くなる情報を貰ったのだし、素直にこの話は持ち帰ってあげる。あと装備品ね?分かったわ。身体能力はヒトの限界に近いところに達してしまった二人の戦いですもの。装備、スキル、術、技。全部揃ってからやりましょう」


 それだけ言って、さっさと帰路についてしまうレディだが、船のサンプルは出来たら【王国】に持っていけばいいのか?


 「ああ~冷や冷やした。相変わらず怖いよね~。それでブラックフェニックスに会いに行くんだっけ?」


 「まぁそうだが、隊長はどうするんだ?」


 「自分は装備無きゃ探索も出来ないし、闘技もできないからね。偶には歩かずにポータルで旅行しようかな?と思ってる」


 「珍しい事この上ないな?理由は?」


 「実は【森国】と【鉱国】と【馬国】にヒトを預けっぱなしにしてるから、様子を見に行きたいんだよね」


 「なるほどな。【鉱国】には<象印術>を見に行く予定だったし、俺も一緒に行くか」


 「じゃぁ、先にさっさとブラックフェニックスの用事を聞きに行こう!もし何か手伝えるなら手伝うし」


 2人で連れ立って【古都】に戻りコージァを訪ねたら、何気にブラックフェニックスにサイーダとポッターが一緒に居て、既に試作品をあれやこれやと騒ぎながらいじっていた。


 「あれ?隊長!まだ完成してないのに見ちゃったら楽しみ半減じゃない?」


 ポッターが素っ頓狂な事を言ってくるのはいつもの事だ。


 「ああ、完成は楽しみにしてるけど、今日はブラックフェニックスの用事を聞こうと思って」


 「俺の……用事?」


 「いや、俺に何か頼みたい事があるって言ってたろ?俺も隊長も忙しくなりそうなんで、先にブラックフェニックスの件から進めようって話になったんだ」


 「ああ!そういう事か!いや俺のは本当に急がなくていいんだ。ただ前に戦ったロボットを修理して欲しくてな」


 「ブラックフェニックスが戦ったロボットだ?」

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