Vol.63 『儚い妄想の一瞬』
プロットとは関係ないのですが、時々、セリフもそうですが自分で書いた言葉を素面で読み返してしまうときありませんか?
サブタイトルですら「うわっ恥ず」と思ったら、正直、作り話なんぞ書かない方が身の為です。精神ゴリゴリ削られて行くだけでしょうから、他人が作った「うおっまじ…」を眺めているに留めておいた方が良いと思います。
絵と同じで夢中になると、思い浮かんだ言葉をポンポン繋げていってしまうので、書き終わって「あれ?こういう言い回しアリなのかしら?」と真面目に調べ出すなんてこともなく、自分から飛び出したモノに恥ずかしさを感じたら――…作業が進まん。
そんなこんなで、前回の絵に文章……といいますか理由付けした骨組みのようなものを書いてみました。
§
母と私は別物だった。
母は森に住まうモノだった。悪魔といわれる化物であったが、その腹から産まれた私には羽があった。
闇を知らず、恐れを覚えず、母を浄化してしまう体だった。それでも母は己の一部が消えようとも気にせず私を抱き締めてくれた。
しかし、私たちはいずれ別れが来ることを知っていた。
母がいうには私が腹の中で核と交わったときすでにわかっていたと、笑いながら泣いた。
その時、母の涙は私の剣になった。
漆黒の魔力を宿したそれはしっくりと手に馴染み、拾い上げて見上げた母の目を見て悟ったのだ。
今日がその日であったのだと……
母に別れを。
これが最後だということを二人で胸に留め、「いつかまた」と痺れを伴う手に触れたのだった。
§
コレが精一杯です…
登場人物は【家族愛】から“悪魔な母”と、母とは正反対の姿をした“羽を持った子供”、あとはそれぞれの理由であります。
そして、読み返します。
読み返して私が最初に直すのは、読んでいてリズム?テンポ?が気になるかならないかです。引っ掛かる原因がすぐわかるときもあれば、なんかわかんないけどムズムズする――なんてときもあります。そんなときは何度も読み返します。で、忘れないように覚えておくかメモしておきます。
1,一行目と二行目の間に空白を入れるか。
2,『闇を知らず』で改行するべきかどうか。
3,『母を上かしてしまう体だった』で区切らず“が”で繋ぐか。
4,『しかし〜』が突然過ぎではないか。もうひと踏ん張り母と子供がどう過ごしていたのか書いたほうがいいか。
5,『その時、母の涙は私の〜』は、“が”の方がいいか。
6,『〜手に馴染み、拾い〜』が気になる。
7,『〜だと……』と『母に別れを。』が気になる。
8,『胸に留め』が気になる。
書き出してみて次は直してみます。……いや、試してみます。しっくりくるのを探すのであります。
§
母と私は別物だった。
❨❩
母は森に住まうモノだった。悪魔といわれる化物であったが、その腹から産まれた私には羽があった。闇を知らず、恐れを覚えず、母を浄化してしまう体だった❨が❩、それでも母は己の一部が消えようとも気にせず私を抱き締めてくれた。
❨私たち親子は相反する者同士であったが、穏やかに暮らしていたのだった。❩
しかし、私たちはいずれ別れが来ることを知っていた。
母がいうには私が腹の中で核と交わったときすでにわかっていたと、笑いながら泣いた。
その時、母の涙❨が❩剣になった。
❨どさりと落ちたそれを拾い上げると酷く手に馴染んだ。漆黒の魔力を含み、陰鬱として禍々しく、母から流れたとは信じられない程の無情な冷たさで、そして私のものだということに気付き母を見上げて悟った。❩
今日がその日であったのだと❨。❩
母に別れを❨――❩
これが最後だということを二人で胸に❨押し留め❩、「いつかまた」と痺れを伴う手に触れたのだった。
§
う〜ん…ちょっと見辛いですが、書き直してみて読み返して思ったことは「だっただった、うるせーな」ですね。
次に一行目と二行目の空白。空白を入れずに『悪魔といわれる化物』のところを改行するべきなんじゃないのかということ、またその他諸々……
『母の涙が』の下りからだいぶ付け足してみました。一人称なのに視点がずっと絵を見ている第三者のようだったので、涙が落ちて剣になって拾ったときのに何を感じたかを加えました。
で、またまた何度も読み返します。
1,“だった”をどうにかする。
2,『悪魔〜』で改行してみる。
3,『しかし〜』と『母がいう〜』の間がなんとなく物足りない。
4,付け加えた文章がしっくりこない。
この四点について、直していて他にも気になったところを今度は直そうと思います。
ちなみに、作業だけが続くと思いますので、興味ないわって方はお疲れ様でした。
§
母と私は別物だった。
母は森に住まうモノだった。
悪魔といわれる化物であったが、その腹から産まれた私には羽があった。闇を知らず、恐れを覚えず、母を浄化してしまう体で――、それでも母は己の一部が消えようとも気にせず私を抱き締めてくれた。
私たち親子は相反する者同士ではあったけれども、穏やかに暮らせていた。
しかし、いずれ別れが来るだろうことは感じていた。
それは母も同じく、彼女に至っては私が腹の中で核と交わったときすでにわかっていた、と。笑いながら泣いて話してくれた。
その涙が今日、剣になった。
どさりと落ちたそれを拾い上げれば、酷く私の手に馴染む。漆黒の魔力を含み、陰鬱としていて禍々しく、母から流れたとは信じられない程に無情な冷たさを持っていた。
剣は、私の心に呼応した。いつまでも側にいると言われているようで、ハッとし、母を見上げた。
母に別れを――
彼女の目がそう囁いている。
これが最後だと悟った私は引き千切られる思いを胸に押し留め、「いつかまた」と痺れを伴う手に触れ、羽を広げた。
§
だいぶ変えてみました。
スマフォのみの活動なので、プレビューで読み返すときは縦にしたり横にしたしながら確認するのでありますが、まあまあ良いかな〜と思います。
文字数は437、凄い短い方だと思います。文字数は全く気にしない達ですが、この調子だと長編より短編、掌編ですかね? まず書いてみよう、気軽に投稿してみようと思ったときはちょうど良い文字数ではないでしょうか。
絵は……絵だけは全部で四枚、残り三枚、
これらを使って掌編小説を作っていこうと思います。
('・ω・')
「主人公“私”の名前はないです。
三人称で書くのであれば必要なのでしょうが、私語りなので主人公の名前を呼んでくれる相手がずっと登場していなければ、名前自体の意味がない。
また、名前を最初から出す気がない、そんな書き方にしようと思っているので考えてもいないのであります」





