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102.動力付きボート

 例の坑道の倉庫に残っていた金属の大半は鉄、そして少量のツタンだった。


 ツタンと言うのはこのゲーム内の金属の一つで、水精の影響を受けている設定であり、耐湿性や防錆なんかが期待できる。


 他にもステンと言う金属は融点が高くやや扱いづらいのだが、火精の影響を受けていて耐暑や火耐性効果があるとされている。


 どちらの金属も多少手に入る程度にはいじっているが、まだまだ熟練度が低く鉄ほどは使いこなせていない。


 ちなみに鉄は正式名称アインだ。だがNPCである師匠も鉄と呼んでいるので、別に鉄で通じるし、何の支障もない。


 鉄の性質はとにかく変化を受けにくく安定感がある事なのだが、ふともし金属も精霊の影響を受けるとなると、アインは何の影響を受けてるのだろうか?と頭をよぎる。


 今まで手に入りやすく、師匠が鉄職人だからって当たり前に鉄で何でも作ってたが、鉄も何かの精霊の影響受けてないのか?


 とりあえず、必要なものだけ回収して【古都】へと帰還。


 まずは動力船の製作からはじめていく予定だ。


 キジンを早く直してやりたいのは山々なのだが、ブラックフェニックスも『もっとちゃんと素材が集まってからでいい。そこまで忙しくないからいつでも声を掛けてくれ』との事なのでお言葉に甘えるとする。


 そうなると、何しろ出かけている内にレディから小型船の提供があった為、試作で小型動力船を作らねばならない雰囲気になってしまった。


 まあ折角なので、あちこちこだわりぬいて最高のモーターボートを作るのも悪くない。


 スクリューについては帰りに基地に寄ってサイズと思いつく形状を何タイプか作ってきたので、すぐに困る事はないだろう。


 ちなみにベースが鉄で、コーティングがツタンとなっており、水に対する耐久度が上がっている事を願うのみ。


 問題は動力だが、これはモグラちゃん、モーちゃん修復の経験を生かして、術士の石を利用して動かす。


 動力から繋がる回転機構で、船を推進させるとなると……あっさり出来てしまった。


 相変わらずの謎クオリティと言うか、ある程度熟練度さえあれば作れちゃう謎の使用。


 霊子分解装置の修復やモーちゃんモグラちゃん改造や、テツジン新ボディを作っている内に熟練度も上がってしまったのだろう。


 折角なので、水を回転で噴出するスクリューだけじゃなく、空気を押して出して進む回転ファン式も一個作ったが、これも出来栄えとしては悪くない。


 「おっ!出来たのか?いきなり【王国】の大物からでかい荷物が届いたと思ったら、動力船製作の依頼だったとはな」


 「ああ、親方……小型だが試作としては十分だと思うんだけどどうだ?」


 「分からんな~俺の知らん技術で作られてやがるしな。まぁぱっと見のバランスは悪くないぞ。このスクリュー?は鉄の上からツタンが貼られてるのか?すげー技術だな」


 「鉄人のボディとかを作ってるあの目に見えない単位で形状を指定して装甲とか作っちまうヤツ」


 「ああ~こんな出来栄えになるんだな。俺も使ってみたいもんだ」


 「装置がでかすぎて持って帰れるようなサイズじゃないし、いずれ現地に行ってみるしかないんじゃないか?」


 「なるほどな……」


 のんびり話しながら、師匠は自分が作ったスクリューとそれを回転させる機構を丁寧に確認する。


 「そう言えば、鉄って何か精霊の力は宿ってるのか?」


 「何だ?藪から棒に」


 「いや、偶々ツタンを使ったんで、ツタンが水精の影響受けてるなら鉄ももしかして受けてるのかなって思ったんだが……」


 「ああ、そうか……いや今までずっっっと鉄ばかり打ってたのに、本当に知らなかったのか?」


 「もしかして、何の精霊の影響も受けてないとか?とにかく安定してて変化しづらいんだもんな」


 「それだけ性質が分かってて思い当たらんとは……氷精だぞ」


 「氷精?って氷と冷気だろ?特に耐寒発揮する訳でもないし、そんな事ないだろ?」


 「あるわ!変化しにくいってのが氷精の特徴だろうが!氷精といえば耐性って言われるくらい、あらゆる影響を受けづらいんだよ!何でこの【帝国】で大量に<採掘>されるかって、この国の氷精の影響力が高いからだろ?」


 「何か影響影響言っててよく分かんなくなってきたが、そうか雪国だし氷精の影響を受けて、金属も鉄であるアインがやたら採れ易いのか。じゃあもっと氷精を意識してやった方が、性能も上がるのか?」


 「そりゃそうだ。今まで分かっててやってるのかと思ってたが、そうかお前【帝国】に引きこもって【帝国】の素材ばかりで作ってたから必然的に何となく程よく揃っちまってただけなのか」


 「そういう事みたいだな。魔物素材や何かは他所に任せてたし、オーダーメイドの武器は別として、特殊な武器防具といえば【帝国】内の知り合いの物ばかりだったしな」


 本当に会話の流れでしれっと聞いてみたのだが、まだまだ鍛冶の世界は奥が深い。


 試作小型動力船の完成は先方に既に伝えた。実験の日までに今度は隊長の新しい剣について考えておかねば!


 隊長は鉄ベースのショートソードを好んで使うし、急いでプランをまとめよう。

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