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55.警備室

 現在、暗いながらも緩いカーブを歩いているのは何となく分る。


 何を基準に地下道をひいているかは知らないが、先の見えない不安が自然と心拍数を上げる。


 とは言え、現状出て来るのはドローン程度、しかも警告灯が明るく怖い様子は全くない。


 何ならそのドローンのお陰で、魔物の類は駆除されているの可能性が高い。


 何も出なくなると途端にドローンが恋しくなるのに、やっぱり出てくるなり破壊する。


 「人って……儘ならないな……」


 「何ですか?急に……」


 神妙な顔で聞き返してくるカヴァリーも何となく表情に疲れが見える。


 「いや、分かってるだろ?ずっと暗い地下道で、何か精神のバランスが悪くなってきた」


 「精神のバランスは極端な言い方かもしれませんけど、僕もちょっとしんどいですね」


 「カーチはどうだ?」


 「え?別に?いっぱいロボ出て来るし面白い!」


 「私もそろそろ休憩したいの。問題はどこで休むかなの」


 「ソレデシタラ 近隣ニ 警備ドローン ノ 充填待機施設ガ アリマス」


 「「「それだ!」」」


 何しろダラダラと長い道のり、どこで休憩するのか、きりのいい場所が中々なかった。


 施設的なものがあれば、何となく気分も変わるし悪くない。


 ドローン用施設では、休憩所のように火を使ったりは出来ないかもしれないが、それならそれで食べれるモノを作るのが腕だ。


 ここは一旦休憩して食事にしようそうしよう!


 すっかりこの辺のドローンには慣れて、出てくるなりあっさり作業のように倒せる。


 鉄人の出番はなし、ほぼビエーラの独壇場。


 もう少し進めば別のドローンも出てくるかもしれないので、その時を楽しみにしておこう。


 休憩と思ったら不思議と歩速が上がり、暗がりの不安も消えて、サクサクと進む。


 「ココデス」


 鉄人の声と共に一斉に止まり、周囲を見回す。


 よくみると壁に切れ目があり、金属素材の扉があった。


 更に見回すと天井近くに穴が空いているので、あそこを通って浮遊ドローン達は帰還していくのだろう。


 じゃあ何故扉があるかと言うと、当然ながら大昔のヒトが使用していたからに違いない。


 そうなると俄然、休憩所併設である可能性が現実味を帯びてきた。


 鉄人が扉を開き、中に入ると自然と内部照明が点灯する。


 全ての照明が点灯している訳でなさそうなのは、省エネの為か、はたまた劣化の為だろうか?


 入り口はギリギリモグラちゃんも入れるが、内部通路は少々狭いので入り口近くの空間で待機してもらう。


 まずは、入って左側の扉を開くと、そこには先ほどまで見慣れた数種類の警備ドローン達が並んでいた。


 早速、動かなくなっているやつを見繕って、もって帰ろうとすると、


 「クラーヴン?楽しいのは分るけど、一旦全部見てからにしよ?」


 カーチに止められてしまったので、まずは他の部屋を全部見て回る事を優先だ。


 左の部屋の奥は、ドローン修理用と見られる設備が並んでいる。


 ここもロボットアームがいくつか並び、壁面にはもう動きそうもない小型の霊子分解装置。


 「何か本当に徹底して手を動かさなくていい様に作られてるの。扉すらスライド式じゃ、本当にどう生活していたの?」


 「でも、坑道には火を使える炊事場が有ったし、手作業が出来ない訳じゃないと思うがな」


 「確かに言われてみればそうですね……。そうなるとやっぱりこの機械文明を持った昔のヒトの文化が中々見えてきませんね」


 そんな事を話しつつ、今度は通路右手の部屋に入りこむ。


 「おっ!こりゃあ!」


 「やりましたね。やっぱり気が滅入って仕方なかったし」


 「やっと休憩なの。助かったの」


 「やっぱり料理は出来るようになってるんだね。なんでベッドと台所だけは普通にあるんだろう?」


 そこは坑道で見たのと似た様式の休憩所。


 ベッドがある事から、ログアウトも可能である。


 壁に直接取り付けられるように並んだ金属のベッドフレーム。布団が朽ちていないのはゲーム側からのサービスだと思っておこう。


 じゃなきゃ、朽ちた金属フレームでログアウトしなきゃならんし、何かちょっと気分悪い。


 台所で火を起こすとカヴァリーがやってきて、


 「偶には自分がやりますから、さっきのドローン見てきてもいいですよ」


 「そうか?じゃあお言葉に甘えて」


 と言う事で今日の料理当番はカヴァリーだ。


 自分はさっきの左の部屋に戻り、もう動かなくなったドローンを物色。


 まずは警備用を一機、声は警戒音が鳴って警告灯が光るだけの浮遊ドローンだが、仲間のドローンを呼ぶのはどんな機構なのか、凄く気になっている。


 次に盾付砲型ドローンだ。


 砲内部には弾は入っていない、給弾装置もないという事は、何もない場所に弾を生み出している証拠だ。


 心当たりあるのは、一度修理したきりの隊長の銃だが、アレは氷の弾を発射出来るようになっていた。


 弾を作り出し射出する機構に、飛ばした勢いで姿勢を崩さない為の機構、ダメージを追ったときのノックバックを軽減する機構と、見たいものはいっぱいある。


 更には透明の盾もいい。ビエーラの攻撃で刺さりこそしたが貫通までは行かなかった。


 透明と言う事は金属ではなかろうが、これも霊子分解装置で作ったり出来るのか?


 そんなこんな物色している内に、食事が出来たと呼ばれ食卓に付く。


 シンプルなパンとジャガイモとベーコンの炒め物に人参とジャガイモと玉ねぎのクリームスープ。


 カヴァリーの料理センスは尖ってはいないようだが、ほっとするいい味わいだ。

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