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63.カーチの盾

 「ごめ~ん!遅くなった~」


 「ああ、食料の取引してたんだろ?世の中、日に日に苦しくなってるみたいだし、そっちの方が優先だ」


 「いや!そんな事無い!私の新しい相棒だよ!モグラちゃんにも早く会わせなきゃ!兄弟が増えるってちょっと不安みたいだし」


 カーチの新たな機械人形が出来たと連絡して早々、食料を大急ぎで買い付けて、あちらこちらに売って回ってきたようだ。


 そして相変わらずちゃんとモグラちゃんとは意思疎通出来ているようで、ロボの心もちゃんと通じているようだ。


 ロボはプログラムだから心は無いとか言うのは、野暮でしかない。


 そんな事を言うのは、本気でロボに相対して語りかけた事がないからだろう。


 仮にAIなんてものが搭載されていない、小学生でも買える1000円のミニ四駆だって、真剣に向き合って語りかけ改造を続けていれば、ある時心が通じる時が来る。


 子供がおもちゃで遊ぶのは無駄な時間じゃない。声無き物と対話する哲学的な時間だ。


 おじさんが同じ事をする場合は、自己責任なので何も言わん。


 店に飛び込んできたときにはゲームにも関わらず鼻息荒かったカーチも徐々に落ち着いてきたので、裏に連れて行く。


 「こいつが、新たなカーチの相棒だ!」


 それだけ言って、雪避けの布を外して見せる。


 「あ……ああ!!ブルドーザーだー!!!!」


 歓声を上げて飛びつくカーチと、家の外を回って裏庭に来たモグラちゃんが、天を突く様にドリルを回転させて喜びを表現している。


 二人共、喜んでくれたようで良かった。


 そして、新機械人形の方も、やっと自分の使い手と会えた事で、ほっとしたのか落ち着いた雰囲気だ。


 「気に入ってもらえたようだな。一応コイツは……」


 「私を守ってくれる盾なんだね!じゃあ……モーちゃんね!」


 ブルドーザーのブルは牛だし、悪くはない。


 ちなみにブルドーザーの排土板こそついているが、運転席はない。


 何しろ音声で操作可能なので、操作する機構と言うものが全く必要ないので、わざわざつけずにいいかと……。


 代わりにいざという時にモグラちゃんを積載して移動出来るようにしてある。


 今の所モグラちゃんも非常に固く、何より前面のドリル部に何かちょっと当った位じゃビクともしない。


 しかし今後もっと積極的に攻勢に出る場合、壊れないとも言い切れないだろう。


 そういう時の為に、盾役のモーちゃんがモグラちゃんを乗せて逃げる事が出来る。


 ただし、スピードは遅い。


 積載量と悪路走破能力は高いのだが、移動力だけは上げかねるのが、現状の悩み所。


 まだまだ研究せねばならない事は多いし、出来うる事ならまた地下道の続きの探索もしたいところだが……。


 「モーちゃんと対面中悪いんだが、外の様子はどうだった?」


 「ん~内乱って言ってたけど戦ったりはしてなかったよ?皇帝と宰相?どっちにつくか村とか町とかで言い争ってたけど、結局ご飯食べれる方に行くって言うヒトが多かったかな」


 「そうか、どうすっかな~」


 「ん~?クラーヴンは生産職だし、大丈夫だと思うけど?霊子分解装置直したいんでしょ?」


 「ああ、あとは地下道の探索の続きな」


 「あそこはビエーラとかカヴァリーとかと一緒の方がいいよ。私達だけで行ったら、可哀想じゃん」


 「まあ、それもそうだな。鉄人がいないと部屋を開けるのも儘ならないし、二人だけじゃ行けない場所だからな」


 「うん、私もモーちゃんと早く上手く戦えるように【訓練】しておくから!」


 「分った。地下道は楽しみに取っておこう。じゃあやっぱり霊子分解装置か。それ位しかやる事無いんだよな今の所」


 「そうなの?」


 「ああ、何しろ内乱で仕事がなくってよ。暇でしょうがないんだ。だからと言って生産職一人で内乱の中うろつくのも嫌だしよ」


 「鉄人ちゃんがいれば大丈夫だと思うけどな~?じゃあさ!武器作ってよ!」


 「そりゃ鉄の武器でよければなんでも大抵は作るぞ?何がいい?剣か槍か斧か鈍器か」


 「ん~全部かな~?」


 「全部ってどういう事だ?」


 「今ってさ、全部おーだーめいどじゃない?」


 「そうだな」


 「注文予約だけでもいっぱいあるんだけど、そっちはクラーヴンこだわりたいじゃない?」


 「そりゃ、使い手の事を考えてじっくり鉄鉱石から選ぶのが醍醐味だからな」


 「でもさ、クラーヴンの噂は知っててもどういう武器作るか見た事無いヒトもいっぱいいるじゃん。特にヒュムとか獣人とかはクラーヴンに武器頼みたくても伝手が無いんだよ」


 「ヒュムとか獣人ってNPCだろ?なんでNPCが俺の武器欲しいんだ?」


 「クラーヴンは昔鍛冶イベントで優勝してるからNPCにも有名だよ?」


 「そうなのか、別に相手がNPCだろうとちゃんとしたもの作るが」


 「うん、だけど1個づつ作ってたら凄く時間かかるから、試供品みたいな感じで、数打ちがあると売り込みやすいんだよね」


 「なるほどな~」


 「でも、クラーヴンの包丁って一流ブランドだから、やめておいた方がいいかな?」


 「別に一流でもブランドでもないがな。まあ普通の鉄武器をある程度、数打つだけなら別に構わんぞ。そもそも国とか軍とかに剣も納めてるしな」


 「じゃあ、相応の値段で買うから、普通の武器色々作ってみて!普通のやつね!」


 「ああ、普通の武器な」

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