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20.ヒトの痕跡

 あくる日、待ち合わせしていた時間にログインすると、ビエーラ、カヴァリー夫妻は先にある程度探索して、ドローンを屠ったり素材を集めたりしていたようだ。


 手渡された素材は、汎用的な物ばかりだが、こんなものは幾らあっても助かる。


 ネジにボルトにナットにワッシャーにギア、回路板、蓄電器、抵抗装置……。


 渡された素材と鉄人の状態確認をして、さて行けるなと言う所で、カーチもログイン。


 「じゃあ、新たな部屋の探索と行くか」


 と一応号令を掛ける。


 「あのさ~私思ったんだけど、ここって昔ヒトが住んでたんだよね?」


 「ああ、そりゃそうじゃないか?調理場があるんだから、飯食う奴がいたんだろ」


 「古代の鉄屑には無かったよ?」


 「まあ、な?それがどうかしたか?」


 「だって、死体が無いから」


 「死体って……確かアレだろこのゲームだと死んだら霊子に帰るから、無いんだろ」


 「あ~~~!じゃあゾンビでてこないのか~」


 「ゾンビ見たかったのか?」


 「うん!マリーは見ちゃ駄目って言うから」


 「そりゃ、残念だな。でも確か【王国】なんかに行くと一応いるんじゃないか?」


 「骨はいる。でもただの骨だもん。何にも怖くない」


 「何だ怖いのが見たかったのか?」


 「そう!怖いやつ好き!幽霊とか!」


 「まあ機械系のダンジョンっぽいし、あまり期待は出来ないな」


 「そっか~」


 そんな他愛もない話をしながらまた次の扉を鉄人が開錠する。


 そこは長い直線通路、そして早速出てきた新型ドローンはタイヤ走行式で唐突にこちらにネットを射出してきた。


 自分とカーチがまんまと引っ掛かり、身動き取れなくなっている内に、あっさり鉄人とビエーラが倒し、カヴァリーがネットを外してくれた。


 ドローンをよく見ると、棍棒の様な物がくっ付いている。


 どうやらネットで動きを妨害しつつ、ぶん殴るタイプのようだが、また物騒なドローンが出てきたモノだ。


 「格闘プログラム ヲ 取得 1%」


 ドローンが霊子になって消える。また何も言わん内に情報収集始めるからなこのロボは。


 まあ、パッと見長そうな通路だし、何体も出てくるだろうから、そいつらから新たな武器を剥ぎ取ってやろう。


 通路をずんずんと進むと、途中幾つか部屋らしき扉が見つかるが、鉄人は全スルー。


 「この辺の部屋には入らないのか?」


 「ココハ 居住区ノ 模様 情報ハ 残ッテ オリマセン」


 「え~?誰かが残した日記とかあるかもだよ?」


 「情報端末ハ コノ先ニ 集合シテマス」


 「当時のヒトが使ってた武器とか、生活用品はどうだ?」


 「基本的ニ 朽チテ 消エテ シマッテ イルデショウ」


 そう言いながらも、居住区と言われる部屋の一つを開けてくれる。


 空調が壊れたのか、他所と違って繊維質な物が有ったのか、埃っぽい室内は確かにがらんとしていた。


 簡易的なベッドが合ったであろう一角に、キッチンスペース。


 どうやら、近未来的な印象の機械文明ながら、料理はしていたようだ。何で未だに火が出るのかは分らないが、ガス的なものではなく。ゲーム内自然現象の火精的な仕掛けがまだ生きているのだろう。


 ただ朽ちたと言うよりは、逃げた?妙に物が無さ過ぎる気がする。


 確かにこの基地は警戒状態だったし、ドローンに防衛は任せてヒトは逃げたのか?


 それで未だにドローンが徘徊して侵入者を攻撃すると……。


 「何にもな~い」


 「だなぁ。取り敢えず居住区は飛ばして、こいつの情報収集優先するか」


 そう言って、部屋から出て更に長い通路を進むと突き当たり、鉄人が扉を開くと広いロビーのような空間に出た。


 いくつもの端末が並ぶ中から、一番奥の一角を占拠して何やら情報収集を始める鉄人。


 取り敢えず、何も出来る事が無いまま、現状をそれぞれの憶測を交えて話す。


 「あの居住区の数やら様子から察するにここに住む奴らは何かあって逃げたんだろうな」


 「それで間違いないと思いますね。強襲艇と言うくらいですし、何らかの敵性勢力があったのは間違いないでしょう。指揮所と見られるこの場所から居住区、そしてドックに割りと直通で繋がってるのは、兵器基地と言う事なんですかね?」


 「それにしても、もう少し色んな施設と一緒でもいいと思うがな。まあこの指揮所からまたどこか別の施設にいけるのかもしれないし、なんとも言えんな」


 「攻撃を受けて逃げたにしては、何の傷跡も残ってないの。攻撃ドローンは残ってるのに戦った跡が無いのはおかしいの。鉄人の敵はなんだったの?」


 「まあ言われてみりゃ戦った様子は見えないな。そもそも何でこんな辺境の基地を襲ったのかも不明だし、見たところ最終兵器が隠されてるようでもないしな」


 「ね~!他にロボはいないの?鉄人ちゃん以外は充填式なんでしょ?何で鉄人ちゃんの仲間がもっといっぱいいないの?」


 「何でだろうな?自律式で謎のエネルギーで動くロボが作れるなら、それを量産すればいいのに、何でこの基地は攻撃用ドローンだけが動いてるんだろうな」


 そんな事を話している内に、鉄人の情報収集が終わったらしい。


 「基地情報取得完了 本北辺基地ハ 敵性勢力襲撃ノ 為 放棄 サレテイマシタ 幾ツカノ 兵器情報 及ビ 素材取得地ニ ツイテ 情報ガ アリマシタノデ 確保 スレバ 更ナル 強化ガ 可能トナリマス」


 「そんな事より、敵性勢力はなんだったの?」


 「生物兵器デス」

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