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747話

「今急いでいるので後でもダメかな?」


「あなたには用がありません。用があるのは彼ですから」


 どうやら執事の服装を身に纏う魔族達はビビには一切の用がないらしく、どちらかといえばコウ自身に目的があるみたいである。


 さては先程までコキを使っていたロガーがこの目の前に立ち塞がる執事の服装を身に纏う魔族へ報告してしまったのだろうか?


 だとしたら流石に対応が早すぎるので、その線は薄いだろうし、ほんの少ししか行動を共にしていないが、そんなことをするような奴では無いような気がする。


 とはいえ、そんな初対面の相手から用があると言われてもこちら側としては早くここから脱出した、用も何もないので、そんな執事の服装を身に纏う魔族達に対して警戒心を抱きながら様子を窺ってしまう。


「...俺に何か用があるならまずはあんたらが誰なのか知りたいもんだけどな」


 とりあえず何も言わないのはあれなので、コウは警戒心を抱きながら口を開き、まずは何処の誰なのか?について先頭に立っている執事長と思われる魔族に問いかけてみることにした。


「これは失敬。私はディールと申しまして私共はとある御方の使いとなります」


 するとそんな先頭に立っている執事長と思われる魔族はすぐにコウの質問に対して答え、名をディールというらしく、背後に立っている者達は部下達で誰かは詳しくこの場で伝えることが出来ないが、とある御方の使いとのことであった。


 ということは、執事の服装を身に纏う魔族達の主人とやらが、きっとコウ自身に何かしらの用があるということなのだろうか?


「で...あんたら使いとやらの用件は?」


「一緒に我々と付いて来て頂きたい」


 どうやら彼らはコウをそのとある御方とやらの場所まで連れていくことが今回の用件のらしいのだが、正直なところ以前も似たような出来事があったので、個人的にそのとある御方というのが、誰なのかについては何となく察しが付いていたりしないでもない。


「ビビ...どうするべきだ?」


「坊っちゃんここは諦めて付いていくしかないです...」


 とりあえずコウはビビに一緒に付いていくか否かを相談するために耳元へ口を近づけ、内緒話をするかのようにどうするべきなのかについて聞いてみると返ってきた言葉は正直諦めるしか無いとのことであった。


 確かにこの場から逃げたとしてもビビに案内してもらえなければこのダンジョン内から脱出することは不可能なので一緒に付いていくしか選択肢は無いと言えてしまうだろうか。


「はぁ...分かった。付いていくから何もするなよ?」


 まぁもしかすると一緒に付いていったとしても逃げ出す隙があるかもしれないため、コウは深くため息を吐きながら何もするなよと忠告しつつ、ここは諦めて執事の服装を身に纏う魔族達へ付いていくことした。


「勿論ですとも。丁重に扱うようにとお願いされてますのでこちらにどうぞ」


 そしてディールという魔族はコウが一緒に付いていくと口にすると、指をパチン!と鳴らし、何も無い空間に黒い渦のものを作り出したのだが、それは以前他の魔族も使っていた移動用の魔法だと思われる。


 すると作り出された黒い渦の中へ部下と言っていた執事の服装を身に纏う魔族達やビビは次々と入っていき、コウもその黒い渦の中へ入るようにとディールから促されため、そのまま一歩踏み出して黒い渦へと入っていく。


 そんな黒い渦の中へ踏み出したコウが辿り着いた場所は貴族の部屋のように高価そうな家具が幾つも置かれている一室となるのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は12月1日になると思いますのでよろしくお願いします。

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