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88.会議に呼び出される

 新装備会議が終わり、生産職各々課題を持ち帰り早速試作から……という段階で、店に当の本人がやってきた。


 「クラーヴン!悪いんだけど、ちょっと会議でてくれない?」


 「はぁ?こっちはお前の新装備の件でやっと面倒な会議が終わったばかりなのに何でまた会議なんか」


 「自分の装備で会議?いつも通り普通にでっち上げてくれればいいよ。そんな拘らないし」


 「お前はそう言うがな。まずもって予算を十分使えて色々実験できる環境を生産職が放っておく訳ないだろ?」


 「ああ~まあそういうのは予算内なら別に好きにやってもらっていいけどね。その方が今後もっといいモノが出来る可能性があるんでしょ?」


 「そりゃそうだな。そう言うと思ったぜ。次にお前の持ち込んだ装備が俺の力だけじゃ解析不能な代物なんだから、色々意見を聞きたくなるのも仕方ないだろ?」


 「あ~ね~それはアレだよ。ほぼエルフの所為。そのエルフにもっと誰もが自由に会いに行けるようになれば、装備の解析も捗るし助かるでしょ?んじゃ、会議行こう!」


 強引に連れ出されてしまったので、どこへやらへと向いながら、もうちょい文句を言わせて貰う。


 「あとだな、お前の変なシガラミで忍者やらスナイパーやらライダーやらヒーローやらがワラワラ集まってきては勝手なデザイン案を押し付けて来るんだよ」


 「まぁ、大体想像はつくけど、今度は悪パターン?」


 「いや、サイバーNINJAだとよ」


 「マジか……何かそれはちょっと恥ずかしいな」


 「まぁファンタジーNINJAも結局着こなしてたし、ロボも出るようになった今シーズンならサイバーっぽいのも有りじゃないか?」


 「ふーん、まぁいいや。よっぽど道徳的にアレじゃなければ任せる」


 相変わらず暖簾に腕押しと言うか、本当に全部投げっぱなしで、何にも言わないんだからいい客なのか、困った客なのか。


 そんなこんな内乱が終わり特に制限もなくなったポータルで【帝都】に向かい、そのまま北奥にある如何にも高級な地域を真っ直ぐと通り抜け、一直線に一際大きく立派な宮殿に断りもなく入っていく。


 門番も仕事しろよと思ったが、よくよく考えればこの初心者服の変人が白竜とか言う明らかにヒトを超越した存在と話をつけて内乱を終わらせたのだから、文句を言えるはずもないのか?


 そのまま当たり前のように、謁見の間でもなんでもない広い会議室に入り込み、既に着席していた重臣らしきヒトに手で立たずにそのままでいいとサラッと指示を出しながら、会議室正面に陣取る。


 「クラーヴンは今回大事な造船開発チームの顧問だから、一番前の一番扉側に座って」


 現状既に隊長の【帝国】での立ち居地に気づいてかなり引いているというのに、よりによってやたら目立つ席を割り当てられてしまった。


 その後、続くように【帝国】のお偉いさんと見られる制服軍人達や、明らかに身分の高そうな外国の【商人】風からあからさまに和風だがきっちり裃が決まってる【森国】の重臣……。


 完全な場違いな状況に身の置き所がないが、一番場違いなのは平気な顔して初心者服に適当な長靴で、自分が仕切るとばかりに一人着席しない隊長だ。


 最後にやってきたのは、遠くから見た事しかない皇帝陛下と宰相を名乗っていた国務尚書だったか?


 いずれにせよこの国のトップと各国代表に主要【商人】と思わしきヒトが一堂に会する場、自分と隊長以外はNPCだと分かっていても異常な緊張感に苛まれる。


 「んじゃ、会議始めます。皆忙しいと思うから淡々と粛々と進めるからね」


 重要会議の始まりとは思えないほどあっさりしていたが、内容もシンプルだった。


 「まぁ、事前に資料は配ってるけど、自分が行ってきた天上の国と根の国の開発についてそれぞれの利権がぶつからないようにして行きたいと思います。野放しにしちゃうとアレでしょ?世慣れしてないからって、平気で向こうのヒト騙した挙句不信感持たれて全部パーになるでしょ?この中にそんなことするヒトはいないと思うけど、他所にはそういう事するヒト沢山居るのも事実だし、目を瞑っててもいつか問題は噴出するからね。はじめはとにかく厳しく制限するから」


 「ふむ、それがいいと思うが、各所から出てくる文句はどうする?権益を我らで独占しようとしているなどと言われる可能性は十分あるぞ?」


 「そういう奴は、大霊峰の頂上まで連れて行って、一人で帰って来いって言えばいいんじゃないの?他人から利益毟ろうとしてるのはそっちだろって?」


 「それもそうね。誰も踏破出来なかった大霊峰の先を見てきて、新たな商業チャンスを生み出したヒトの権利を認めないで、横から手を出そうなんて許せないわね。少なくとも私の目の届く範囲ではそういう愚か者に生存権は認めないわ」


 誰かは知らないが、至極全うな質問に対して人でなしの回答で返すものの、どうやらこの会議には似たような思想の危険人物しか居ないのか皆あっさり納得する。


 その後も穏当とは言えない結論しかでないのだが、何でこんな会議に巻き込まれたんだ?

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