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142.ちょっと休息

 【砂国】から戻り暑いから寒いですっかり体が整った所で、次は根の国かと思い、いつ向うのか隊長に尋ねた。


 「自分はすぐに行くけど、皆はポータルだから、その辺のタイミング合わせは皇帝陛下に言ってあるよ。何日かは準備に使うなり休むなり好きにしたらいいよ」


 「ん?折角ポータルが開通したのに、隊長は別ルートなのか?」


 「うん、向こうは兎にも角にも食料が足りないからね。とりあえず買い付の準備は今回のプロジェクトに参加してるお偉いさんとか【商人】に任せてるから、受け取ったらそのまま大霊峰越えて、向こうまで行って待ってるわ」


 「ああ、そうかポータル使った【輸送】は出来ないのか。じゃあ俺は国から連絡が入ったら、ポータルで飛べばいいんだな。じゃあここの所バタバタしてたし、少し休ませてもらうか」


 と、宣言通り、店で鉄でも打って休もうかと思ってログインしたある日の事。


 「クラーヴン!」


 言いながら店に飛び込んできたカーチだが、何故かその後の言葉が続かない、というか凄く切り出しにくそうにしている。


 「……何かあったのか?」


 「実は……」


 よっぽど言いにくい事なのか、言葉が続かず代わりに店の裏に引っ張っていかれた。


 店の裏は大体師匠が雪に埋まっているか、カーチが訪ねて来た時はモグラちゃんモーちゃんの待機所になっている。


 そしてそこには、あちこちひしゃげて、あからさまに故障した二体の無残な姿があった。


 基本的にゲームなので、破損や何かは一応それと分かるようにグラフィックは変わるが、コレは酷いとしか言えないポンコツ具合によっぽどやらかしたなと分かる。


 「何があったんだ?」


 「ユニオンボス戦に参加させてもらったの」


 「ああ……20人でかかるようなボスな。俺は生産職だし戦闘は分からんがでかいんだろ?」


 「うん、この前の坑道の奥のボスくらい大きかった」


 「ああ~あの両手機関銃のな~。でもアイツは少人数でやっちまったし、精々がボスだろう?」


 「ん~大きさが同じくらいだから、大丈夫かと思ったんだけど……皆苦戦してたから、モーちゃんとモグラちゃんに無理させちゃった」


 「なるほどな。まあ仕方ないだろう。戦えば傷つくのが当たり前だし、二体も別に嫌々戦ったわけじゃないだろう」


 すると、二体とも言葉は発さずとも、ぎこちない動きで応えてくれた。


 「ごめんね」


 カーチが二体に近寄って、撫でているがよっぽど大切に扱っているのだろう事が自然と伝わってくる。


 「よし!さっさと直すとしよう。急ぎ仕事にはなるが、集中すれば何とかなるだろう」


 「え!そんなに急がなくても大丈夫だよ?」


 「いや、俺が大丈夫じゃないんだ。例の霊子分解装置に使える素材の件だが……」


 「特殊な金属見つかったの?」


 「ああ、何でも根の国にあるらしくてな。んで、現状根の国に顔が利くのが隊長だけなんで、今度口利いてもらう事にしたんだ」


 「そっかー!……もしかして金属が手に入ったらモグラちゃんとモーちゃんもパワーアップする?」


 「可能性はあるな。元々霊子分解装置無しで色んなもんを繋ぎ合わせただけなんだから、新品の部品に差し変えるだけでも、相当なパワーアップに繋がる筈だ」


 「そうなんだ!良かったねー!!!」


 二体の機械人形に楽しげに語りかけるカーチを横目に、さっさと段取りを決めていく。


 と言うより、壊れる事は想定していたので、換えのパーツや何かは既に作り置きしてある。


 なんなら、コアが壊れなかったのなら、幾らでも直せる算段はつけてあるのだ。


 コアに関してははっきり言って現状替えが利かない部品だし、ゲーム的に壊れないんじゃないかとちょっと思ってたりするのだが、油断は禁物、何しろこのゲームは急に結構えげつない事しかねない。


 とりあえず、今は修理だと二体から壊れたパーツを剥がしていく。


 そして剥がせば剥がすほど、よくここまで壊したと感心するし、ドローンから取ってつけたパーツに関しては剥がした途端、光の粒子になって消える物まである始末だった。


 ちなみにモグラちゃんのドリルだけは普通に修理出来たので、やっぱり鍛冶仕事で自分で作ったものは耐久が完全に無くなるまでは修理可能と分かっただけでも理解が深まった。


 そんなこんな二体の機械人形をほぼオーバーホールし、向こうに行った時の手土産用に幾らか鉄製品を作って置く。


 食料が足りないとの事で、自分の分位は持ちこめるようにあちこちで買い付けて回る。


 少し休むどころじゃなかったが、異常に暑い土地に行ったり、戦闘に関わるよりはずっと気楽な数日をを過ごせてリラックスできた所で、国から使者がやって来た。


 呼ばれてすぐに出かけるわけじゃなく、単純に国側も準備が出来たっていうそれだ。


 防寒具だけはちゃんと用意して置くように言われたが、そもそも雪国を拠点にしているので、性能のいい防寒具は当然常備している。


 準備は整い、あとは出発の日を待つばかり。

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