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52.電束放射器

 「それにしても、クラーヴンも思い切ったね」


 「ん?何がだ?」


 「鉄人の武装だよ。まさかここまで完全に射撃に振り切るなんて思わなかったから」


 北辺基地からの坑道探索に向う途中、やはり武器を一新した鉄人が気になったのかカヴァリーが話かけてくる。


 口調がいつもよりフランクだし、冷静そうに見えて興奮しているのだろう。


 やっぱり何だかんだこういうロボとか機械関係が好きなのだろう。それでもロボが欲しいとは言ってこないという事は、微妙に趣味が違うのだろうけども。


 当の鉄人だが、確かに結構装いは変わっている。


 ボディに関してはまだ霊子分解装置の修理も終わっていないこともあり、既存のドローンをばらして繋いだだけの簡素なものだが、武装は結構変わっている。


 それこそカヴァリーの指摘通り、遠中距離攻撃を主体とした武装でまとめた事で、思った以上にバランスが取れた。


 例の鉄人が本来搭載される予定だったボディを今出来る限り解析し、今ある材料と技術で再現した結果は実戦でお見せしよう。


 まぁ、とは言えあのボディの解析を進めているが、進捗状況は捗々しくない。


 まず移動手段だが、鉄人は本来浮遊移動する予定だったらしい。


 自分からすると浮遊していたらどうやって砲撃や銃撃の反動を相殺するのか、何をどうやってカウンターを当てているのかが、全く不明。


 確かに浮遊していれば地形の影響を受けないというメリットはあるし、雪の中を動くなら尚更都合がいいだろう。


 どんなに軽量化を進めた所で、ロボは金属ベースで出来ている以上、重い。


 重ければ沈む。これがこの雪国【帝国】の常識だ。


 例外はそれこそモグラちゃんの様なキャタピラ移動だろう。これも地形適応が高い。


 ちなみに今の鉄人も雪上は一応ホバー移動。ある意味浮遊移動に近いのだろう、道理で危なげもなく細道だろうと水上だろうと滑っていく訳だ。


 更にメモリボードの件だが、これだけはそのまま使えたので、鉄人に搭載されている。


 そしてメモリボードを搭載した事で、鉄人は何かしっくり来たものがあるのか、色々思い出した風だったが、結局の所ハード面が追いつかない為、お預け状態。


 それでも、今出来る限りの技術を積み込んだボディには文句はないみたいなので、今回の探索でまた有用な情報を集めて、完成を目指してやりたいところだ。


 そんな事を考えていると、カヴァリーがニヤニヤこちらをみてくる。


 「そんなこっちを見んなよ。鉄人の性能については実戦で見せるからよ」


 「射撃能力と聞いては黙ってられないの。辛く評点するからそのつもりでいるの」


 「おいおい、ビエーラみたいな一流に辛く点つけられたらそりゃ敵わんぜ。単純な話、鉄人は本来射撃用にチューンされたロボだったらしい。それが分っただけでも前進だろ?」


 「へ~やっぱり鉄人ちゃんは戦うロボだったんだね~。生命科学研究所破壊するのが任務だもんね!」


 「ハイ 必要ナ 戦力ヲ 整エテ 使命ヲ 果タシマス」


 「生命科学研究所があればな?」


 そんな事を考えている内に、北辺基地に辿り着く。


 いつも通りドックから入り込み、飛んでくる空中ドローンは全部ビエーラの餌食だ。


 奥に進んで出てくる地上用の車輪移動型は、カヴァリーとモグラちゃんで倒していく。


 そして、溶鉱炉のある部屋。


 前回倒したにも関わらず再びワラワラと現れる二足歩行ドローンと、空中ドローン達に、一歩前に出るカヴァリーの肩を押さえる。


 全員の前に立った鉄人の右肩から発せられるのは、不規則にうねり撒き散らされ、そこら中にぶつかって焦がす青や紫の光。


 電気の束が解けて拡散し、バチバチと耳に悪いほどの大きな音を発てて爆ぜる。


 電束放射器でモンスターハウスのように一斉に襲い掛かってくるドローンを一掃した。


 中には偶然オブジェクトの影にいて助かったドローンもいたが、それはビエーラのスナイプで一瞬で片づいたので問題ない。


 「派手で大味な武器なの」


 「だが、こういうワラワラと敵が出てくる場所にはいいだろ?」


 「否定はしないの。他の武器も期待してるの」


 「まぁ、完成度はまだ低いんで期待はそこそこにしてくれ」


 こんな会話をするも、ビエーラ的には及第点の威力だったのだろう。特に文句は言われなかった


 左肩の水圧銃、右肩の伝束放射器、両腕の武器は次の敵が出てきた時のお楽しみだ。


 鉄人の案内で、やたら丈夫さだけが目立つ鉄扉の前に立つ。


 他の場所の洗練された雰囲気と言うか近未来感ある建造物と違い、ただひたすら丈夫さだけを追い求めたような鉄扉。


 軽く拳で叩いてみたら、相当な厚みと密度があるのが分る。


 扉横のコンソールに鉄人がプラグを差し込むと、ギギギギギ……と重く錆付いた音がして扉が上に上がっていく。


 坑道直通の通路?素材や資源の輸送路として使われていたという道は一応舗装されていた。


 両サイドにも一定間隔で鉄柱が並び、天井も割りとしっかり補強されている?


 古いものだから、どの程度耐久力があるかは分らないものの、鉄人がまた有ったコンソールを操作する。


 補強用と思われる柱ごとに光源があるようで、凄く明るくもないが、歩けない事もない程度にはなった。


 あとはこの謎の通路に一歩踏み出す勇気。

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