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79.重機関銃

 ある日の事、残務整理が終わったのかカーチが店に遊びに来て鉄人といつも通り話をしている。


 いつもの日常風景なのに、何故か妙に寒気がすると言うか、こういうのを嫌な予感とか虫の知らせと言うのか、何となく家の裏手に止めてあるモグラちゃんの様子を見に行った。


 するとあまりにも地味で普通な【帝国】【士官】風の人物がそこに立っていて、何故かうっとりと『いいドリルだ……』とか呟いている。


 まぁ、自分で言うのもなんだが、モグラちゃんのこれは会心のドリルと言っても差し支えない出来栄えだし、モグラちゃんのことを思っている内に出来た運命のドリルと言っても過言ではない。


 そしてその感覚が分かる地味すぎ【帝国】【士官】風人物と言えば、隊長だ。


 放っておく訳にも行かず声をかけると、内乱の参加協力要請だった。


 正直戦闘関連からっきしの自分に声が掛かるとは思っていなかったが、そこは搦め手が好きな変人隊長だし、何か作って欲しいものでもあるのだろうと、とりあえず店の中へ。


 正直な所、内乱と言われても何も出来ずにいる事にちょっとクサクサしていた事もあったし、折角だから製作だけでも手伝ってやろうかと気合を入れたところに、金はないけど土産があるとまで言われ、相変わらず他人を使うのが上手いやつだとちょっと警戒した。


 「あっ!隊長だ!なんで?来るの分かったの?約束してた?」


 「カーチ、久しぶり。何かドリル使いになったって?」


 「相変わらず、カオスだな。約束はしてないぞ。嫌な予感がしただけだ」


 「あ~嫌な予感か~内乱に参加するんでしょ?どうするの?【古都】の皇帝は負けそうって聞いたけど」


 「でも、自分向こうの宰相に嫌われてたから、こっちでやる。何より食料難とか為政者のやることじゃないから、白竜だっけ?話によってはぶん殴る事にした」


 「話によってはって、殴れる相手なのかよ?あれだろ?ソタローが目覚めさせたって言う超越的存在の世界を守る一柱とか言うそれ系の生物」


 「白いドラゴンなんだよね?何か【帝国】の神様みたいな感じでしょ?殴ったら怒られそうだけど」


 「怒ってんの自分だから。食料は何とか西側陣営から買い付けてきて一般にも流通したけど、そういうやり方は好きじゃない。効率がいいのは分かるし、場合によってはやらなくもないけど、でも今回は自分が敵に回ったんだから、徹底的にやる」


 「何か普通にお前も同じ事やりそうじゃねーか。まぁいい、それで?俺に何を作って欲しいんだ?」


 「???隊長はクラーヴンに何か作ってもらうの?」


 「いや、作らなくていいんだ。自分が行ってた天上の国からの御土産で、重機関銃をいっぱい貰ってきたから【古都】の外壁に設置して欲しいんだよね。もう次は【古都】決戦て所まで追い詰められてるって聞いたから、ほぼ負け確のこの状況を一戦でひっくり返す秘密兵器」


 「重機関銃……」


 「重機関銃?」


 隊長がアイテムバッグから取り出すのは、確かに砲身が長く如何にも連射機構のついてそうな機関銃そのモノに見えなくもないが、行方不明前にフリントロック銃を持ってきたかと思えば、帰ってきたら重機関銃は飛びすぎじゃないか?


 何をどうしたら剣を振り回し、術を撃ち合うファンタジー世界に重機関銃を持ち込めるのか、この変人の脳を一度ちゃんと調べてもらった方がいい。


 しかし、これを作ったのが目の前にいる当人な訳ないし、用意したのはゲーム側か……。


 「一応このサイズだと設置式なんだよね。天上の国には重機関銃持ち歩くヒトもいたけど、そのヒトは格別に優秀なヒトだったからだし、基本は設置して砦とか要塞とかを守備する用なんで、頼むね!」


 「弾は?弾はどうするんだよ!それも天上の国とやらから大量に持ち込んだのか?」


 「そうだよね!銃は弾がなきゃ意味ないもんね!モグラちゃんかモーちゃんに乗せられると思ったんだけどな~」


 「へ?自分の銃を前に修理したじゃん!アレと同じで、基本精神力で給弾するから。重機関銃だと流石に一般【兵士】じゃ一瞬で精神力切れるだろうし、次から次へと射手変わってもらう【訓練】もしなきゃな!重機関銃【訓練】もしてくるわ!」


 「いや~待て待て!天上の国だってきっと戦う為にこの重機関銃を作ったんだろ?だったらよく渡したな?今は敵じゃなくともいつ敵になるとも分からないのが世の中だろ?」


 「???隊長と仲良くなったからなじゃない?」


 「カーチ正解。一応それなりに頑張った報酬としてもらったんだよ。しかもこれはいざとなったら放棄する可能性もあった型落ち品。数が必要で戦場に引っ張ってきたけど片づけが大変だからって、自分が貰ってきた」


 「なるほどな。まあそういう事なら設置は承ろうか。それで?この虎の子一基をどこに設置する?」


 「確かに一個じゃ、脅かす事はで来ても敵全員倒すのは無理だよね?多分」


 「ああ、数はバッグに大量に詰め込んできてるから大丈夫。殆どこの重機関銃と食べ物だから」


 「そうか……お前もアイテムバッグ拡張勢だったな。何でもかんでも大量に持ち歩きやがって……」


 「モグラちゃんにも載せられる?」


 「載せられなかったら、そのうち軽機関銃も貰ってくるよ。あと重機関銃は余ったらクラーヴンの好きにしていいからさ」

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