684話
「コウ坊!解体が終わったぞ!」
「おっ...意外に早かったな」
さて...蟹の魔物の解体が無事に完了したようで、解体作業で汚れてしまった姿のレグルが近くで待機していた自身達に向けて大きな声で呼び掛けてきた。
まぁ今回は手の空いていた作業員が普段よりも多く居たということと、コウが取り出したのは蟹の魔物だけだったということもあり、解体作業はいつもよりもかなりスムーズに終えたのだろう。
そしてコウ達はレグルの下へ向かうと、そこには先程収納の指輪の中から取り出した蟹の魔物が見事に解体されており、ぷりぷりとした新鮮な身やどんな攻撃を受けても傷一つない甲殻など部位ごとに綺麗に並べられていた。
「お疲れさん。解体してくれてありがとな」
「それが俺達の仕事だからな。まっ...これぐらいの解体なら屁でもねぇ」
「へぇ...じゃあ追加で他の魔物の解体をお願いでもしてみようかなぁ...」
「いやまぁ...今回は遠慮させてもらおうか...」
ということで、レグルに労いの言葉を掛けてみると、これぐらい何も問題ないと言い出したため、小さく呟きながら追加で魔物を取り出そうとすると、苦笑いを浮かべながらやんわりと断られてしまった。
とまぁ無事に解体された蟹の魔物なのだが、コウ達からしてみれば今回はぷりぷりとした新鮮な身の部分だけが欲しいということなので、収納の指輪の中へ次々と蟹の魔物の身の部分だけを仕舞い込んでいくことにした。
「そういや甲殻はどうすんだ?」
「うーん...ライラとフェニはこの甲殻っていると思う?」
「私はいらないと思います~」
「キュ!」
そしてレグルから回収されずに残っている甲殻部分についてはどうするのか?と聞かれたため、コウはライラやフェニに必要かどうかを聞いてみると、2人は首を横に振り、必要ないといった感じであった。
またコウも自身が持っていたとしても新しい武器や防具を作ったりするわけでもないし、特に使い道はパッと考えても思い当たらなかったので、ここは冒険者ギルドにでも流してもらった方が良いだろうか。
「そういうことみたいだし俺達は必要ないかな」
「あいよ。じゃあ冒険者ギルドに流すからな」
「あぁ頼む。じゃあまた用があったら寄るからその時はよろしくな」
「解体してくれてありがとうございました~お邪魔しました~」
「キュ~イ!」
そんなこんなで自身達が欲していた身の部分も回収出来、必要ない素材についての話も終わったということで、コウ達はレグルにお礼を伝えつつ別れを告げると、そのまま解体倉庫の外へ出ていくことにした。
「じゃあやるべきことも終わったし帰るか」
「ようやくゆっくり出来そうですね~」
「キュ~!」
これでようやくやるべきことが全て終えたので、漁村からローランまで長く続いた旅の疲れを癒やすために拠点となる家へ戻ることとし、コウ達は街中をゆったりと歩きだす。
そしてそのまま帰り道をゆったりと歩いていたのだが、拠点となる家の周辺へ近づくにつれて何だか前よりも人通りや露店などが体感ではあるが、増えているような気がしないでもないことに気付く。
しかし人通りや露店が増えているとするのであれば、もしかするとコウが連れてきたバリィや他の人達が頑張ったお陰で治安が良くなりつつあるのかもしれない。
だとするのであればコウ達としても生活しやすい環境となるため、これからも彼らには治安維持を頑張ってもらいたいものである。
そんなことを思いながら歩いていると、ようやく拠点となる家が見えてきたのだが、早くゆっくりしたいと全員は心の奥底で思っていたのか、コウ達の足はゆったりしていたものから少しだけ早足になるのであった...。
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次回の更新予定日は多分4月26日になりますのでよろしくお願いします。




