760話
「ふむふむ...転移部屋なんぞあるのは興味深いのぅ...」
「じゃあ魔族の嬢ちゃんの言う通りその部屋に入れれさえすれば問題なくこのダンジョンから出れるんだな?」
「その通りだよ。だからとりあえず隠し通路から行こうかなって思ってるよ」
ということで、一通りビビからダンジョンの外へ脱出する方法についてあらかた説明が終わった訳なのだが、その場でしっかりと耳を傾けてくれていたエルフィーとドールはビビの話した脱出方法に納得してくれていた様子であった。
一応、ビビから話された脱出方法の計画は筋が通っていたものであり、他にこのダンジョンから抜け出す方法が今のところ思い浮かぶことが無かったため、エルフィーやドールは特に反論することなく、納得してくれたのだろう。
まぁ実際に自身がその転移部屋とやらに入って目にした訳ではないため、後押しすることなどは出来たりはしないのだが、そもそもこんなリスクを負ってまでビビは自身達を騙すようなことはしない筈である。
「みんな!ちょっと待って欲しい!」
ということで、早速このダンジョンから脱出するため、ビビの計画通り、まずはコウ達が古城から抜け出した際に使用した隠し通路まで移動しようとなったため、各々はその場から立ち上がろうとすると、1人の人物が声を上げた。
それは先程までビビや自身に向かって殺気を放ってきていたディーンであり、一体何故声を上げたのか皆は理解出来ず、不思議そうな表情を浮かべながらピタリと足を止めた。
「なんじゃ?」
「本当にその魔族のことを信じるのか!?」
そのため、ディーンが声を上げた理由は何なのかとエルフィーが聞いてみると、どうやらビビのことが信用出来ない様子であり、ビビに向かって指を差しながら全員へ演説のように語りかけてくる。
一体何故、ディーンがそんな魔族に対して嫌悪感を駆り立たせるのか分からないのだが、魔族との混血である自分が口を挟んだところで、寧ろ日に油を注ぐこととなってしまうと思われるので、コウは口を挟むことなく、ここは静観しておくことにした。
「他に選択肢はないと思うんじゃが?」
「それとも何か他の選択肢ってのがあんのか?」
そんな声を上げたディーンに対してエルフィーとドールが声を合わせながらもしビビの脱出方法に対して文句があるのであれば、他に脱出する方法の選択肢あるのか?と冷たい声色で問いただしていた。
それはそうだ。ビビの脱出する方法に対して意見を言うのであれば他の選択肢を提示したりするのが当たり前なのだから。
「いやっ...それは...」
しかしエルフィー達に他に脱出する方法の選択肢について問われたディーンは何も思いついていなかったのか、その場で俯きながら口を閉ざしてしまい、何とも言えない気まずさを感じる空間となっていく。
「なんじゃ...何もないならもう行くぞ」
「もうちっと考えてから言ったほうが良いかもな」
とりあえずこんな気まずさを感じる空間にいては何だか息苦しさを感じてしまうため、ディーンに対して厳しい言葉を掛けながら再び歩き出すエルフィー達へコウ達は一緒に付いていき、隠蔽魔法が掛けられた洞穴から逃げるように外へ出ていくことにするのであった...。
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次回の更新はたぶん1月23日になると思いますのでよろしくお願いします!




