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87.好き放題

 さて、まずは誰から話を聞いていくかと会議室をぐるっと眺めると、お誂え向きの三人組と目が合う。


 何しろ生産と言う点においてはこれと言って頼りにならないが、忍者で居ながらそれを隠しもしない陽気な人物像は、会議の口火を切るには丁度いい人選じゃなかろうか?


 「言わずとも分かった!そうだな確かにコレと言って製作能力のない俺達はあくまで隊長に似合うデザインや趣味嗜好と言う点で話すだけだ。先に意見を述べた方がいいだろう」


 「だな!しかしデザインなれば今の装備であるこの二つ!凄くいい!何しろ俺達とは趣の違うファンタジー感のあるNINJA服と表向きの身分を分かりやすく表現した制服!完璧な取り合わせと言っていいだろう!」


 「確かにくたびれて来ているようだが、このNINJA服のデザインは継続でいいんじゃないか?隊長は冷気使いの忍だし、ちょっと西洋人が東洋魔法使いをイメージするような雰囲気が逆にしっくり来ると思うぞ?」


 とまぁ、趣味全開のコメントだが言ってる事は何となく分かる気がする。


 自分からしても隊長はNINJAイメージで忍者じゃない。柿渋色や暗い藍色のガチガチ忍服で散弾銃を振り回されるのはちょっと何か違う。


 そこで、ビエーラ、カヴァリー夫妻も口を開く。


 「隊長の武器は片手でも扱える小型散弾銃に、ハンドガン。しかもさり気なくハンドガンまで世界樹素材で、制服を着る時の術装備用といった感じは、統一感があって悪くないですよね。逆にNINJA装備に散弾銃ですけど、これは分からなくはないと言う程度で、もうちょっと捻ってもいいかもしれません。NINJAだと銃に棒手裏剣突き刺す方が似合ってる気がします」


 「苦手な遠距離攻撃を補強する術武器に散弾銃っていうのは隊長らしくて凄くいいと思うの。散弾銃なら面攻撃の反応射撃で防御的にも使用してる姿が目に浮かぶの。人間離れしてるけど。つまりこれは隊長の戦術的に手放せない武器と考えるべき。そうなるとこれは古典的ファンタジーより未来的SF感を出していくべき案件なの!ロボを修理できるクラーヴンならやれるの!」


 これらの意見を一々メモしていくコージァだが、自分的には散弾銃が隊長にあってる根拠を聞けたので、参考にさせてもらうつもりだ。


 しかし、銃使いに相応しい装備の話はどこへ行ってしまったのか?


 「隊長の装備デザインはいいんだが、遠距離武器使いとしての意見はないのか?」


 「隊長の武器を見て確信したの。あまり狙わずばら撒く方が合ってるの。元々動きが精密すぎるからそれ位荒っぽい射撃武器が増えた方が危険度が跳ね上がると思うの」


 なるほど、自分の印象では隊長はおおらかな割りに戦闘は細かいって言うか、敵対する相手の武器を持つ小指を狙って切り落とすような人物像だし、逆を補完して弱点がなくなると言うのは分かる気がする。


 そこで、聞いてもいないのにヒーロー達が騒ぎ始める。


 「はいはいはい!俺は隊長に足りないのは一つだけだと思う!それは華だ!何か何をどうしても地味な印象が抜けない!しかしプレイヤーを代表する存在としてここは一つ、もっとド派手にしたらどうだろうか?」


 「確かに!未来感を出すなら機械感マシマシのパワードスーツとか、スピードタイプの隊長にはいいんじゃないか?普段は重く硬くパワーがあって、脱げば超スピードとか!」


 「いやいや、ここはスピードをもっと印象付ける為に加速装置をつけよう!スピードを補強する為にウイング展開したらもっと格好いいんじゃないか?」


 その後も言いたい放題だが、ヒーローの意見は余り参考にならない。


 何しろ隊長のスピードは世界をその足で回ってきた事による圧倒的ステータスとスキル熟練度の移動力だ。


 加速装置のようなブースト系とは相性が悪いだろう。何しろ使い込む事で能力を十全に把握してコントロールする事に長けてるのだから。


 そして足が遅くなるなんて言うのは探索系プレイヤーでもある隊長は絶対断るだろう。『これなら初心者服の方がいい』とか言い出すのが目に見えるようだ。


 そんな中、隅で色々と相談しながら思案に暮れていた白衣カップルが、ようやく重い腰を上げるように提案してきた。


 「まず現在のこの装備を見るに、俺達では再現不可能な技術が多く使われている。例えば宝石から直接精霊の力を引き出す方法を<錬金>使いである俺も持ってない。普通は加工して形を変える事で使うのだから、これらの技術は是非学びにいきたいと思ってる。その上で限りなく近い、精霊の力を抽出凝縮した道具を俺は作れる」


 「更に私はその道具の力を装備に流し込む技術は持っているので、擬似的にこの装備の制服再現は可能だ。やはりここは私が一枚噛むべきだね!」


 「そうは言うが、短期決戦装備はこっちの制服の方で事足りてる様なんで、俺達が作らなきゃならんのはNINJA装備に変わる探索向きの精神力を使用しなくても最低限防御力を保障してくれる様な防具なんだ」


 「それなら尚更私達の力が必要だね!この制服は氷精が目立つだけど、陰精も使われてるじゃん!精霊の力を利用する技術にかけちゃ一応一角って言う自覚があるからね!ステルス機能付きサイバーNINJA装備を提案するよ!」


 「「「「「サイバーNINJAだって!!!」」」」」


 何か訳の分からん方向に向かって行くんだが、無意識に胸が高鳴るのを押さえられないのは何故だろうか?

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