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125.大会受付

 まさかとは思っていたが、隊長とガイヤの因縁の対決に出場要請が掛かってしまった。


 そう、ずっと勝手にガイヤは隊長と戦う気でいたが、決闘王戦と言うのは、個人間のみでやり取りされていい称号ではない。


 広く公募し、我こそはと言うものを募り、勝ったものに与えられる称号だ。


 通常だと現決闘王引退の際に時代へ引き継ぐ為の大会が行われるのだが、隊長はバリバリの現役と言う事なのだが、


 実際問題【帝国】の重鎮であり【教国】の幹部の一人でもある身分と根の国や天上の国との交易といったビッグプロジェクトの責任者と言う立場から、闘技者へ決闘王の称号引継ぎの必要があるとの事で、認められた大会である。


 というのが、大会運営からの説明だ。


 時代への引継ぎではない為、最終戦まで残り隊長と戦って勝つ事が、決闘王の称号引継ぎの条件となるそうな。


 さて、そんな筋肉共の大会に何故出場要請が来たかといえば、言うまでもなく鉄人にも出て欲しいとの事。


 鉄人は二つ返事で了承してくれたものの、問題はこの大会が仮面武闘会だと言う事なのだ。


 いや、鉄人の顔ってどこよって話。


 一応、今は無骨な金属地のボディに、ペイントでもしたらいいのだろうか?


 金属用の塗装顔料に関しては無い事はないと言う程度だ。


 何しろ通常鉄を打って飯を食ってるわけで、一々色なんて着けない。何か飾りが必要なら寧ろ彫り込む。


 しかし、師匠から一通りの技の伝授を受ける過程で、顔料の使い方もレクチャーは受けている。


 何でも顔料も使い慣れれば評価が上がるし、効果も出るらしいのだが、原状の自分では無理だ。


 現実の方からデータを引っ張ってきてそれを元に、絵を書き込む程度の事しか出来ない。


 まぁそれでも何もしないよりはましかと、鉄人のキャラクターとは真逆とも言えるようなゴテゴテギラギラのアメ車のファイアパターンをベースにボディに描き込んでいく。


 完成して、鉄人に感想を聞いてみると、


 「火精ハ 現状 装備 シテイマセン」


 微妙な反応を貰ったが、ブラフだからと言い訳すると、戦術の一つとして納得してくれた。


 そして大会受付当日ポータルを使い【闘都】へと飛ぶと、圧倒されるほどの人だかりに、ちょっと帰りたくなった。


 【闘都】は基本闘技場の都で、いつでも何かしらの闘技をやってる大体いつもお祭りみたいな雰囲気なのだが、やはり決闘王戦となると熱量が違うらしい。


 都の中央にある一番大きな闘技場に向って行くと、自然と列が出来ていたので並ぶ。


 すると気がつくのは、まだ受付前だというのに既に仮面姿の参加者達の姿だ。


 大会で浮かれているのか、はたまた既にキャラくターに入り込んでいるのか、何しろ常時ヒーローコスプレのプレイヤーがいるくらいだし、十分にありえる話だろう。


 「なぁなぁ!あんたも出場するのか?」


 キョロキョロと辺りを観察していたら、前に並んでいた男に声を掛けられる。


 「いや俺じゃなくてこっちの鉄人が、だな。俺は付き添いだ」


 「へ~なんかロボみたいに見えるんだけど、あんたが動かしてる訳じゃないのか?」


 「イイエ 自律起動型 機械人形(オートドール)デス 北辺基地デ 製造サレ 現在ハ ゴドレンノ店ニ 所属」


 「な、な、な!喋れるのか!そうか~いつの間にかロボまで現れたのか~深いな~」


 何が深いのかはよく分らないが、気さくな男だったので色々聞いてみると、やはり今回の目玉はガイヤVS隊長だという。


 前回大会では、色物グループと本格派グループで割れて、色々見所もあったそうなのだが、色物グループは既に【闘都】で市民権を得たヒーロー達の事なので、今回はそんな意表を突く様な出来事はないだろうとの事。


 ダークホースは最強のPK剣聖の弟子と、ヒーローの中では最強かもしれないと噂の真のダークヒーローブラックフェニックスが、上手くすれば勝ち上がるかもしれない等々、やたら情報通だ。


 そんなこんなお喋りに付き合っている内に、自分達の番が来た。


 「リング名を登録してください」


 「アイアンハートだ。出場するのはこっちの鉄人」


 「はい!承りました。『アイアンハート』様ですね。予選当日は北西の『天水闘技場』へお越しください」


 「分かった。ところで天水ってのはなんだ?」


 「闘技場が高い位置に設置され、中央から水が流れ出るギミックが施されています。周囲から観戦していると、円形の闘技場中から滝が流れ落ちる様が天のお盆から水が零れ落ちるようだと言われています」


 「ほう、そりゃ風流な事だ。分かった受付ありがとう」


 「はい!ご丁寧に!ちなみに天水闘技場はまたの名をマッスルコロッセオとも呼ばれておりますので、是非!筋肉に物を言わせてくださいね!」


 最後に笑顔で何か言われたが、全く意味が分からないので、聞かなかった事にしておこう。


 とりあえず、後は今回要請をかけてきたレディにも挨拶しておくかと、屋敷を訪ねると、忙しい筈の女主人があっさりと庭へと出てきた。


 いつも庭での面会だが、庭に咲く白い花がよく似合うご婦人だし悪い印象は無い。


 「今登録してきたんで、挨拶に寄っただけなんだが、わざわざ顔出してもらって悪かったな」


 「いいえ、別にいいわ。貴方はそうやって気遣いできる方だし、なんなら何の前触れも無く用件だけ言うヒトも少なくないからね。慣れてるわ。ところで、鉄人が随分お洒落になったものね」


 「ああ、仮面武闘会って言うから一応ペイントしてみたんだが、こんなもんかね?」


 「……フルフェイスの鎧でも参加可能だから、別に元のままでも問題なかったわよ」


 そんなん聞いてないっての。

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