754話
(まさかここまで来たのか...?一体どうやって...?)
それにしてもどうやってこんなところまで来れたのかがさっぱり分からない。
そのため、少し考えてみることにしたのだが、最終的に辿り着いたのはきっとあの障壁のようなものを何とかし、転移の罠をわざと踏んだりしてここまで来たのだろうということであった。
しかしライラ達もここへ来てしまったならダンジョンの外へ出るためにはこの古城内にある転移部屋へ共に向かわないといけない筈である。
まぁもしかするとライラ達も安全な脱出方法を持ち合わせているかもしれないが、とりあえずは合流しないことには話にすらならない。
とはいえ、まず合流するにあたって監視係であるレヴィーエルを何とかしなければならないのが現状なのだが、先程会話を交わした通り、ここから離れる気は更々ない様子。
(困ったな...これじゃ身動きが取れないぞ...)
暫く、他に何かしらの方法はないのか思考を巡らしていると、ドタドタと誰かが足音を大きく立てながら走っている音が聞こえ、その足音を出していたと思われる人物が部屋の前で立ち止まると、コンコンと扉がノックが聞こえてきた。
そのため、コウ達は部屋の扉に視線を向けながら部屋に入る許可を出しみると、扉を開けて中へ入ってきたのはアインだったのだが、何やら慌てている様子であった。
「こんなところにいたんすかレヴィーエルさん!」
「煩いわね...何かしら?」
「あの御方がお呼びっす!早く一緒に来て欲しいっす!」
そしてアインは部屋へ入るや否や、大きな声で嫌そうにしながらレヴィーエルは何かと問いかけると、どうやらオルグスが呼んでいるらしい。
もしかすると、先程のズシン!という地響きと共に部屋全体が揺れ、窓の外から大きな爆発音が今回の呼び出しに関わっているのかもしれない。
「そう...この子の監視はどうするの?」
「それは僕の分身を用意するっす!」
するとレヴィーエルから監視はどうするのか?といった意見が出たのだが、アインの足先からスライムのような塊が作り出され、それはコウの前にある机の上にちょこんと置かれることとなった。
そんな目の前にある机の上に置かれたスライムのようなものをよく観察してみると、目玉が1つだけ浮かんでおり、ぎょろりと自身のことを見つめてくるためか、何だか気味悪さを感じてしまう。
「おい...なんか気味悪いんだが...」
「そこは我慢するっす!それは監視用で部屋から出ようとすると拘束されるっすからね!」
どうやら目の前にある目玉が浮かんだスライムは部屋から抜け出したりしようとすると、全身を拘束してくるようなものらしい。
そんなアインから目玉が浮かんだスライムについて簡単な説明を受け終わると、2人は部屋を出ていってしまい、コウはぽつんと1人目玉が浮かんだ気味悪いスライムと部屋の中へ取り残されてしまう。
(いや...よくよく考えるとここから抜け出すチャンスだよな...?)
そして2人の足音が去っていき、ぽつんと1人取り残された訳なのだが、今の状況をよくよく考えてみると、先程まで望んでいた抜け出す機会をタイミングよく得ることが出来たと言えるだろうか。
ともかくこの千載一遇の好機は逃すことは出来ないのだが、問題としてまずはこの目の前にある監視用の目玉が浮かんだ気味の悪いスライムをどうするべきかである。
(これは俺のことをずっと見てるんだよな...?じゃあ俺も自分の分身を作れば良いんじゃないか...?)
実際にどんな反応をするのか分からないが、やってみないことには何も分からないので、まずはお試しとしてコウは自身の目の前に自身と瓜二つの氷像を足元からゆっくりと作り出していくことにした。
そして自身と瓜二つの氷像が出来た訳なのだが、勿論氷で出来ているためか、色などは付いてはいないので、もしもアインと繋がっているものであればすぐにバレてしまうだろうか。
(これでどうだ...?)
ということで、コウは氷像の後ろからゆっくりと離れながらソファーの影に隠れてみるも、目玉が浮かんだ気味の悪いスライムは氷像をぎょろりと見つめているだけで特に何も反応はない様子。
(なんかいけそうだな...ただ油断も出来ないし氷の壁で隠れながら扉まで行くか...)
とりあえず自身と瓜二つの氷像が役に立つことは分かったのだが、部屋を出るにはここから移動しないといけないし、部屋の扉まで移動している最中に自身の姿を見られてしまえばどうなるか分かったものではない。
そのため、部屋の扉まで身を隠しつつ行けるように氷の壁を新たに作り出し、コウはコソコソと地面を這いながら何とかして部屋の外へ出ようとするのであった...。
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