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105.【鉱国】

 「結局その制服で行くのかよ」


 「うん、いざとなればすぐ変身出来るようにしてるから大丈夫。都の内部歩くにはこれで十分。今日は<象印術>の取得に来たんだからさ」


 「いや~もったいないね~あんなにネタをふんだんに盛り込んだのに、見せびらかさないなんて」


 隊長は折角のサイバーNINJAは一旦仕舞って元の濃いグレーか薄い黒の【帝国】制服で、ポッターも誘って【鉱国】へとやってきた。


 【鉱国】は【帝国】の東に位置する山の連なる国だが、ドワーフ中心の国家である所為か、山をくりぬいて内部で生活してる。


 勿論ドワーフ以外にも他種族はいるが、それでも全体として職人の国と言うイメージそのままの雰囲気である。


 天井が完全に覆われて下手をすれば気が滅入りそうなロケーションにもかかわらず、不思議と圧迫感がなく独特の喧騒で溢れて明るい雰囲気で満ちているのは、壁に埋まる不思議な発光する石のおかげだろうか。


 用は言わずもがなの<象印術>取得なのだが、問題は隊長暇なのか?疑惑。


 自分も大概色々とやる事を抱えてはいるが、そんな大急ぎの案件って訳じゃない。


 だが隊長は、あちらこちらのお偉いさんを巻き込んだプロジェクトの真っ最中だし、こんな所でサボってたら怒られるんじゃないか?


 「何?」


 「いや、お前忙しかった筈だよな?大丈夫なのか?」


 「今は船を滝の上に引っ張り上げてる所だから大丈夫。その作業が終わったらいよいよ試作小型動力船で、天上の国に行けるかの実験が始まるから」


 「それならいいが、もたもたしてて良いわけでもなさそうだな。ポッター!<象印術>はどこで取得できるんだ?」


 「<象印術>は『長』とつく職人さんなら誰でも使えるから、信用されてるヒトを探して習うしかないね」


 「長ってのは、どういうのだ?それこそこんなんでも隊長って呼ばれてるんだが」


 「鍛冶長とか窯場長とか石工とか細工とかかな。食料長とか商業長は職人タイプじゃないもんね」


 「多分、そう。確認した事無いから分からないけど、その読みで間違いないと思うよ」


 「となるとあれか?その長の誰かに信用されるように依頼でも受けろって事か?」


 「いや~多分いけると思うよ?とりあえず商業長に会いに行こうよ」


 言うが早いか歩き始める隊長に慌ててついていく。


 「その商業長ってのは職人じゃないんだろ?なんでそのヒトに会いに行くんだ?」


 「商業長はこの【鉱国】の入り口の代表者だからね挨拶するに損は無いんじゃないの?」


 「そういう事、ついでに誰か紹介してもらえれば、話が早いし」


 そう言ってあっという間についたのは何かの公共施設、当たり前のような顔をしてずかずか入っていくと、中に掛けられたエンブレムで商業【組合】のものだと分かる。


 そして、受付にいたのはそこそこいい年齢のドワーフの女性。


 「お久しぶりです。商業長います?」


 「あらあら久しぶり、いるわよ。すぐ呼んでくるわね~」


 さっと立って、どこへやらと行く女性だが、すべてが唐突過ぎて焦る。


 「隊長幾らゲームのNPCだからって唐突過ぎやしないか?」


 「自分は前に会ってるから大丈夫。それに、ちょっとしたトラブルを解決もしてるし、それなりにコミュケーション取れる相手だから安心して」


 「いや、もう少し1個づつ段階踏んでくれれば俺も何の心配もしないんだが、本当に大丈夫なのか?」


 そんな事を聞いている内に、老齢の男性のドワーフを連れて戻ってきた。


 「急の用みたいですが、何かありましたか?」


 「いや、全く急の用じゃないんですけど……」


 「あのですね……貴方のような身分の方が唐突に訪れて、いきなり用も言わずに呼び出したら、内々で済ませなければならない重要案件かと思うじゃないですか。いや性格上、そういうフラッと現れて平気な方なのは知っていますが、せめて用件だけでも伝えて置いていただければ、コチラも大慌てで来なくて済むんですよ」


 「やっぱり怒られたじゃねぇか……」


 「何かすみません。<象印術>を習いたくて来ただけなんですけど」


 「それでしたら、尚更誰に聞いても案内しますよ。【鉱国】所属でなくとも習得可能な術ですし、信用と言う点では、あなたは既に大陸中どこでも入れる身の上で、そちらは【帝国】の鉄のゴドレンのお弟子さんですよね。はい、それでは私から許可証を出しますので、ここからは普通に誰かに聞くか、うちの受付で手続きしてください」


 そう言って老齢のドワーフは戻っていき、残るはいい年齢の女性のドワーフだけ。


 「それじゃ、私から説明するわね。ああ、そんなに気にしなくていいのよ。最近宝石の流通量が変化するかもしれないから値段や流通量の調整なんかで連日緊張する会議が続いてずっとあんな感じなの」


 「やっぱり隊長の所為じゃないか」


 「いや、何かすみません」


 「いいのよ~あれでしょ?新たに宝石が大量に入ってくるんでしょ?寧ろ勝手に流通させなかっただけで助かるわよ。それが分かってるから急に呼び出した事だけ言ってたのよ」


 やっぱり隊長と一緒だとヒヤヒヤするんだが、怒られてる間いきなり空気になったポッターは派手な服装してるくせにどうやったんだ?

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