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319.独楽からの

 少しづつ太くなりずんぐりむっくりな形態に変化していくと、どこかで重量のバランスが崩れたのだろう。


 ズンッ


 と音がしたと思ったら邪生物分体は水飛沫を上げて横倒しになり、それと同時に支柱が突き刺さっていた場所に水が吸い込まれていき渦潮が発生、支柱に攻撃したロボが吸い込まれていくのが見えて息をのむと、長い紐が飛んできて、渦潮に巻き込まれたロボを引っ掛けて救出している。


 紐の先を見てみるとカーチのパオンちゃんだった。


 てっきりまだ掘削工事中だと思っていたら、ちゃっかり戦闘に参加していたようだ。


 程なくして街の水が抜けてしまい、こちらも動きやすくなる分、敵を阻む物がなくなり不利な気もする。


 まぁ、元々敵に不利な状況を作っていたのだから、そこからイーヴンに戻されただけなのだが、それでもしてやられたという気持ちは拭いきれない。


 その場に転がった最早ドリルとは言いがたい独楽型邪生物分体が、横倒しのままゆっくりと回転し、そのサイズと重量で、近くの建物を倒壊させてる。


 そして一周、二周と回り、ピタッと止まった。


 怪しげな雰囲気に皆が固唾を飲んで、見守っていると音もなく大量の触手が生えてきて、あっという間にひっくり返り、円錐型の小山になった。


 触手の生える底面が文字通り地面側となり、尖った側の頂点が天井を向く。


 しかしそんな事よりも、急に大量に生えた触手のおぞましさに、皆顔色を悪くさせている。


 特に疑問を差し挟む余地もない、これまで通りの汚い感じの邪生物分体なのだが、その密度と量だけで、まるで見てはいけないものを見たかのような気持ちが、胸の底に嫌な物を滞留させて、がっつりと色んなものを削がれた気がした。


 よく見ると、今も円錐に刻まれた螺旋が少しづつ狭まったり広がったりして、まるで生物だと主張するかのように呼吸すら感じさえる。


 唐突に紫のエフェクトが走り、円錐を取り巻いた。


 すぐに空中の鉄人が発した電磁パルス砲だと分かり、相変わらず指示もなく最速最適な行動を探って行う奴なんだなと感心していると、丁度円錐に刻まれた螺旋部が次々ダメージを受けていくのが分かる。


 と言うより、装甲の継ぎ目である螺旋部からダメージエフェクトが漏れているという表現の方が正しいか?いずれにせよロボ型の敵に効果絶大の電磁パルス砲は敵装甲を貫通してしっかりダメージを与えているようだ。


 「ナイス鉄人!ちょっとそのまま時間稼ぎ頼む!今の内に偵察型で、水を抜いてる穴を調べてきて!埋めることが出来るなら、さっさと埋めてもう一回水を入れてやろう。邪生物分体側が今は下になってるんだから、絶対嫌がるはずだ!」


 この状況でも早速敵に対する嫌がらせを思いついてくる変人が頼もしい。


 しかし、敵も何もしてこない訳がない。


 今までとはうって変わって、今度は機敏に動き始める。


 はじめは円錐が斜めに傾き、また転がるのかと思いきや、斜めの体勢のまま動き始めた。


 まるで大量の触手が脚の様に動き、カサカサと嫌な動き方をするのだが、それが巨大でその様子がよく見えるのがもっと気持ち悪い。


 簡単に言えば、グロいヤドカリか、巻貝を被った汚いイソギンチャクってところか?


 いずれにしても精神衛生上あまりいい物とは思えないそれにどう攻撃を仕掛けるのか?


 そこそこのスピードで動くそれの前にロボが立ちはだかれば、そのまま重量で押し潰されかねないし、だからと言ってロボ構造の円錐面から攻撃してもダメージはタカが知れている。


 今は鉄人を追っている様だが、いつ進路が急に変わってもおかしくない。そんな事を思っている内に一個思いついたので、とりあえず走って今いるビルを駆け下り外に出ると濡れた道路を走り、敵が倒壊させた建物の間を抜けて、久々にコントローラーを取り出す。


 あとは通り道と思われる敵が這った後に爆裂さんを設置して逃げるだけだ。


 そして自分が何か指示するまでもなく、そこそこ距離を取った所で鉄人が誘導し、爆破!


 邪生物分体の生体部に火精ダメージが乗る。


 「へ~地雷か~いいじゃん!カーチ!レオちゃんが設置型地雷作るのに必要な材料リスト頂戴!自分の鞄に入ってるのは放出するからさ!」


 「分かった~!レオちゃ~ん!」


 カーチの声が聞こえたと思ったら、すぐ近くの建物にいて、ドン臭く走ってる自分をパオンちゃんがクレーンで引っ張りあげてくれた。


 そしてそこにはいつの間にやら見慣れたプレイヤーが集まっており、さながら臨時司令室となっていた。


 「う~んと~大きいのにするか、小さいのを沢山にするかで違うのね?」


 「その通りだ。小さい物をたくさん敷設した方が外す確率は減るだろう」


 「大きい方がダメージが大きいんだ~……どっちがいいの?隊長!」


 カーチがどこへともなく尋ねると、相変わらず物理法則を一切無視したかのように、隣のビルから、空中を走ってやってきた変人……こいつも大概意味分からん気持ち悪さがあるよな。


 「そうだな~フェニックスフレアボムはどれ位在庫あるかな?」


 「おっと……俺の出番か?何気に作り溜めてはいるが、ここで使い切ったら、また作るのには時間がかかる。さぁ、いくつ使うのが適切かね?」


 ブラックフェニックスのフェニックスフレアボムと隊長の破壊活動、最凶の組み合わせ再びか……。

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