Vol.24 『改稿するってこと』
ネタがないので、ここまで考えたことを駆使して『改稿するってこと』に試みる。
****************☆before
西暦2019年、3月。
昨年よりも早い春の訪れは、別のモノも運び込んだ。それは、ウザったい花粉よりも小さな粒子その名も“ニャロン”――新たなウィルスである。
初めて“ニャロン”が発見されたのは、某県にあるなんの変哲もない一軒家であった。
異変に気付いたのは、その家の一人娘門馬虎子40歳、独身。お一人様も慣れて…いや慣れすぎてこのまま死ぬまでこうだろうと、取り柄のない平凡顔を鏡に映していたときだ。
「あれ…ヒゲがある……」
一瞬見た限りではいつの間にか出来た傷に見えた。だが、顔を横にそらすと微かな風で傷の先が僅かに揺れた。また、口元を動かすと傷が連動した。
まさしく、ヒゲだった。
真っ白の、ぴよんと鼻の下から横に伸びた一本のヒゲ。しかも、家で飼っている虎太郎に似た…いや、どう見てもその硬さ、その見た目はどの猫とも同じヒゲに違いなかった。
「…夢、かな?」
****************★after
西暦2019年、3月。
昨年よりも早い春の訪れは、別のモノも運び込んだ。
それは、ウザったい花粉よりも小さな粒子、その名も“ニャロン”――新たなウィルスである。
初めて“ニャロン”が発見されたのは、某県にあるなんの変哲もない一軒家。
異変に気付いたのは、その家の一人娘である門馬虎子40歳、独身。お一人様も慣れて……いや慣れすぎてこの春飼い猫の小次郎の発情期を羨ましく思っていた矢先、鏡に映った取り柄のない自身の平凡顔を見て驚いた。
「……ヒゲがある」
ふと見た限りでは薄っすらとついた傷に見えるのだが、顔を横にそらすと微かな風で傷の先が僅かに揺れる。
また、口元を動かすと揺れが連動する。
まさしく、ヒゲ。
真っ白でぴよんと鼻の下から横に伸びた一本は、見慣れた小次郎のものと一緒――その見た目、その硬さ、強く引っ張ると痛い。
「まさか……」
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さらに何度もプレビューにて読み比べ、読み直す。
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西暦2019年、3月。
昨年よりも早い春の訪れは、別のモノも運び込んだ。
それは、ウザったい花粉よりも小さな粒子、その名も“ニャロン”――新たなウィルスである。
初めてニャロンが発見されたのは、某県にあるなんの変哲もない一軒家。
その家の一人娘である門馬虎子40歳、独身は、お一人様も慣れて……いや慣れすぎて飼い猫の小次郎の発情期を羨ましく思っていた矢先、鏡に映った取り柄のない自身の平凡顔の異変に気付いて驚いた。
「……うそ…」
ふと見た限りでは薄っすらと頬についた傷に見えるのだが、顔を横にそらすと微かな風で傷の先が僅かに揺れる。
また、口元を動かすとつられてユラユラとする。
まさしく、ヒゲ。
真っ白でぴよんと鼻の下から横に伸びた一本は、見慣れた小次郎のものと一緒で、その見た目、その硬さ、強く引っ張ると痛い。
「夢じゃない…」
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改稿するってどういうことか――
ネタが出来るってことと、最初よりも(自分なりに)良く出来ました! に作りかえることだと思うのです。出来れば、骨組みはそのままに…
または、突っ走りすぎた妄想を最初に考えた大まかなレールに戻す――「あ!コレ面白いかも!」と脱線するから、途中でにっちもさっちもいかなくなるのだ。私の場合。





