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晒すわ日記  作者: こさじ
第二章・悩んだっていいじゃない…だって素人だもの
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Vol.52-ⅲ 『三人称で自己紹介』


 前回、一人称ならば〜のこんなやり方もあるだろう編をやりまして、続いて三人称で書くときはどんな風に書くことが出来るだろうか? を考えていこうと思います。


 三人称でも、履歴書は見ます。

 あと、よく見かける、自分でもやるのが……



◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇


「おーい、ルクス! こっちに来てくれ」


 午後の“魔法剣技”の訓練が始まる少し前だった。同僚のイエロが訓練場の端で手を振り私を呼んだ。


    ↓↓↓↓↓


「おーい、ルクス! こっちに来てくれ」


 午後の魔法剣技の訓練が始まる少し前だった。ルクスは、訓練場の端で手を振る男――イエロに呼ばれた。


◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇



 下の文が三人称で書いたものです。こんなもんですかね? 書き方は色々あるので、「こんなのはどう?」っていう方がいらっしゃいましたら教えて欲しいですね。メッセででも。そして、ネタにさせて貰う(笑)


 さて、一人称の場合だと『私の名前はルクス〜』ですが、三人称の場合ですとよく登場するのが、やっぱり『手を振る男――イエロ』みたいな書き方ではないでしょうか。


 “何かをしている人間” + “名前”


 なろうだけでなく、売られてある本、ラノベでなくてもされてある書き方の一つではないかな〜と。でも、こればっかりをやられると読んでいるとクドいなって思うときがある。自分でも作品らを読み返すと「同じ書き方ばっかりだな…」と呆れてしまうのであります。自分の発想は一つしかないんだろうな…と。


 だから、ときにはシンプルにサッと登場させてしまうのであります。


 

◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇


 少年の名はルクスといった。

 彼は、昼飯もそこそこに宿舎の広場の片隅で黙々と素振りをし、汗の乾かぬ間に午後の魔法剣技の訓練へと向かった。

 訓練場ではすでに仲間たちが整列し、ルクスも後ろへ並ぼうとしたところ、「おーい、ルクス! こっちに来てくれ」と同僚のイエロが訓練場の端で手を振っていた。


◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇



 とまあ、今の私に書けるのはこれくらいで申し訳ないのですが、一人称と大きく違うのは情報量ではないでしょうか。

 一人称だと一気に情報量――登場人物、状況・背景―― 一場面で放出すと説明的になってしまうと思うのでありますが、三人称だと寧ろ情報が多めでないとわからない。


 しかし、今度はその『情報量』の塩梅がわからない……ちょうどいい量とは?


 それは、『今なにが大事か』でしかないように思います。書いている作者さんにしかわからないことです。まずは読み手に何を伝えたいのか――



1,主人公の名前がルクス

2,ルクスのだいたいの年齢

3,ルクスの性別

4,彼は何をしていて、次の目的とは

5,場所

6,時間

7,同僚のイエロ

8,イエロの台詞によるルクスとの関係

9,“宿舎”、“素振り”、“魔法剣技”、“訓練(場)”によるルクスのおそらくの職業

10,ご飯よりも黙々と素振りする――でなんとなくのルクスの性格


  etc...



 もしかしたら、そんなに伝わらなかったよ?と思われるかもしれませんが、最低限の名前、性別、おおよその年齢、何をしているか、どこで生活しているか――ぐらいはわかってもらえたのではないでしょうか……たぶん。

  

 そして、あの履歴書『彼の名前はルクス――魔法剣士を生業とする、光の加護を受けし者だ。肩ぐらいの翡翠色の髪、水色の瞳と雪のように白い肌をしている』の中で、一番最初の出だしで何を言いたいのか、教えたいのか、伝えたいのか。


 書こうと思えば全部盛り込めるでしょう。



◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇


 少年の名はルクスといった。

 彼は魔法剣士で昼飯もそこそこに宿舎の広場の片隅で制服を着込んだまま黙々と素振りをするほど真面目な奴だった。人が羨む翡翠色の髪を乱し、真っ白な肌に幾筋もの汗を流し、一心不乱に剣を振る。

 歳はまだ十四、細身ではあるが、周囲からは期待の目を向けられるほどに剣技また魔力も膨大で、それは生まれたときより光の加護を受けているからであった。

 ルクスは袖で乱暴に額を拭うと、剣を鞘に戻し、汗の乾かぬ間に午後の訓練へと向かった。


 訓練場ではすでに仲間たちが整列していた。ルクスもその後ろへ並ぼうとしたところ、「おーい、ルクス! こっちに来てくれ」と訓練場の端で手を振る男に呼ばれた。

 あれは同僚のイエロだ。

 ルクスは水色の目をすっと細めたまでにし、彼を無視して列に並んだ。


◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇



 ……うん、なんかこれでもいいかなって気がしてしまったりもしますが、第一話目の冒頭でギュッと詰め込まれてあるとちょっと引きませんか? 「最初にこんなに読まないと展開が進まんのか…」なんて。

 うーん、私自身の問題かもしれないけれども、読むんじゃなくて要所要所を拾っていく。別にはじめにこんなに情報を頭に詰め込まなくても、どうせストーリーが進めばわかんだろ?――みたいに思って、名前と場所、「あ…同僚が呼んでる」くらいしか摘みません。


 全文読まないのです。


 私一個人の見解ですけども、最初に書くってことはその後でまた書かなけりゃいけない、また読まなけりゃいけない――しつこい…極端ですが。

 履歴書の内容は、場面場面とセットにするから面白味が出るものではないかと思います。

 先にネタバレしてしまうとそれしか使えない、後々の展開、進める道の選択肢の数を自分で少なくさせてしまっているのではないかなと思ったりするのですが…… 



『黙々と素振りをしている少年がいた。名前をルクス、彼は〜』


『○○国には魔法と剣の扱いに長けた魔法剣士という者たちがいた。その中でもルクスという少年は特に秀でて〜』



 とか、色々書き方がある中でいつも同じように書いてはいないだろうか?って話です。どこに注目して欲しいのかが曖昧で、あれやこれやと詰め込んで、自分だけで満足していませんか?


 どう見せたい、どう伝えたい、何について第一話目で言いたいのか――しつこく書いて申し訳ないのですが、書き方について「こうやっとけばいいや」と慣れて、いつも同じな感じになってはいないでしょうか?


 と、そんなこんなです。


 一人称にしても、三人称にしても、第一話目で一番伝えたいことは主人公の名前ぐらいしかない、きっと。

 登場人物が出て来る度出て来る度に、「彼の名前はイエロ。大柄な体に似合う野太い大声、三白眼で態度も横柄であるが、いざとなったら頼りになる男だ」のように毎度毎度書いて、人物像を書いたから読者にも伝わってんでしょ大丈夫、なんて満足していないで小出しにし、もっと人物像が印象深くなるよう、読み手が場面場面で状況と登場人物のイメージがしやすいようにどう書けばいいのか悩むことも大事なのではないでしょうか。



 以上です。 

('・ω・')


「酔っ払いの戯言はしつこく長くなるもんです……すんません。

 要は、『今から私はコレ書きますよ!』って合図のまとめ書きは、タイトルとあらすじとタグで腹いっぱいですってことです」


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