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76.演出クラーヴン

 闇に迸る雷光。バチバチと耳障りな音と共に、次から次へと連鎖する爆発。爆発の度に少しづつハッキリしてくる地獄絵図。


 雷光の元は鉄人に仕込んだ電束放射器で、爆発してるのは色々仕込んだ動かないドローンだ。


 レディと呼ばれる海運業の女は、何でもかなりの闘技マニアらしく、闘技の為なら一切金もアイデアも惜しまないとか。


 そんなマニアでも流石にロボの演出には苦慮したらしく、自分に相談を持ちかけてきたので快く引き受けた。


 何しろ、こちらは食料を売って貰うために多少なり媚を売って置いて損はない相手なのだから、闘技の演出を少しばかり考えるくらいどうって事はない。


 そして食糧を買い込む為に金を払う気だったのが、演出相談役として給料まで出ると言うのだから、なんとも金持ちの考える事はよく分らない。


 こちらでドローンを用意しただけで目を輝かせ、爆発させる仕掛けを見せたら更に大喜び、からの材料費と手間賃がおかしい金額だった。勿論多すぎる方で……。


 鉄人のストーリーについても今の状況に当てはめて、ざっくり書き上げた。


 まぁ自分はあまり複雑な背景とか伏線とか得意ではないので、すっきりと記憶を失った破壊兵器設定でいこうと思う。


 何かを破壊しなきゃならないという使命が鉄人を動かすのものの、いったい何を破壊すればいいのか分らない。


 う~ん上手い奴が書けば悲哀と硝煙に咽かえりそうなんだが、自分では如何せんこれ以上練り込めんと頭を悩ましていた所、十分だと回答があった。


 その辺は対戦相手次第で色々なパターンを織り込めるから、寧ろ流れに任せてどういう結末に落ち着くのか見るのも一興なのだとか。


 となると、一戦目の相手が重要だ!


 一発目から重めのストーリーに適応できそうな奴がいいのか、はたまたコメディタイプがいいのか?


 色々考える内に冗談のつもりで、急に呼び出されて闘技に参加したらガチガチにストーリーもののデカイイベントだったら、闘技者はどんな反応するか?とレディに聞いてみたらやたら乗り気だった。


 そしてそのままサプライズマッチングも面白そうだから試してみようと決定。


 そうなると、一流の闘技者は呼びづらい、だからと言ってキャラが弱くてもつまらない。


 ブラックフェニックスや天空戦隊の連中は既に知っている為、ドッキリにならない。


 ふと思い出したのが、妙に普通で特徴のないヒーロー、ライダーマスクだった。


 本人も特徴がなくて悩んでたし、ドッキリが上手くいけば、本人の知名度にもなるしいいだろうという事で許可が出た。


 自分に出来る限りの仕込をして闘技当日、普段は戦闘は余り詳しくないしざっくり見てるだけなのに、流石にこの闘技は緊張する。


 最初の演出は想像通りを軽く越えてきた。


 どうやら闘技場リングと言うか、舞台に仕込まれた演出でかなり派手に見せかけていたらしい。


 確かに炎で包まれた闘技場なのに、鉄人もライダーマスクも微動だにしていないって事はあくまで演出なのだろう。


 そしてその後の会話だが、タネを知っている自分は申し訳ないがライダーマスクの反応に笑ってしまったし、同時にそれでも諦めずにあわせようとしている所には素直に感心した。


 ライダーマスクには詳しい闘技内容を伝えてなかった事は名誉の為にちゃんと公表してある。


 結果的にライダーマスクのキャラクターと言うか人徳がウケて、評判は上々と言う事で、めでたしめでたし。


 「めでたくないわ!緊急で闘技に参加してほしいって言うから、何事かと思ったらバチバチ演出ついてるわ!相手はロボだわ!どれだけいらんことに頭振り絞ったか!」


 「いやでも良かったぞアイアンハートとか二つ名とか」


 「クラーヴンにネーミングセンス褒められても、逆に疑っちまうだろ!」


 「それに今後心を手に入れなきゃならんって言う、先に続く話の流れもいい!」


 「アレは鉄人が自分で最後にそれっぽい事言ったんだろ!俺はヒーローとして我を失ってる奴に平和を説きたかったんだよ!」


 「平和を説くためにドリルじゃ襲い掛からんな」


 「うるせーよ!しかも超強いじゃないか!何なんだよあの雷精ハメからの超強力水鉄砲みたいなの」


 「アレは何か改造している内に何となく積み込んだ兵器の数々だ」


 「そうかいそうかい!尚更ロボ欲しくなったぜ!絶対見つけてやるからな!」


 「ああ、それは俺も楽しみにしてる。何だかんだロボと対話してる時ってのは結構楽しいもんだ」


 「なんだ?普段は鉄人とそんなに話してるのか?」


 「鉄人ともそりゃ喋るが、そうじゃなくて、物言わぬ故障したロボがどうなりたいのか聞く時ってのは、時間を忘れるほど楽しいもんさ」


 「喋らないロボと喋る?大丈夫か?」


 「大丈夫だぜ?寧ろ話せないロボと意思疎通できなきゃ、ロボを扱う資格もセンスもないぜ?」


 「な!まじかよ!」


 「そりゃそうだろ?カーチのモグラちゃんもモーちゃんもカーチと話せなくてもちゃんと意思疎通してるぞ?」


 「まじか……何かコツとかあるのか?」


 「さぁ?多分少年の心?」


 「少年の心?」

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