表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/350

42.再び化け物

 新たな通路を発見し、時間を確認すると全員お互い眼を見合わせ、まだ時間に余裕があることを確認する。


 そして、それまでとはうって変わって、暗く、やや狭い印象の土の地下道に入りこんでいく。


 暗く遠くを見通す事が出来ず、天井も低いので、ビエーラは戦いづらいだろう。


 そうなると、ここで頼りになるのはまずはモグラちゃん。


 何しろ自分が丹精込めて作ったドリルが先端に付いているので、ちょっとやそっとの攻撃で破壊される事はないだろう。


 逆に広い場所で横からボディに攻撃を喰らうと非常にまずい、何しろ交換パーツが無いので、〔IRM〕で回復可能な範疇のダメージに抑えて欲しいものだ。


 なので横を固めるのが、小回りが利き、実質このパーティで一番移動力の高いカヴァリーと、足は遅いが連射の効く遠距離武器を持つ鉄人と言う事になる。


 まぁ、でもタンクに遊撃に中距離射撃支援と長距離射撃支援が揃っているのだから、まぁまぁの布陣なんじゃなかろうか?


 カンテラと鉄人の頭部に仕込んだライトで周囲を照らしながら、ゆるゆると進むと、何かが天井から落ちてきた。


 だがその正体をはっきり確認する前に、モグラちゃんがその重量で轢き潰してしまう。


 後に残ったのは何か太いロープ?


 調べてみるとミミズの魔物の様だ。


 女子は虫が苦手だという先入観があったのだが、ビエーラは平気な様であっさり<解体>すると、〔良質な氷土〕が手に入った。多分農業系プレイヤー用のアイテムだろう。


 その後も地下道を歩いていると、虫系魔物が出てくるのだが、大体先頭を行くモグラちゃんのドリルに引っ掛かるか、轢き潰されてしまって、戦闘らしい戦闘にはならない。


 土やら幼虫やら虫の体液やら手に入れるものの、若干だれてきた。


 道は直線でこそないが、突貫で掘り進めたのか、ただの一本道。


 逃げる為にモグラちゃんのようなロボを使い、強引に通路を作ったと考えるのが、自然なほど何もない。


 ちなみにモグラちゃんの動力源はカーチの精神力なのだが〔術士の石〕と呼ばれる通常は術士系プレイヤーの武器に仕込まれる石をバッテリー代わりにしている。


 時折、カーチが直接石に触れて精神力を補給している様子が見られるが、燃費がいいのか、回復薬のようなものは使わずとも、現状回っている。


 ふと、向う先が妙に広いのを感じた。


 「ちょっと待て」


 「なんなの?」


 「俺は本当にこういうダンジョン攻略に疎いんだが、もしかしたらまずいかもしれん」


 「何があるって言うんですか?」


 「!あれだ!汚いやつ!」


 「汚いの?」


 「ああ、ちょっと見た目が何とも言えない化け物がこの前行った坑道に眠ってたんだわ。急に天井が高くなるって事はと思ってな」


 「それなら、準備して皆で蹴散らしましょう」


 そういいつつ、カヴァリーが身の回りをチェックし出すのだが、そういう事じゃない。


 「あれだよね?生命力吸収しちゃうやつ」


 「吸収系能力持ちの敵なの?」


 「ああ、しかも何も感じさせず近づいただけで勝手にどんどん吸われるから、油断するとあっという間に死に戻る可能性もある」


 「そんな敵どうやって倒したんですか?」


 「鉄人ちゃんが頑張って一人で倒してくれたんだけど、ボロボロになっちゃった」


 「そうなの?つまりロボ専用魔物?でもその生命力吸収って範囲があるんじゃないの?」


 「確かにあった。そういうのに慣れてそうなガイヤに様子を見てもらって、ぎりぎりまで近づいて戦いを見るだけだったな」


 「なる程、それなら自分が先導役になりましょう。鉄人は自走式だから任せるとして、カーチがギリギリ戦闘を見る事が出来るなら……」


 「モグラちゃんも一緒に戦える!」


 「確かにそうなの。私も視界に納められる範囲の敵なら、吸収射程外からフォローするの」


 「じゃあ、カヴァリーが生命力吸収の射程を見る係り、ビエーラとカーチはカヴァリーの言う事をよく聞いて無理せずに鉄人のフォロー。俺は応援でいいか?」


 「そうですね、その布陣でやってみましょう。確かにダンジョンで広い部屋と言えば強敵と相場が決まってますからね」


 あっさりと方針が決まり、ゆるゆると摺足で広い部屋に近づくカヴァリー。


 ある地点で行ったり来たりしたかと思ったら、


 「多分ここですね。もしかしたら戦闘で敵が動けばこのラインも変わるかもしれませんので、自分は位置取りに専念します」


 そう言って、カヴァリーの立っている場所をラインと定めて、ビエーラがクロスボウを構えて、室内を見据える。


 鉄人に〔光石〕と呼ばれる<錬金>の最初に作れるただ光るだけの石を山程渡し、適当にばら撒くように指示を出すと、ボディに乗るだけ乗せて、部屋に入りこんでいく。


 二足歩行の振動で勝手にバラバラ落ちていくがそれでいい。


 部屋内がボンヤリと明るくなり、例の汚い敵の影が落ちる。


 ベタベタドロドロとしたシルエットが鉄人に襲い掛かり、それから逃げながら撃ち返す鉄人。


 そこにモグラちゃんが横合いから突っ込み、敵がブルブルと震えながら、動きを止めた。


 更にビエーラの追撃の矢が影に飲み込まれるが、果たして効いているのだろうか?


 鉄人が振り返り、水圧銃を撃ち込み、同時にモグラちゃんは地面に潜り始める。


 敵のシルエットがモグラちゃんが潜った辺りに覆いかぶさると、更にビエーラの矢が飛び、飲み込まれた。


 急に敵の中央が膨れ上がったかと思ったら、そのまま貫き出てきたでっかいドリル。


 モグラちゃんがやったと確信した時には、敵はその場にドロドロと広がるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ