689話
さて...ルビィやトゥリッタとここ最近、何をしていたのかについて話しながら武器屋へ向かうこととなったのだが、先程立ち寄った屋台から意外にも近場ということもあって少し歩くだけですぐに到着してしまった。
「こんな所に武器屋なんてあったんだな」
「ここの武器は品質が良いのでよくお世話になってます。掘り出し物も偶にあったりするんです」
「私の持ってる予備のナイフもここで買ったんです!」
そして武器屋に到着した訳なのだが、とりあえず店の入口で立ち話をするのはあれなので、木の扉を押して中に入ると、そこには色々な形がした武器が飾られており、作りの悪そうな物やボロボロの武器は隅っこに纏められ、木樽の中へ無造作に突っ込まれている。
それにしても飾られている武器をよく見てみると、どれもこれも品質は悪くなさそうなので、ここは優良な武器屋だと思われる。
また武器意外にも防具や雑貨品なども幅広く取り揃えられているため、どちらかといえば武器屋ではなく、何でも屋と呼んだ方がしっくりくると言えるだろうか。
そんな店の中を見回していると、隣に立っていたトゥリッタが受付に向かって足を運ばせ、そこで記帳を行っていた店主と思われる筋骨隆々な角刈りの男に対して軽く挨拶を済ませると、腰に刺していた短剣を机の上に出しながら、修理のお願いと金額の交渉をし始めだした。
そのため、その場に置き去りとされたコウとルビィはのんびりと武器屋の中を見て回ることにしたのだが、残念ながら既に愛用の武器があるため、今回は何かを購入する予定はなかったりする。
とはいえ、店の中に飾られた商品を見て回る事自体は楽しいので、気ままにウィンドウショッピングを楽しんでいると、トゥリッタとの交渉を無事に終えた店主からコウは話しかけられることとなった。
「見ない顔だな?一緒に来たってことは新しいパーティーメンバーか?」
「いや俺はルビィやトゥリッタとはパーティーを組んでないぞ?」
「そうなのか。一緒に来てたからてっきりそうだと思ってたんだが...」
どうやら店主はコウのことをルビィ達の新しいパーティーメンバーだと思っていたようで、違うと答えながら首を横に振ると、自身の予想と違ったということもあって首を傾げていたりする。
「じゃあ同期って感じか?ランクはどんなもんだ?」
「それも違うな。俺はBランク冒険者だ」
「おっ...お前がここ最近有名になってきたコウって冒険者か」
そして店主から今度は同期なのかと聞かれたため、自身はルビィ達とは同期ではないことを否定するためにギルドカードを見せながら答えるも、あまり驚いた表情をすることはなく、寧ろコウのことを知っている様子であった。
「何だ俺のことを知ってるのか?」
「冒険者達からちらほら話を聞くからな。勿論悪い噂じゃねぇぞ」
「そうなのか」
そのため、何故自身のことを知っていたのかを今度は店主に対して聞き返してみると、この店に訪れる冒険者達からちらほらと噂話を聞くからとのこと。
まぁ冒険者達からは悪い噂を聞いていないということなので、コウとしては何だかホッとした気持ちになり、これからもなるべく悪い噂が立たないように生きていきたいと思ってしまう。
「それにしてもその靴もうボロボロじゃねぇか?」
「あーこれか?そういえばそうだな」
「もしよかったらうちで買っていかないか?安くするしお勧めの靴もあるぞ?」
そんなことを話していると、店主がコウの履いている靴がボロボロということに気づき、もしよければ靴をここで買っていかないかと言われた。
まぁ確かにそろそろ履き替えようと思っていた物だし、別の店に行ってまた靴を探すのも面倒だということなので、ここは店主がお勧めする靴を出してもらった方が良いだろうか。
「じゃあそのお勧めの靴を見せてもらおうかな」
「あいよ。ちょっと待っててくれよ」
ということで、コウはお勧めする靴を見せてもらうようにお願いすると、店主からは少しだけ待ってて欲しいという言葉と共に裏の部屋に行ってしまったので、その場でルビィ達と話でもしながら待つことにするのであった...。
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