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103.残念隊長の剣

 隊長の新装備の進捗状態を確認する為、コージァ、ポッターそして最近入り浸りのサイーダ達が集まる工房に向かった。


 「ん?ブラックフェニックスもまだ居たんだな」


 「ああ<錬金>的なアプローチで装備の製作について意見が欲しいって言われてな」


 「そうか、隊長は氷精が得意だし、最近陰精も手に入れてきたらしいから、その二つを上手く使えれば多分助かるだろうな」


 「それで?クラーヴンは何しにきたのさ?」


 「いやいや、サイーダ……支給品を除けば殆ど全ての隊長の剣を面倒見てきてるのに、隊長の装備製作に顔を出さない理由があるか?いやないだろ!」


 「……?」


 コージァがちょっと不思議な顔をしながら、隊長の剣を差し出してきた。


 一見すれば博物館に飾られている青銅の剣を模しているような姿の短めの剣だが、当然ながら実用的に調整をし、その剣身から柄まで一体となる様に全て金属で作られている。


 色はやたらと真っ黒だが、これは練りこんだ素材の所為だ。


 アダマンタイトと呼ばれる巨大な亀の甲羅から削り取れる粉を混ぜ込む事で、色が黒くなり、丈夫で耐久値が下がりにくく、防御に補正が掛かり、色が真っ黒になる。


 そんな見た目からは想像できない尋常じゃない重さの剣を両手で受け取り、確認したが、コージァは何を言いたいんだ?


 「クラーヴン?気がつかないかい?隊長の装備は軒並み使いこまれてるけど、その剣だけは全然耐久値が減ってないんだよ」


 ポッターに言われてもう一度確認すれば、確かに全然耐久値が減ってない。


 これは、隊長が折角の剣を使わなかったとかそういう事ではない、剣の耐久値が尋常じゃ無いからだ。


 初めて剣をつくっって売った時以来、やたらとまめにメンテナンスして体に馴染ませながら、ぎりぎりいっぱいまで使い込む性格に合わせて、毎回新たに作る度に耐久値や耐久性を徹底的にこだわって、盛れるだけ盛ってきた。


 そして、極めつけのアダマンタイトである。これによって耐久値の剣が出来てしまった。


 つまり、今回隊長の新装備において自分の出番はない。


 「よくまあそれだけの物を作ったもんだ。はっきり言って普通の手段じゃ到達できない逸品だろ」


 「ああ~ある意味じゃ隊長のこのゲーム歴が詰め込まれたようなブツだからな。それこそ最初の一年くらいはロングソードを使ってたが、ショートソードを使い始めてからはひたすら能力引継ぎしてるからな。丈夫さ極振りショートソード何ざこのゲームで使ってるのは隊長くらいだろう」


 「まあ長く大事に使ってくれるのは生産職冥利に尽きるからね。防具の方のサイバーNINJA装備もそろそろ完成しそうだしさ。隊長の事業がつつがなく進んで欲しい所だね」


 「なんでだ?まぁ上手く行けばいいとは思うが、トラブルだってきっとあるだろう?何をそんなに期待してるんだ?」


 「そりゃ、エルフの技術だろ。原初のヒトって呼ばれるエルフが持つって言う宝石から直接精霊の力を引き出す技術があれば、今よりもっと色んな事が出来る筈だし、賢者の石を使わずに<精霊術>を使うとか言う技術が広まった日にゃ、俺みたいな<錬金>使いは食いっぱぐれるから、いの一番に乗り込んで、寧ろ原初のヒトの技術を継承しようと思ってるぜ」


 「確かに<錬金>に通じそうな技術だもんな。確かに<錬金>使いの生産職には死活問題か。試作小型動力船も出来たし、いよいよ原初のヒトとの技術交流も現実味を帯びてきたもんな。ただ俺、隊長と【鉱国】にも行く約束してるんだよな」


 「何でさ?鉄で一流のあんたが今更【鉱国】行っても何にも目ぼしいものなんか残ってないんじゃないの?」


 「いや<象印術>を学びに行こうかと思ってだな。剣の耐久値は現状全く減っていないが、剣に象印を刻めれば、隊長の戦闘に使える手札が増えるだろ」


 「【鉱国】だったら僕が案内しよう!それにしても<象印術>か!渋い所突くね!象印を刻む側は勿論の事、装備する側も使い手じゃないと、象印から引き出せる力や現象は少ないからね~。隊長も取得するのかな?」


 「多分な。なんか興味あるらしいぞ?あと【砂国】の<粧印術>も興味あるとか言ってたな。ただでさえ両手に刺青刻んでるのにどうする気なんだかな。最悪顔とか言ってた気もするが……」


 「顔も?じゃあサイバーNINJAの仮面もっとパーツ絞った方がいい?」


 「そこは、特に指定も要望もないんだし、やるだけやっておいて、改造頼まれたらまた直してやればいいんじゃないか?何しろ金のことについては心配しなくていい相手だし」


 何だかんだ隊長の好みや今後何をやる気なのか知る限り情報提供をし、新装備完成に向けて手を貸していく。


 偶にはこうやってワイワイと他の職人と一つの物を作るのも生産職の楽しみだろう。


 まぁ、このメンツでどんなキワモノが出来るかは分らないが、新装備完成したら、未開拓地域探索なんて言う危険なことをやりたがってる奴もいるし、できうる限りの協力をしつつ速やかに完成を目指そう。


 <象印術>の取得から、天上の国に向う船の製作、原初のヒトと呼ばれるエルフの技術見学か場合によっては習得とやる事は盛りだくさんだ。

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