58.行き止まり
その後はワラワラと現れるドローン達、やはり漏電トラップが浮遊タイプのドローン以外を防いでいたのだろう。
とはいえ、集団で現れた時は鉄人の電束放射機があっさりとまとめて削り倒し、
不用意に近づいてくるドローンは尽くモグラちゃんの餌食となる。
遠距離ならビエーラ、近距離ならカヴァリーが細やかにフォローしてくれるお陰で、戦線が崩れる様な事はまずない。
そして、砲塔を持つドローンの攻撃方法だが、火炎放射器だった。
これは色んな意味で熱い!
初めて見た時は勿論熱かったし、直撃を喰らった訳でもないのに、思わず避けようとしてしまう程の迫力だ。
しかし、戦闘が終わればこの火炎放射器を何とか手に入れてロボに装備したいという欲求がむくむくと育つのをはっきりと自覚する
鉄人の肩に乗せるにはサイズオーバーだし、モグラちゃんの中距離武器にしたらどうだろうか?
……地面に潜った時に引っ掛かりそうだな……。
となるといよいよ完全自作のロボ製作に取りかかるべきか?
しかし問題はコアなんだよな~。
モグラちゃんだって喋らないとは言え、カーチの言葉を理解して動くし、何ならカーチに意思を伝えている節もある。
「なぁ、カーチ?」
「何?クラーヴン?」
「モグラちゃんって火炎放射器好きか?」
「え?ええ……、嫌いじゃないみたいだけど、もっと別の装備がいいみたい」
「そっか~そうだよな~」
やっぱりモグラちゃんに火炎放射器は駄目か。
そうだな~確かにモグラちゃんなら地面に潜るんだし、土精とか良さそうだよな~。
バフ効果も生命力と精神力の最大値に補正がかかるし、スピードが遅くて的も大きいモグラちゃんには最適だと思うんだが?
まぁ、まだ機械人形に術のバフがどれだけ効くのかはよく分ってないんだけども。
いや~でも火炎放射器は熱いよな~!こうして現物があるのに、積載しないなんてそんな選択肢はない筈なんだ!
いっそヒトの武器として使えるように改造するか!丁度いい実験体がいるじゃないか!
ライダーマスク!悪の組織に改造された設定らしいし、もっと魔改造しても多分怒らないだろう!
ドリルに火炎放射器って、ファンタジー世界観ぶち壊しだし、きっと目立つ筈!
砲塔をランチャーの様に肩に担いで、火炎放射で焼き尽くしたり、ぶん殴ったり、ドリルで穴開けたり。
これは前向きに検討する価値のある案だぞ!
未だ鉄人のエネルギー源はよく分らない、電束放射器や電撃砲の威力を連発できる底なしのエネルギーって一体何由来なんだ?
しかし、モグラちゃんのエネルギーは分り易い、使い手であるカーチの精神力だ。
精神力があれば術が使えるのは当たり前の事、多分火炎放射器もヒトの力で使える筈だ。
あとは三本爪アームと丸鋸だよな~どっちも当れば威力があるはずだし、ロボっぽさで言えば抜群なんだよな~。
しかし、これらも鉄人やモグラちゃんには似合わなさそう。
ううん……せめてもう一体ロボがいればな~。
そんな事を考えていたら目の前に壁があり、思わず激突する所だった。
「な、なんだこりゃあ?」
「分りませんけど、多分崩落じゃないですか?こんなあからさまに土で道が埋まってるなんて」
「そうなの。いくらドローンが勝手に整備してたって、古い地下道ならそういう事もあるの」
言われてよく見ると、確かに目の前の壁は明らかに土が積もったものだし、そうなると崩落と考えるのが一番合理的であろう。
生憎天井の状態がよく分らないので、崩落と照明する方法が無いというだけのことだ。
そうなると、ここで引き返すしかないかと言う空気が流れ始める。
個人的にはまた新たなどローンを見れたし、パーツも回収で来たのでまずまずなのだが、他の皆はどうだろうか?
カヴァリーは目で、致し方ないですねと言わんばかり。
ビエーラは物足りなさそうだが、まあ仕方ないといった雰囲気。
カーチは……カーチはどこに行った?
いつの間にか身の回りから、姿の消えてしまったちびっ子。
「鉄人!カーチ見なかったか?」
「カーチ需品課長ハ 土砂ノ 下ニ 潜リ込ミマシタ」
「土砂の下だ~!?」
鉄人がスーッと動き、ある地点で止まると、暗がりでよく見えなかったが穴がある。
そして、内側から反響して聞こえてくるのは掘削音?
「あーーーー!!」
穴の内部で反響してくぐもったカーチの声が聞こえてきた。
「おい!何があった!カーチ!」
「ちょっと待ってて!今そっちに持ってく!」
そんな声が聞こえてくるのを穴の外で聞いて待っていると、土に塗れたカーチが出てきた。
ゲームなのに……一瞬思ったが、逆に言えば土に潜ったら汚れると設定されていれば、汚れるのがゲームだ。
水に入れば濡れる様に設定されているのだから、土に潜れば汚れるだろう。
そして、何をどうやったか、モグラちゃんに繋がれて引きづり出されたのは、機械人形の残骸。
モグラちゃんとはまた別タイプのようだが、どうやって見つけたんだか?
「どうやってロボを見つけるの?」
やはり同じ事が気になったのか、ビエーラが尋ねる。
「え?何かいるなって思ったから」
ドリルと意思疎通できる子供に理屈は通用しない。




