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とある世界の日本  作者: 高鉢 健太 
チホたん秘話
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チホたん秘話 4

今回は戦後の話しなのでいつもの「とある」に戻ってます。

 敗戦により進駐してきた米軍がチカを目にして度肝を抜かれたのは言うまでもない。ソ連においてもT34どころかIS2と対比できるほどの戦車を日本が開発していたことは驚きであったらしく、T44は採用まもなく100ミリ砲を備えたT54へと置き換えが進められている。


 戦後、再軍備に際してチカの再整備と増産が指示され、1950(昭和25)年には新生日本軍において制式化されて50式戦車を名乗る事となった。

 その後、エンジンの改良によって520馬力を発生するまでに強化されている。


 こうして戦後も生き残ったチカは更なる発展を見せる。


 というのも、日本軍の軍事統制権を有する米国は兵器開発に関しては日本独自の開発を認めており、50式に次ぐ戦車もМ48を供与するでもなく、独自開発を促し、通称チノ車として知られるL7砲を採用した65式戦車として完成している。

 チノの特徴はエンジンに最新技術を投入した新型対向ピストンエンジンとなり750馬力を発生し、米国からもたらされたパワーパックという考え方によって後部起動輪化することで低姿勢なデザインを獲得し、ソ連戦車と見まごうような姿へと変貌している。さらに重量40トンにも関わらず西側戦車で一番の装甲厚を誇る事となった。

 一部では、「日本戦車はソ連戦車と見分けがつかず同士討ちが発生してしまう」などと皮肉を言われるようにもなるが、それを言ってしまうと日本戦車の開発に多大な影響を与えたフランス戦車の後継であるAMX30も似たようなものだったため、あくまで日本や在極東米軍での笑い話である。

 チノ車は当初は大型の赤外線ライトを備えるその特徴的な姿で知られたが、後に改良型ではゴムを積層する増加装甲が砲塔へ追加され、赤外線ライトは小型の赤外線映像(サーマルイメージ)装置へと変更されている。


 戦車を擬人化した漫画「ぱんつぁ~ すく~る」ではロリ巨乳に大きなリボンという特徴的な容姿をもち、チノたんの愛称で人気を博しているが、似た容姿のチカたんとの仲はあまりよろしくない。

 閑話休題


 こうした系譜は現在の主力戦車である84式戦車チエにも受け継がれている。

 65式戦車チノからいくばくか大型化された車体、低姿勢砲塔前部に複合装甲区画を設けた事からさらにソ連戦車と似通うた外観を持つようになり、伝統的な加速重視の変速機によって最高速度は55km止まり、重量45トンという性能から120ミリ滑腔砲を装備しながらあまり評価が高くはなく、湾岸戦争では西側最軽量の第三世代戦車としてその性能が危惧されていたが、同等の重量であるイラク軍のT72が放った砲弾に耐えた事でその評価が覆され、今ではその小型軽量なシルエットから被発見性、いわゆるステルス性能が高いと真逆の評価を受ける様になっている。擬人化キャラとしては第三世代戦車としては背が低く体型も起伏に乏しく描かれてはいるが、なぜか水着の時だけはチノと変わらない姿になっており、チカ、チノ、チエの見分けが難しくなるのは不思議である。


 漫画でその顔が姉妹や親子のように似通って描かれている通り、50式、65式、84式は似通った設計思想によって開発され、同様に対抗ピストンエンジンを装備している。

 これは戦後一貫して日本の主要な脅威がソ連であり続けた事の影響が大きいだろう。チカ車が戦後も生産され、米国もその開発を阻害しなかった背景には、M26パーシングとそん色ないその性能を認めていたからというのが通説である。



 そして現在、好景気を背景に世界で初めて130ミリ滑腔砲を装備する19式戦車チサが完成し、ロシアとの緊張が高まる南樺太や千島への配備が進められている。


 チサは対向ピストンエンジンに更なる改良がくわえられ、4気筒と小型化されながら1200馬力を発生している。この為さらに車体の小型化が可能となり、チエ同等の車体を用いてフロントエンジン化し、車体後部に自動装填装置や弾庫を置くことで日本戦車の伝統である低姿勢の車体と砲塔を実現しながら、130ミリ滑腔砲を装備する事に成功している。車重もチエと変わらず45トンに抑えているが、技術の進歩もあって防御力はさらに向上していると予想されている。

 最大の特徴は重機用変速機をベースとする油圧機械式変速機ではトルク伝達力が大幅に向上した事で、これまで加速重視低速であった日本戦車がはじめて俊足を手にしたことだろう。前進後進ともに70kmと言われるその走行性能への期待は大きい。


 現在、チサの配備に伴って予備役へと回されるチエのマンチュリアへの供与問題が取りざたされ、近いうちに実現するとの観測が報じられるようになってきた。

 日本戦車の歴史に新たな一ページとなるのは間違いないだろう。

「びるどあっぷ ふり~と!」のスピンオフとして書いた今回の作品、当初は架空戦記創作大会のお題も分からない時期から始めた執筆の中にいくつか引っかかりそうなネタを放り込みながら作り上げた中で、チホたんがヒットした事から分離、こうして大会参加作品に仕上げることになったけれど、そう言えば、隼鷹、飛鷹の就役時期を早めれば珊瑚海海戦の話しも書けたかもしれんね。


びるふりに放り込んだ大会要素はオートジャイロ、仁淀、特種船、チホたん、大和、隼鷹、信濃とかなり多いが、チホたんがヒットして隼鷹が掠っただけに終わっている。


まあ、言っても二つも当てたのだから、かなりの的中率よね。たぶん・・・・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] 御参加ありがとうございます。まさか日本の戦車開発に影響を与えたのがフランス戦車とは・・・これは新鮮でした。 [一言] 流石に大損害を受けて、なりふり構わず、無茶振りして新戦車開発に驀進する…
[一言] 現在の10式ってまあ色々言われますけど、自動装填装置の採用とそれによる省人数化、結果的に特に砲塔の装甲区画を少なくすることができて軽量になりましたけど。これって結果的にソ連MBTのレイアウト…
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