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751話

「はぁ...なんだかな...」


「悩み事かしら?話くらいなら聞くわよ?」


「いや...別にいい...」


「あらそう。遠慮しなくてもいいのに残念ね」


 さて...このダンジョンから出ようと目論んでいたコウ達はレヴィーエルやディールによって部屋へ戻されることになり、今度は再び逃げ出さないようになのか監視も付けられてしまった。


 ちなみにその監視というのはレヴィーエルであり、お互いに話すようなこともなにもなかったので、何と言うか気まずさを感じる空間となっていた。


 そのため、コウはため息を吐きながらボヤくとレヴィーエルが親身になって話を聞くと言ってきたのだが、その悩みの原因はお前だと言いたくなってしまう。


 しかしレヴィーエルはコウの悩みの原因についてをしっかりと理解しているのか、口元をニヤニヤとさせていたので、何ともたちが悪いものなのだろうか。


「お待たせ致しました。準備が出来たとのことなのでお呼びに参りました」


 そんなこんなで気まずさを感じる空間となっていたのだが、時間は刻々と過ぎていき、コンコンとノック音が聞こえると同時に部屋の扉が開くと、現れたのはディールであり、どうやらこれからそのとある御方とやらと会えるようになったと声を掛けられることとなった。


「分かった。付いてけば良いのか?」


「こちらへどうぞ」


 そしてソファーから立ち上がり、付いてけば良いのかと聞くと、ディールは黒い渦を作り出し、中へ入るように促されたので、そのまま入ってみると、先程までいた高価そうな家具が置かれている部屋から景色はガラリと変化し、辿り着いた場所は大広間のような空間であった。


 そんな大広間の奥にはよく王様が座るような大きな玉座が2つほど並べられており、片方の椅子は誰も座っておらず、空席となっているのだが、もう片方の椅子には誰かが座っているのが見え、左右には先程まで一緒にいた監視役のレヴィーエルと死んだと思われていた筈のアインが立っているではないか。


 確かアインはSランク冒険者であるドールと対峙していたというのにまさかあそこから生き残っていたとは思わず、色々と聞きたいことがあるがまずは玉座に座っている人物が先である。


「久しいな。元気そうでなによりだ」


 背後に大きな窓があるためか、逆光によってどんな顔をしているのかについては確認出来ず、その場で立って目を細めていると聞き覚えのある老人のような嗄れた声で話しかけられることとなる。


「その声は...やっぱりあんただったんだな」


 その聞き覚えのある老人のような嗄れた声とは以前、レヴィーエルやアインから追われ逃げている最中に森で出会った人物の時の声質と同じものであり、何となくここへ来る前に察してた人物と同じであった。


 どうして何となく察していたのかについて説明を求められたとしても感覚なものであり、何となくとしか答えられないのだが、それにしてもその逃げている最中に再び再会することになるといったニュアンスで意味深なことを言っていたのはこのことだったのかとコウはようやく理解させられた。


「で...俺のことは知ってるだろうけどあんたは誰なんだ?」


「我はオルグス。今は亡きリーゼの父といったところだ」


「は...?リーゼの父親...?」


 とりあえずコウは目の前の玉座に座っている人物に対して一体誰なのかと問い掛けてみると、返ってきた答えというのは自身の母であるリーゼの父親といったことであり、まさかの事実にその場で思考が固まってしまうこととなるのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は12月17日になると思いますのでよろしくお願いします。

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