679話
「これ絶対罠だよな?」
「罠だと思います~!」
「キュ~!」
突然、取り囲むかのように現れた謎のクラゲ達は明らかに触れてはいけない罠のようなものだと直感が働き、全員は迂闊に触れてしまわないようその場でピタリと立ち止まって動きを止めた。
「どうしますか~?この先へ進むにしても中々厳しそうですけど~...」
「キュウ...」
確かにライラの言う通り、罠と思われるクラゲ達を掻い潜りながら蟹の魔物の元へ向かうにしても、中々に厳しいものがあったりするし、そもそも既に囲まれているため、迂闊にその場から動くことは出来ない。
「こんな時イザベルが居ればなぁ...」
もしこの場にイザベルが居てくれれば、強力な風魔法で罠と思われるクラゲ達を全て吹き飛ばせることが出来る筈なのだが、残念ながらこの場にはいないため、頼るようなことは出来ず、自身達で何とか切り抜けないといけないだろうか。
ともかく、ボヤいてもしょうがないので、コウは何かしら打開策は無いかどうかと思考を巡らせると、1つだけ案が浮かび上がった。
それは自身が幾つか扱う魔法の1つである氷鳥を作り出し、そのまま罠と思われるクラゲ達に特攻させ、凍りつかせるといったものだ。
とはいえ、その方法にもリスクはあり、罠と思われるクラゲ達が何かに触れた瞬間に発動するように作られた物であったら囲まれている自身達の逃げ場が無いといったことである。
「何かコウさん思いつきましたか~?」
「まぁ無くもないけど...どうなるか分からないぞ?」
「もう身動きが取れないので選択肢はないと思います~」
そしてライラから何かしら突破する案は思いついていないか?を聞かれたため、思いついた案はあるが、どうなるのか分からないと伝えると、自身達に選択肢はないといったことを言われた。
「それもそうだな...じゃあやっていくからな!」
「お願いします~!」
「キュ!」
確かに既に自身達は目の前にいる蟹の魔物が作り出したと思われる罠に引っ掛かってしまったので、ライラの言う通り、ここから抜け出すには選択肢があまりないと言えるだろうか。
ということで、コウは迷っていた気持ちを切り捨てると、魔力を込めて自身の周りに大量の氷の鳥を次々と作り出していき、罠と思われるクラゲ達に自身が作り出した氷の鳥を特攻させていく。
また何が起こっても良いように全員は身構えていたのだが、作り出した氷の鳥が特攻するも特に何事もなく一瞬で凍り付いていき、ふわふわと浮かんでいたクラゲ達は水面へ落ちて皿が割れるかのように砕け散っていった。
「ふぅ...こんなもんか?何も無かったな」
「やっぱコウさんの魔法も便利ですね~!」
「キュ!」
そして自身達を取り囲んでいた罠と思われるクラゲ達をなんとかすることが出来たということで、コウ達は再び蟹の魔物に向かって走り出すこととなる。
そんな仕掛けた罠をコウ達が突破してくるとは思ってもいないのか分からないが、蟹の魔物は未だにこちらへ背を向けたままで、黙々と食事をしており、気にすら留めていない様子。
「無視は良くないですよ〜っと!」
ということで、まず1番最初に蟹の魔物の下へ辿り着いたのはライラであり、懐の下へ入り込むと、白い雲が流れる青空に向かって蹴り上げた。
「キュイ!」
すると岩のように大きな蟹の魔物は空中へふわりと浮かび上がり、突然の衝撃に驚いたのかジタバタと手足を動かしていたのだが、更に追撃としてフェニがバチバチと大きな音が鳴る雷球を作り出すと、そのまま撃ち込んでいく。
「最後は俺の番だな...ふっ!」
そんな蟹の魔物が落ちてくる真下ではコウが愛用している武器であるサンクチュアリを片手に持ちながら待機していたりする。
そして蟹の魔物が目の前に落ちてきた瞬間、コウはくるりとその場で一回転し、勢いを付けながら片手に持ったサンクチュアリをタイミングよく横薙ぎに振り払い、蟹の魔物の固い甲羅部分へ打ち込むと、正面に向かって吹き飛び、ずしん!といった衝撃と共に大きな水飛沫が空に向かって上がるのであった...。
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次回の更新予定日は多分4月11日になりますのでよろしくお願いします。




