101.地下文明人滅亡?
巨大ドローンからのドロップ品を回収するべくそれぞれスキルで<解体>や<採集>を行ってる間、いつも通りマイペースに部屋の奥の端末から情報収集をしている鉄人。
自分の分はさっさと終了して、カーチの様子を見ておく。
何しろカーチはいつの間にかちょろちょろと歩き回って新たなロボを見つけ出しかねない。
しかしそういう時に限って、あまりピンと来ないのか、そこらをうろうろと眺めるばかりだ。
部屋の奥にはかなり大きな透明なガラスが嵌め込まれているようだったので見てみると、眼下には巨大な溶鉱炉と見られる施設が有った。
地下基地の方にも溶鉱炉はあったのだが、こっちの方が立派な施設にも見えるし、メインで鉱石を精錬していたのはここだったのだろうか?
他にも扉がいくつかあったので、あとで鉄人に開けてもらって探索しようと一個一個確認している内に、鉄人の情報収集が終わったようだ。
「どうだ?何か新しい情報は出てきたか?」
「ハイ 生命科学研究所ハ 破壊デキナカッタ模様 デス」
一応全員で共有の情報として、鉄人は生命科学研究所破壊のために作られたということは話してある。
その上で、川縁にうち捨てられていた事から多分失敗したのだろうという予想も言わずもがなだ。
「じゃあ鉄人ちゃんはやっぱり生命科学研究所を壊しに行かなきゃだね!」
「ハイ 生命科学研究所破壊任務ヲ 続行シマス」
「なぁ?何で破壊失敗したって分かるんだ?聞いた話じゃ生物兵器を作ってたんだろ?そんな敵の情報聞いた事もないぞ?」
「ブラックフェニックスはまだ見た事無いだけなの。近づくだけで生命力を吸われる対生物性能の高い原型の分からない変な魔物が居るの」
「原型が分からないってスライムみたいな奴か?」
「もっと汚い奴だね。僕も色んなクエスト受けてきてスライムも見てきたけど、もっと違う何かだよ」
「まぁそこはまた縁があれば出会うだろう。それより問題は何で生命科学研究所が破壊出来なかったって判明したんだ?」
「現在地ノ 坑道ガ 塞ガレテイタ理由デスガ 地下基地ト呼称サレテイル地ヲ 生物兵器ニ 襲撃サレ コチラ二 逃ゲ隠レタ模様デス」
「うんうん」
「生物兵器ニ 対抗スル為 全テノ ドローンニ 部外者排除命令ヲ 出シタモノノ スリ抜ケラレ 全滅シタト 情報ニ アリマシタ」
「でも、地底文明人の拠点はここだけじゃないんだろ?だったら他の地底文明人が破壊してる可能性もあるんじゃないか?」
「可能性ハ アリマス 残念ナガラ コレマデノ 情報デハ 確率ハ 低イ状態デス」
「それなら別の基地なり地底文明人の遺跡なり探して確認すればいいだけなの。他の場所の情報はないの?」
「アリマシタ 南東ノ高原地帯ニ タイプノ違ウ強襲艦ヲ 建造シテイタ情報ガ ミツカリマシタ」
「南東の高原地帯なら【馬国】か?あそこは本当に広いから一筋縄じゃいかないんじゃないか?」
「基地ノ位置ハ 分カリマスガ ルートノ選定ハ 不可能デス 所持情報カラ 地形ガ変化シテイルト オモワレマス」
「そうなると、その辺の探索を手伝ってくれる奴を探す所から再スタートだな。【帝国】内には情報を得られるような拠点は無いのか?」
「情報ヲ 集約スル様ナ 大キナ拠点ハ アリマセン 現在 生物兵器ガ 不活性デアル事カラ 時間ハ 有ルト 予測シマス」
「つまり鉄人ちゃんは【馬国】の基地に行きたいんだね!じゃあ、情報集めよう!」
「カーチの言う事は分かるが、隣の【鉱国】にはその基地ってのはないのか?金属資源だったら向こうの方が豊富だろ?」
「情報ハ アリマセン 現在名【帝国】東部ニ 位置スル【鉱国】ポイントデ 産出スル 金属素材ハ 霊子分解装置ニ 適サナイト 予想サレマス」
「鉄も使えたり使えなかったりするし、そういう事もあるの。それより【帝国】内にもうロボが眠ってないのはつまらないの」
「大キナ拠点ノ 情報ハ アリマセンガ 機械人形ガ 作業ニ従事シテイタ 記録ハ有リマス 開示シマスカ ?」
「それは【古都】に帰ってからでいいんじゃないかな?とりあえず、今この場でしなきゃいけない事に関する情報を優先した方がいいと思うよ」
「ソレデハ 先ノ部屋ニ 鉄以外ノ 精錬サレタ 金属素材ヲ 集積シテイマス ソレヲ回収スレバ スクリュー作成ニ 役立ツト 予想サレマス」
いきなりぶっこまれた地底文明人絶滅の情報につい気を持っていかれたが、まだこの基地だけと言う事なので、まだ地底文明人に会える可能性は有る。
今まであまり意識していなかったが、会えるものなら会ってみてロボの製作なんかを教えてもらいたい。
まぁ、あまりロボが一般的じゃない現状、本当に滅びたか、どこかへ逃げたか、技術を捨てて地上の世界に溶け込んだか、何にせよ前より鉄人の時代に興味が湧いてきた。
とりあえず、地下探索に一旦区切りをつけて生産の生活に戻れそうだ。
探索は面白くない事もないが、やっぱり疲れる。戦うすべが無い生産職には刺激が強すぎると言うか、負荷が強い。
何をどうしたらいいかよく分からない状態で、削られながら手探りするように戦い方を模索する連中を目の前で見て、やっぱり住む世界が違うなと思わなくもない。
しかしブラックフェニックスも言っていた様に、新たな発想と言うのはこういう普段受けない刺激に隠されてるのかもしれないし、鉄人にはまだ付き合うとしよう。




