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148.水場とキノコ

 「HA~HAHAHAHA」


 何か妙に息を荒げ、笑ってるんだか疲れてるんだか分らない謎の犬型の陰が隊長にじゃれついている。


 「しょうがないな~それ!とってこ~い」


 まるで飼い犬のように扱い、鞄から取り出した骨を近くにいた忍の一人、猿飛佐助と呼ばれる男に渡して、ぶん投げさせた。


 「うし、行こうか」


 「一瞬でテンションがニュートラルに戻り、先に進むように提案してくるのだが、こいつはサイコパスかなんかか?」


 「仲のいい犬はどうするんだ?相変わらず変な物に好かれるやつだとは思ったが……」


 「あの陰は一回骨を投げたら当分は近づいてこないから大丈夫。骨投げないと襲い掛かってくるけど、別にそこまで強くないから、倒すと骨が手に入るって感じかな?」


 「なるほど、ただ面倒な野犬なのか」


 全くここの陰の性格と言うか性質というか、個性が多彩すぎて全く馴染めない。


 そんな事を思いつつ、隊長について歩いていると、いつの間にか不毛の地に植物が増えている気がした。


 「おい!あそこに水場が見えるぞ!」


 風魔小太郎と呼ばれている後ろ腰に短刀を提げた忍が指差して、大きな声を上げるが、残念ながらまだ自分には見えてない。


 すると、その風魔小太郎の足元をよちよち歩きの何かが通り過ぎていった。


 「アレは『アルキノコ』水場の水を体に吸ってそこらを歩くだけなんだけど、アレのおかげで植物が生えて、羊を飼う事が出来るんだ」


 「なる程な。確かによく見るとそこらを小さいのが歩いているな」


 服部半蔵と呼ばれる忍が応えた。


 三人の忍だが、顔が隠れていて当初あまり特長も何もなく、見分けもついていなかったのだが、ようやっと違いが分かってきた。


 まず後ろ腰に短刀を差して、一番身軽な近接戦闘職が風魔小太郎。話を聞く限り奇襲が得意のようだ。


 次に鎖鎌を隠し持っているのが服部半蔵。大体中列にいて、接近も中距離もやれる万能タイプらしいが、一番冷静なようだ。


 最後に手裏剣使いの猿飛佐助だが、手裏剣は一応三人共に使えるようだ。ただ一番遠距離から自在にコントロールし、仲間の援護をする係らしい。


 ちなみに一匹の猿も連れているのだが、コイツは猿飛佐助のテイムした魔物で器用な動物と言う印象だが、話を聞く限り前衛も出来るらしい。


 そんな事を考えていると、急に忍三人の足が止まり、後ろを歩いていた自分は思わず背中にぶつかってしまった。


 「すまん、何かあったのか?」


 「しーーー!静かに!」


 猿飛佐助が大急ぎでこちらの口を塞ぐが、何事かと三人が見ている方を見やると、確かにコレは異常事態だ。


 マッチョなキノコが腕を組んで立っている。


 陰でもなんでもなく、頭がキノコ体はマッチョ、生産職の自分にすら分かる明らかな強者の風格。


 「マルミミ!マルミミ!マルミミ?カクシテル!カクシテル!カクシテル!カクシテル!ミミナシ!」


 キノコ頭のマッチョが一人一人指差しながら、謎の言葉を発するが、一体なんだっていうんだ?


 「久しぶりムシャマッシュ。今後お世話になるかもしれないニューターと猿とロボだから、宜しく」


 「ヨロシク」


 それだけ言うと腕を組んだまま不動の体勢に戻った。


 「アレはムシャマッシュ、ここいらじゃ多分一番強い。一応水があれば生きて行けるキノコなんだけど、色々と不思議なキノコだから逆らわないようにね」


 「まぁ、こっちから揉める気はないけど、危険な雰囲気が漂い過ぎてだな……」


 「大丈夫、こちらから何もしなければ何もしないから、普通に挨拶だけして通りすぎな」


 隊長がそういうので、皆軽く会釈をして前を通り過ぎた。


 すると、今度は干からびた大型のキノコ、サルノコシカケとでも言うのだろうか?でかいキノコに話しかけ始めた。


 「すみません、これからこの辺でお世話になるかもしれない連中なんで、よろしくお願いします」


 「我等は水があれば勝手に生きるのみ、そんなただ存在するだけの者にあえて挨拶をするなど奇特な事だが、その意気を否定する気もない。何かこの辺りの事で聞きたい事があれば来れば答えよう」


 「一応受け入れてもらったらしいから、簡単に挨拶して先に行こうか」


 「何を目的にやってきたのかは分からぬが、最近余所からの訪問者が多くなった。大概はエルフの街で引き返すようだが、偶に目を盗んで街から出るなり陰に絡まれて死ぬ者も少なくない。ここまでこれたという事は実力者なのだろうが気をつけた方がいいだろう。どちらに向うのか?」


 「北ですね。絶望の壁に開いた洞窟を探索しようかと」


 「洞窟の先は知識の範囲外だが、あの穴は黒蜘蛛の一族の者が南から大型の魔物を連れてきた時に空いた物だ。壁と魔物に挟まれ万事休すと言う所で、魔物の攻撃により大穴が空き、そこに逃げ込んだ」


 「そんな大昔の知識があるって、一体このキノコは何歳なんだ?」


 「……」


 「アタマガイイダケの年齢は非公開だってさ」


 一通りキノコ達に挨拶させられ、今度は来たに進路をとったわけだが、この面通しは何の意味があったんだ?

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