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337.真意

 「まず、B01 W02 が何の為に作られたかは覚えているかと思います」


 「そりゃ、生命科学研究所破壊だろ?どうしたんだ?いきなり」


 「ではその方法については?まだ説明していなかったかと思いますが」


 「そうだったか?確かに破壊するとは聞いていたが、どうやってかは……聞いてなかった?」


 「はい、いらぬ不安を煽らぬよう情報を伏せておりましたが、本来我々二体は生命科学研究所ごと自爆する予定でした」


 「いやいやいや!ちょっと待て!そんな事したら反霊子制御炉が!」


 「そうです。普通に爆発しただけでは、その被害は地底のみならず、地上も含めてはかりしれません。しかし我々の特殊制御炉については、エネルギーが全て内側に向く事で一定範囲を爆縮させ一瞬で消し去ります。それゆえ被害範囲は最低限であるとこれは確定となっています」


 「いや、だからってよ!折角そこまで育てたOSを持ったお前らが自爆して……あっ!なんか死なない方法があるのか?」


 「死ぬも死なぬも、元より生命体ではありません。何故我々が自動で行動可能な機体となったか?一つには生命の近づけない危険地帯で活動する為ですが、隊長総司令の様な作戦を立てられる者も、まだその時には存命でした。それでも我らだけを向わせた理由、それは……」


 「危険地域に突っ込ませて自爆させるためか……いや、それにしたってそんな……」


 「我々の存在理由は自爆さんや爆裂さんと変わりません。その規模が少し大きくなっただけ。それゆえに型式も略称のみとなっております。鉄人と言う固体名をいただけた事は感謝しますが、それで自爆を止めるような事はやめてください。産まれてきた理由がなくなってしまいます」


 「産まれてきたって、さっき自分で生命体じゃないって言っただろうが……何か他に方法はないのか?」


 鉄人に聞きながら、つい隊長の方を振り向くが、難しい顔をして黙り込み、クロードの方をちらりと見やる。


 「クロード、いける?」


 「どうだろうな?この戦いがどれだけ長引くかによるんじゃないか?」


 「それは分かってる。とりあえず、全速でやってよ」


 「指揮は?」


 「自分が何とかする。……こんな時にソタローがいてくれればねぇ……」


 「隊長総司令、作戦は?」


 「変わらないよ。これからコイツを蒼穹の磔刑にして、陽の光で生命力を削りながら、下から火力と言う名の槍で削り殺す。問題は何度も言うように、核と反霊子制御炉の二つだね」


 そう言いながら暗い目元で邪生物を睨みつけ、最早獲物ではなく、何か憎しみの対象を睥睨するかのような雰囲気に思わず息を飲む。


 隊長について幾つか戦いの場にも赴いた事はあるが、いつも飄々としてる男が、こういった余裕のない雰囲気を感じさせる事もあるのだなと、何故か感心してしまった。


 ゴボボボ……


 何とも怖気のする嫌な音と共に地面に大きく穴が開き、相変わらず水と混じっていつもよりもっと汚さを感じさせるブヨブヨとした邪生物の肉体が地面から湧き出してきた。


 そして、コレまで大地に広がっていたそれらが収束していき、盛り上がっていく。


 徐々に現れる正体はヒト?巨人?


 両手を地面に着き、いまだ不安定で崩れ落ちながら何度も再構築される頭をもたげ、徐々に上半身が象られていく。


 「キジンはこちらも真向かい、大霊峰側でスタンバイ!各ロボ達は事前に配布してあるフェニックスフレアボムの確認。プレイヤー達は、攻撃開始!」


 隊長の掛け声と共に、そこら中の高射砲や重機関銃から弾が発せられ、邪生物を削り始める。


 「水中部隊!『嵐の岬』!核らしき逃走部位はある?」


 水中と言う単語は多分、このすぐ足元地下空間の事だろうが、どうやら逃走経路はちゃんと押さえているらしい。


 まぁ、ここで決戦と言っているのだし、当然といえば当然の措置なのだろうが、しかし敵がこのまま何もしてこないわけもなく。どうやってこの巨大な邪生物を抑え続けるつもりなのだろうか?


 大量の弾が飛び交い、じわじわとじゃ生物が削られていくのが分かるが、それでもまだ全体の体積から見ると、微々たる物だし、敵にも余裕がありそうだ。


 徐々に象られていくざっくりとしたヒト型が、ゆっくり立ち上がろうとする。


 「よーし……ここから勝負かけるよ!いくぞ!」


 ことさら強調したように気の抜けた声の直後、体の奥底から湧き上がるような熱に浮かされる。


 隊長の士気コントロールはやはり自分のような一介の生産職には耐え難く、今にも暴走しそうだ。


 直後目の前の空間が捻じ曲がり、空気の流れが完全に止まった?


 嫌な寒気と例えようのない現象を前に、その分析をしようとしていると、邪生物の巨体が宙に浮き始める。


 すぅっと音もなく見上げるほど高く迄浮くと、邪生物が暴れ始めるものの、掴みどころもなく、その場で暴れれば暴れるほどに体がねじれ、原型が崩れていく。


 「さーってと……ここからは本当に時間との勝負だから、徹底的にやっていこうか!」


 「お、おい!コレどうなってるんだ?」


 「御覧の通り、邪生物だけ無重力になって空中に磔になってるんだけど?」


 御覧の通りって言われても、状況がいまいち分かんない。

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