726話
「ローランに来てるのは知ってたけどまさかこんなところで会うとは思ってもなかったな」
「今日はもしかしてエルフィーさん達に声が掛けられたついでとして観光ですか~?」
「そうですね。普段は1人で行動しませんから息抜きみたいなものです」
どうやらイザベルは普段から書類業務で屋敷から出ず、屋敷外に出たとしても団員の誰かしらが護衛として一緒について来たりするということもあって久々に1人の時間を堪能しているようだ。
そのため、今回エルフィーやドールに死の森の調査を協力して欲しいと声を掛けられたことにイザベルは少しだけ感謝しているみたいである。
「ちなみにコウさん達は一体何を?」
「ん?あぁ俺達は死の森の調査に必要な食事を念の為に補充しようと思ってな」
「なるほど...確かに何が起こるか分かりませんからね」
そして今度はイザベルからどうして噴水広場にいるのかと聞かれたので、これから参加する死の森の調査の際に必要な食事の補充とコウが答えると、納得したような表情を浮かべた。
「立ちながら話すのもあれだしとりあえず座るか?」
「そうしますか〜」
「それもそうですね」
それはそうと、こんな道のど真ん中で立ち話していても他の通行人の邪魔になるということで、近場の座る場所へ移動しようかと、提案してみると、2人は頭を縦に振ったため、その場から移動することとなった。
「よいしょっと...そういえば話は変わるけどイザベル以外に来てる剛腕って二つ名の人って知ってるか?」
ということで、噴水広場の片隅にあった座る場所へコウ達は腰掛けると、今回死の森の調査で声が掛けられた剛腕の二つ名を持つ冒険者はどんな人物なのか聞いてみることにした。
「マルクさんのことですか?」
「へぇ...マルクさんって剛腕とかいう二つ名持ってたのか...確かに並の筋力じゃなかったけども...」
そんな剛腕の二つ名を持つ冒険者とはコウが冒険者になって間もない頃、オークの集落を無謀にもフェニと共に戦った際に手助けをしてくれたAランク冒険者であり、またクランにも誘ってくれた人物であった。
確かにマルクは上位種のオークの首を一刀両断していたため、剛腕という二つ名に相応しい人物であると納得してしまう。
「ていうか何人くらい冒険者って集まってるのか知ってるのか?」
「私を含めて10人程の二つ名持ちを呼び掛けたと聞いてますね」
「10人ですか~そんな人数で広い死の森の調査なんて出来るんですか~?」
「多分大丈夫だと思いますよ?半分は調査に長けた冒険者と聞いてますし」
そして実際に声を掛けられた二つ名持ちの冒険者の数については10人程とそこまで多くはないようで、ライラの言う通りそんな人数で果たして本当に大丈夫なのだろうか?と思ってしまうが、半分は調査に長けた冒険者が呼ばれているということもあってイザベルの見立てではそこまで問題ないらしい。
「じゃあなんでマルクさんとかは呼ばれたんだ?どちらかというと調査とか得意じゃなさそうだけども...」
「多分ですけど私達は調査に長けた冒険者の護衛ですね」
ちなみにマルクなどに声が掛かった理由としては冒険者といっても誰しもが圧倒的な力を持っている訳でもなく、中には専門的な知識部分でのし上がった者達もおり、それらの護衛ではないか?とイザベルは予想しているようだ。
「そういえばコウさん達は料理を補充しなくてもいいんですか?」
「そういえばそうだったな。じゃあそろそろ行こうかな」
「ではコウさんライラさん3日後また会いましょう」
「あぁまたな」
「イザベルさんまたお話しましょうね~」
このままのんびり雑談をしていても良いのだが、イザベルから言われた通り、今回の目的であった料理の補充をとりあえず終わらせないといけないため、コウ達は腰掛けていた場所から立ち上がり、お互いに別れの挨拶を済ませると、再び自身達の口に合う料理を作る屋台を探し始めるのであった...。
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