313.光剣は作れども
「ああ、やっぱりそうなのか……あいつらの言葉なんて真に受けない方がいいな」
「クラーヴンはその時呑んでたんだよね?正常な判断ができなくても仕方ないよ」
念のために比較的常識人であるカヴァリーに裏を取ったところ、邪生物分体を生身で倒しにいくなんてのは、隊長とガイヤ位で、普通はあっと言う間に生命力を吸われて死ぬとの事。
隊長に関しては元々氷精激盛り高耐性型なので、術や間接攻撃に強いと言うのがタネじゃないか?ガイヤは身体能力は軽量近接職のソレなのに、離れた位置からでも攻撃できる術士でもあると言うのが、邪生物分体を倒すなんていう異常行動をなせる理由じゃなかろうか?と言う考察だった。
ちなみに剣聖の弟子は瞬間移動可能なので、もしかしたらやるかもしれないとの事だ。
まぁしかし、結局プレイヤーが直接戦闘に加われない状態は据え置きとなるならば、ロボの為の光剣製作に移るべきか。
一応霊子分解装置の設計図にはあるので作れない事はないのだが、ネックはエネルギーの供給だ。
昔の武芸者が使っていたとされるタイプだと直接精神力を込める用に作られていただけあって、精神力の消耗も激しい。
ロボ用でもキジンや鉄人用の物は特殊制御炉のエネルギーを使うものなので、やっぱり消耗が激しい。
機械人形は基本乗り物状だから、剣装備は合わないのか設計図が存在しない。
そうなるとドローン用になるのだが、ドローンはドローンで基地のエネルギーを使って動いている。
しかしそれは充填して→稼動して→充填しての繰り返し、つまり光剣を使える程度のエネルギー蓄積は可能という事だ。
そしてドローン用の設計図通り一本光剣を作ってみたら、手術用のメスくらいのサイズしかない……。
どういう事かと思い調べてみたら、作業用ドローンの使うものであって武器じゃなかった。
非常に悩ましい所だ。
邪生物分体には術攻撃が有効だと分かっているのに、打ち込む手段がない。
まず普通の術士は敵の間合いに入れない。仮に入ったとして基本的に生命力低めの術士ではそう長い時間もたないだろう。
例外はガイヤで、元々近接戦闘を得意としている事から生命力も成長しているし、出入りも早い。その上で火精術を連発するのだから、なんとかなっちまう。
じゃあ術遠距離武器の銃を持たせればどうなるのか?距離が遠ければ遠いほど器用さとスキルが必要になってくる。それらを持ってるのはそもそも遠距離武器を使ってるプレイヤーなので、弓から銃に持ち変える事になるが、地下道探索ではあまり役に立たない。それだけの距離の射線を通せる場所が少ないからだ。
ただ、拠点防衛には有効なので、一応遠距離支援は置いている。大型邪生物分体に対しては豆鉄砲になってしまうが、それはもう仕方のないことだ。
ちなみに隊長は銃使いであるが、元々コントロール重視のスキルビルドである事に加え、結局一瞬で距離を詰めて近距離でぶっ放すので、対応できるらしい。
そして今製作中の近距離術攻撃手段である光剣だが、そもそも間合いを詰めてる間に死に戻るか、瀕死になるのにプレイヤーが使いこなせるわけもない。
仮に耐性を盛って生命力吸収を阻害するとしよう。問題はこの生命力吸収を阻害するには何耐性を盛ればいいのか?という事だ。
一応氷精を盛る事で、全耐性を得る事は出来るが、全部と言うのは即ち全部をちょっとづつと言ったところだ。
一級品の装備で身を固めたって大した耐性にはならない。
例えば氷精耐性代表隊長で言えば、装備品のみではてんこ盛りに持っていても全ダメージ5%カットと言ったところか。
更に右腕の白い蛇で5%と白蛇の氷精強化で装備品が1.5倍になっていたとして12.5%カットと言ったところか。コレでも十分凄いは凄いのだが、邪生物相手ではかなり物足りない。
そこで白蛇開放状態で能力が倍になったとしよう。10%+装備品効果2倍として=ダメージ20%カットまで上がっていく。
そこにサイーダの発明品であるスーツの能力を発動し+10%に白蛇の氷精倍化を計算する事でダメージカット+20%ってところか?
そして隊長の切り札である白いオーラの能力で+10%更に他の氷精効果を倍加する事で、そろそろ計算がわけ分からん事になって来ているが、70%近くダメージカットしてるんじゃないか?って話だ。何しろ氷精効果上昇が被った場合何が優先されるのかそもそもよく分かっていない。
こう考えると、それでも隊長って滅茶苦茶だな……。
軽量紙装甲のくせにダメージ7割近くカットとかアホだろ?当然ながら全力状態なので、時間制限はあるのだろうが。
しかしこれらはスキルも装備もそこに特化してるから起きる異常な現象であって、誰もが真似できる物ではない。
やっぱりプレイヤーが邪生物と戦うのは無理だと、断念してロボの装備を考えよう……。
問題は、ロボにどうやって精神力を供給するかだよな。
ドローンの硬い装甲の内側に術ダメージを与えるべく、ロボに精神力を与える方法を追求していく。




