759話
そんなこんなでコウ達は森の中を暫くの間、追ってきている筈の斥候などに追いつかれないように移動しつつ、フェニに身を隠すことが出来そうな場所を探索してもらっていた。
そしてフェニが身を隠すことが出来そうな洞穴を見つけてくれたということで、そのまま移動して到着し、入口部分をエルフィーが隠蔽魔法を使って分らないようにすると、ようやくお互いの情報交換会が始まることとなる。
さて...まずはライラ達やエルフィー達の情報についてまとめると、どうやらここがアルクから無くなってしまったダンジョンだと認識すらしておらず、何処か別の土地へ転移させられてしまったのだと思っていたようだ。
ちなみに通れずにいた障壁のようなものについてはエルフィーとドールが力技で無理矢理破壊したらしいとのことであり、何とも脳筋な方法と言えるだろうか。
逆にコウからエルフィー達へ伝えた情報はというと、ここがアルクから消え去ってしまったダンジョンということや魔族達がこのダンジョンで生活をしているといったことである。
「なるほどな...それにしてもなんで坊主がそんなこと知ってんだ?ビビとかいう仲間の魔族にでも話を聞いたのか?」
「それは俺が古城に捕まってたからな」
そしてある程度お互いに情報交換を行うと、ドールが頭の上にはてなマークを浮かべながら魔族達が生活していたことを何故知っているのかと聞かれることとなった。
まぁドールからしてみればコウが一緒に行動していたビビから話を聞いたのか?と思ったらしいのだが、実際にはそれは関係ないと首を横に振りながら先程まで魔族達に自身が先程まで捕まっていたといったことを話していくことした。
「ふむ...じゃが何故コウが捕らわれておったんじゃ?我らと同じように殺しに掛かってこられる筈じゃが?」
それはそうだ。エルフィーの言う通り、普通であれば敵対している人族など魔族からしてみれば殺してしまえば良いもののわざわざ捕虜として捕まえておく必要も何も無いのだから疑問に思ってしまうのは無理もない。
だが実際にはコウが魔族に殺されることもなく、中心部にある古城へ捕らわれていたというのは傍から見れば意味がわからないし、寧ろ魔族側に加担しているのではないか?と言われても仕方ないといったところ。
しかし自身が捕まっていた理由というのは人族と魔族の混血であり、しかも魔王と呼ばれているオルグスと同じ血の繋がりがあったため、魔族側へ付かないか?誘われているだのをこんなところで言ってしまえばどうなってしまうか分からない。
そのため、今喋ってしまった内容が自身にとって失言であり、不利な内容だということに気づき、しまった!と思ってしまうも、他に言い訳することが出来るような内容が思いつかず、返答に窮してしまい少しだけ困ってしまった。
とはいえ、こんなところで返答しないというのも怪しいものであるため、ここは諦めて素直に自身の血筋についてやどうして魔族側に捕まっていたのかについて話していくことにした。
「なるほどのぉ...それならばコウが捕まるのも納得じゃな」
とりあえず自身のことについてあらかた話し終えると、どうやらエルフィーやドールはコウが捕まっていた理由に納得してくれた様子。
ただエルフィー達に話し終えると、今度は背後から殺気のようなものを感じ、振り返ってみると、視線の先に座っていたのはディーンであった。
確かディーンは魔族であるビビと顔を合わした時もあの様な反応をしていたため、きっと魔族に対して何かしらの強い恨みを持っているのだろう。
そして自身に対して殺気を送ってきているというのは自身の話を耳にしたからであるということは分かるのだが、ディーンに対して自身は何もしていないし、事情も知らないので殺気を送られてもどうすることも出来ない。
とりあえずディーンから飛んでくる殺気についてはどうすることも出来ないので後回しするとして、まずはこのダンジョンからの脱出方法をビビから説明させることするのであった...。
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