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748話

「ここは...?」


「古城の一室となります」


 どうやらコウが移動してきたのは当初ビビと共に当初向かおうとしていた古城にある一室みたいなのだが、あちらこちらに高価そうな家具が置かれており、とてもダンジョン内にあるものとは到底思えない。


 それにしても元々向かおうと思っていた場所なので、短時間でここに来れたというのは行幸と言ったところではある。


 ただこのダンジョンから出るための場所や方法は知らないので、何とかして知らなければならないが、そういえば一緒に黒い渦の中を通り抜けた筈のビビがいないことに気がつく。


「なるほど...ってビビは何処に行ったんだ?」


「別室に待機してもらっております」


 これではダンジョンから出るための場所や方法を知ることが出来ないため、どこにいるのかをディールに聞いてみると、どうやらビビは別室に待機しているとのこと。


 となれば、離れ離れになってしまったビビと合流しないといけないのだが、一緒に黒い渦の中へ入ったというのに何故別々の部屋に待機させているのか?と疑問が残る。


「ではあの御方も忙しいのでここでお待ちして頂いでもよろしいでしょうか?」


 そんなことを考えていると、どうやら彼らの呼ぶとある御方とやらとは今から会うのではないようで、この部屋で待っていて欲しいといったお願いをされることとなった。


 とはいえ、ここで待っていて欲しいと言われたのだが、何とかしてビビと合流し、このダンジョンから出る方法を考えることが出来る時間が増えたというのは都合が良いといったところ。


「あぁ分かった」


「では他に何か質問は御座いますか?」


「特に無いな」


「では暫くお待ち下さい。失礼致します」


 そんな色々と説明をしてきたディールは最終的に他に何か質問はあるか?と聞かれるも、特に何も無いと返事を返すと、優雅な一礼を残し、そのまま部屋の外へと出ていってしまう。


(行ったみたいだな...)


 そしてディールの足音が自身の部屋の前から遠ざかっていくのを確認し終わると、コウはしんと静まり返った部屋の中で高価そうなソファーに腰掛けながらビビと合流しないでも他に脱出する方法は無いか?と頭を悩ませることとなる。


(やっぱりビビと合流しないと無理だよな...) 


 とりあえず暫くの間、どうするべきか頭を悩ませた訳なのだが、やはりどう考えてもビビと合流しないとダンジョンの外へ出るのは厳しいという結論へと達してしまう。


 そのため、コウはまずは行動しなければと思い、腰掛けていた高価そうなソファーから早速立ち上がると、一緒に居た筈のビビを探すために部屋の外に出ることを決めた。


 まぁディールに部屋の中で待っていて欲しいと言われたが、そもそも部屋の外に出したくないのであれば、鍵くらい掛けろという話なので、まずはゆっくりと部屋の扉を開けて廊下の左右を確認した。


 しかし廊下の左右には見張りすらおらず、また歩いている者は誰もいないのだが、何となく息を殺しながら抜き足差し足忍び足で廊下へと出ていく。


(ビビを探さないといけないけど何処に居るんだろうな...?っていうか部屋多いな...)


 さて...これからビビを探すにしても一体何処の部屋で待機しているのだろうか?


 廊下を見る限りそれなりに部屋があるため、ビビの部屋を探し出すのは流石に骨が折れそうだが、そんなことを言ったところで何かが変わる訳もない。


 ということで、コウは心の中で諦めながらもとりあえずビビの居る部屋を探すため、一部屋づつ確認しながら長い長い廊下を歩き出すことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は12月5日になると思いますのでよろしくお願いします。

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