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335.一方その頃沈みゆく街

 「おーっし!ナイス!何とか地下で装甲だけは剥がせそうだね……最悪敵の取り込んだ反霊子制御炉ごと死ぬしかないかとも思ったけど、そのシナリオは回避出来そうじゃん?」


 「おい!何不穏な事言ってやがんだ!地上を焼き尽くしたあれだろ?反霊子制御炉ってのは!」


 「はいはい、いきり立たない!ヤヴァイのは分かってる!でも邪神の化身だって倒す以外選択肢のない敵なんだからさ。一定範囲を完全に消滅出来るなら、それも計算の内じゃん」


 不穏な会話を繰り広げながらも順調に、反霊子制御炉とそれの有った建物と融合した邪生物本体の外殻である、建物部を破壊し終えたプレイヤー達。


 前線組みやトッププレイヤーなどと言う呼び名に変わり、カンスト組みと称されるようになった上位の者達が力を合わせれば、少々特殊な敵も確実に追い込むことが出来るようになった。


 プレイヤーの能力はどんどん極まっていき、限界を迎えたプレイヤー達の目指す先は今度は上でなく、手札の数や幅の広さとなっている。


 ある種エンドコンテンツともいえる無制限参加型集団戦のボス邪神の化身であろうとも、最早絶望的な相手ではなのだと、プレイヤー達はどこかに慢心を抱いて水没する街に浮く小船の上で、邪生物の様子を窺う。


 「これで、生命力吸収なんて言う厄介な能力さえなかったら、このまま攻めきるんだがな……」


 「はい!そこ~!甘い考えは捨てようか。この敵は生命力吸収を持ってるからヤヴァいんだからさ!しかも一見ドロドロでグログロだけど、地底のマグマを通って一度は地上に出てそこから逃げてんだからさ!とにかく、ここからが正念場だからまずは状況整えようか!」


 こんな状況でも慢心とは程遠く、完全勝利しか見えていないのは変人奇人と名高い誰もが最強だと思っているのに、何故か最強と言う二つ名に縁遠い、最狂の実業家、隊長。


 最早1ミクロンも一貫性のない人物評だが、大抵のプレイヤーにそう思われているのだから仕方がない。


 一度敵と見なせば徹底的に追い込むサイコパスは、街ごと邪生物を沈めても、まだ足りないとばかりに、仕掛けを進めていく。


 「それで?隊長は何やってんだ?」


 「え?鉄人に頼んで水に電流流してるけど?」


 「うん……そうか……」


 「経過は順調です。現時点で邪生物の体組織の1%は削れているかと思われます」


 「おお!順調だね!クロード!試算の更新お願い!」


 「分かってる……だが、邪生物が動かないのがいやらしいな」


 「まぁ、ねぇ……自分も早く地上に出て欲しい気持ちと、少しでも削って欲しい気持ちがさっきから摩擦を起こして、鼻血出そうだよ」


 「それは高血圧が原因と思われます。酒量の制限を提案します」


 「そうは言うけどさ~飲まなきゃやってられない時もあるのよ」


 「かつて、ヒト生息域奪還作戦にて統合司令部幕僚幹部より同様の意見を頂いております。結論として、アルコールはヒトの不安を取り除く物質として不安定な影響力しか発揮しないと結論付けられました」


 「逆に言えば、ヒトによっては十分に影響力があるんでしょ?」


 「窮地に陥った場合の戦意高揚などの効果は上げられますが、推薦できるほどのモノではございません。特に隊長司令ほどの身分となれば尚の事です。冷静に戦況を分析し、邪生物に対する方法をお考えください」


 「あっそ?それじゃあまずはヒトは皆地上に逃げようか?所有されてるロボ達も同様に引き上げてもらっていいよ」


 「おい!それだとここでこれ以上ダメージを与えられないんじゃないか?」


 「それはそうだけど、今は本当の決戦に間に合わないほうが困るからさ。自分はコイツがどう動くか追うから、皆は先に行って待っててよ」


 不穏なフラグを立てるような台詞を吐きながら追い立てるようにプレイヤーや量産型機械人形を地上へと送り出す。


 「良かったのですか?」


 「何が?それより進捗状況!」


 「敵体組織2%減です」


 「十分すぎる程に順調だね!問題は……」


 「いまだ不明です」


 「こっちもだ……完全に体組織に組み込まれて、場合によっちゃあ場所も平気で移動してる可能性がある」


 「じゃああれかね?根こそぎ粉微塵になるまで攻撃しかけるしかないかな?」


 「それはとてもいい提案だと思われます。敵本体が露出するまで削り続ければいいのです」


 「問題はその方法だよね?逃がさずに敵のガワの部分を全部削り落とすのにどれだけの労力が必要か……」


 「その為の仕掛けなんだろ?分体との集団戦で明らかに陽の下にいる場合敵は脆くなってたからな」


 「まぁねぇ……地上に引きづり出して総攻撃以外の方法は思いつかないよね。水に沈めて吸収能力を阻害した所で、いつかは逃げられるなら……」


 「タイミングを定めて総攻撃を仕掛ける方に賭ける案は現実的と思われます」


 「同意だな。結局集団戦ってのは全戦力をどこで突っ込むか、その為の状況作りが大事なんだろ?隊長の戦略戦術的にはよ」


 邪神の化身を倒すには核の破壊が必須であり、その方法を突き詰めるのは隊長とW02鉄人、G03クロードの三人、試算を繰り返し、絵図面を引きなおす。

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