715話
あれからというものジールの指揮の元、集めた魔法使い達がせっせと働き、何とか雨の中でも堰を設置したり、川の幅や新たな水の通り道を作り出したお陰で、もう堤防を氷壁などで補強しないでも良いくらいには水嵩が減っていた。
まぁこれで川の氾濫はしなくなったということで、堤防の補強として作り出してい氷壁に対して指をぱちんと鳴らし、全て水の状態へと変化させると、そのまま勢いよく流れる川と共に流れて行ってしまう。
「ふぅ...何だか疲れたし早く家に帰りたいな...」
それにしてもここら一帯の堤防を1人で何とかし、膨大な魔力を常に消費し続けた結果、精神的にも身体的にもかなり疲れたということで、早く家に戻って癒やしたいとコウは思っていたりする。
一応、ジールからはこの場を離れても問題ないという声は掛けられているので、とりあえずコウはローランへ戻ることにし、もう氾濫することがない川から離れていくことにした。
「コウさんお疲れ様です〜!」
「あぁライラか。そっちもお疲れ様だな」
「いえいえ~すぐ終わっちゃったんでコウさんを待ってただけでしたよ~」
そんなこんなで未だに降り続いている雨粒に打たれながらコウはローランに戻ってきた訳なのだが、正門を潜り抜けると、仕事を先に終えていたライラが自身の帰りを待ってくれていたのか、こちらに向かって声を掛けながら駆け寄ってきた。
「よし...とりあえず帰...「冒険者諸君!ご苦労だった!」
ということで、お互いに労いの声を掛け合いつつ、そろそろ家に帰ろうかと話を切り出そうとすると、今度は正門前にある広場からジールの野太い大きな声が響き渡り、外から戻ってきている冒険者達に対して感謝の言葉が聞こえてくる。
そしてそんなジールの感謝の言葉を聞き終えた冒険者達はそのままぞろぞろと帰路に着いていたため、コウ達も同じように帰路へ着くことにした。
「何だか人がさっきよりも見かけるようになりましたね~」
「まぁ氾濫もしないって聞いてみんな外に出てきたんだろうな」
さて...家に着くまでの間はライラと横に並びながら帰っていたのだが、氾濫しそうだった川もある程度収まったことが、住民達に広がったようで、雨天だというのに街中は活気を少しづつ取り戻していたりする。
そんな少しづつ活気を取り戻しつつある街中を歩きながらようやく家に到着したということで、玄関扉を開けながら家の中に入ろうとすると、同タイミングでフェニも帰ってきたのか、ずぶ濡れとなった状態で空から降りてきた。
「フェニも今帰って来たばっかりみたいだな」
「ずぶ濡れですね~」
「キュ!」
「ちょっと待て。濡れた身体を拭くから動くなよ?」
とりあえず部屋の中をこのままの濡れた状態で飛び回られても部屋の中が濡れてしまい、片付けるのも面倒になってしまうので、コウは玄関扉近くに置いてあったタオルを手に取り、フェニの全身を覆うと、撫でる様に水分を拭き取っていく。
「よし...こんなもんでいいだろ」
「キュイ!」
ある程度濡れた状態だったフェニを拭き終わると、今度は自身達の番なのだが、雨にずっと降られていたこともあり、身体が冷えてしまっているため、ここは軽く水分を拭き取って風呂にでも入って暖まった方が良いだろうか。
ということで、コウ達は濡れた身体をある程度拭き取ると、ササッと風呂場まで動し、備え付けてあった2つの浴槽に水魔法で適温のお湯を張ることにするのであった...。
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