Vol.５９　『短編から連載化』

　たまに、短編で評判が良かったから連載にしてみました――て作品を見る。漏れなく私も短編が面白かったので連載されたモノを手に取るのだが、正直な感想としては『当たりは少ない(私の中で)』……

　短編で当たった力は強いから、連載化されてもランキングに載るが落ちて行くのも早いような気がする。短編を読む前に連載モノを見つけたご新規さんがお客さんの大半を占めて、短編を読んだ人はそれこそ短編で完結させてしまうのかな？ と思ったり。

　短編が面白かった分、期待が大きくなり、しかし、いざ読んでみると「なんか想像したのと違うわ」とか「グダグダと長くしただけじゃん」とか、読みたかった展開は書かれてないと判断されてしまうのかもしれない。

　短編で投稿したら、短編で一つ話が終わっている――そう思って読んでいる。

　短編から連載化の場合で、短編モノを第一話〜第二話に置き続きを書いていくものもあれば、短編をプロットとして詳しく連載で書いていくものもある。

　どちらがいいのかわからないが、一読者の意見からすると一作目が大ヒットしたもんだから続編を作ってみたけど大して盛り上がらなかったシリーズものの映画のよう……『第一作目』というのは作者さんが思うよりも価値がデカイのではないだろうか。

　短編の感想欄にて「続編が読みたい！」とか「続き希望」とか見かけたり、私も同じように思うことはあるけれど、ハッキリ言って思うだけ。その物語（短編）は完成しているのですから、直後のネタバラシ的な続編は特に読みたいわけじゃない。書かれてあっても大抵は面白さが半減してあると思っているので、出来ればスピンオフの方がいいと思っている。

　あとは、短編の主人公でいくのであれば、一話完結型の番外編が気楽に読めると思っている。連載化して短編の詳しい説明などいらない、短編で楽しませてくれた主人公達のある日の一コマ、季節的にちょうど良さげなイベントぐらいが、連載化させて主人公達のイメージを崩すかもしれないリスクがあるよりも、作者さんも書きやすいのではないだろうか？

　短編から連載にかえてイメージアップしやすいのは主人公よりも脇役の登場人物だと思うのだが……どうだろう。

　ただ、短編で主人公視点で書いたから、連載にして第二話目では相手役の視点で書こうっていうのは書き方で変わるのかな〜…

　好みによるんでしょうけど、主人公視点で書いた会話文＋αは短編とまるまる同じで、それに少しばっかり相手役の視点を加えただけの作品は面白味すらない。

　SideＡ、SideＢとか、交互視点で書かれてあったりとか、まるで字数稼ぎ話数稼ぎみたいにみえる作品も今まで読んで来た作品で見てきたけど、どれもこれもブクマを外して読むことはなくなってしまった。「面白かったんだけどな〜」って、最初のうちは作者さんも別々の視点でのそれぞれのシーンをまじえて頑張って書いていらっしゃるのに、気付けば面倒くさくなったのか両方の視点を読まなくてもいいような状態になっていることがある。

　ま、最初からほぼ同じ内容でタイトルだけ視点が違うんだよアピールしている作品もお目にかかったことがありますけども……そんな視点いらないから話を進ませてよと思ったことがある。

　

　書き方は、作者さんの自由ですけど、こんなことを思っている読者もいるよって感じです。