675話
「よし...じゃあ行くとするか」
「そうですね~サクッと依頼を終わらせましょ~」
「キュイ!」
「お気をつけて下さいねー!」
ということで、コウ達は目の前に出された1枚の依頼書を選び、処理してもらって無事に依頼を受けたということで、仕事モードに気持ちを切り替えつつ、サーラの見送りを受けながら冒険者ギルドの外へと出た。
さて...そんなコウ達が受けた依頼は何なのかというと、ローランで入手が中々に難しい新鮮な海の幸を手に入れて欲しいといったものであったりする。
では海の幸の入手が何故そんなにも難しいと言われるのか?というと、王都からローランまでは距離がそれなりにあるため、海の幸を新鮮な状態で運搬することが厳しく、また氷魔法を使える者も少ないということも関係しているからだ。
まぁ収納の指輪を持っているコウにとっては容易い依頼なので、今回はおつかいをするだけの簡単なお仕事といったところだろうか。
ちなみにそんな海の幸を手に入れて欲しいだのと言い出した人物というのはこのローランの領主を務めているニコルであり、領主からの依頼ということもあって報酬は高く設定されていた。
「ちなみに海の幸って何処で手に入れますか~?王都とかですかね~?」
「確かイザベルの別荘に行った時に漁村を見たからそこで買うか直接採りに行ってもいいけどな」
「あぁ~そういえば遊びに行った時に私も見た気がします~」
そしてライラから何処で新鮮な海の幸を手に入れるのかについて聞かれたので、コウは過去にイザベルの別荘へ招待された際、近くに見えた漁村で買ったり、海へ直接採りに行ったりすれば良いのではないか?ということを伝えると、そんなこともあったなと思い出した様子であった。
「とりあえず王都行きの馬車を見つけるぞ」
「まずはそこからですね~」
「キュ!」
ともかく王都付近まで行かないことには目的の漁村まで辿り着けないため、まずは王都行きの馬車を確保しようと、街の入口である城門前へ向かうこととなる。
ということで、コウ達は街中をのんびりと歩き続け、城門前に到着すると、まだ昼前ということもあってか多くの馬車が広場に停まっており、虱潰しに王都行きの馬車なのかを聞きながら探していくことにした。
「あの馬車は...おっさんじゃないか」
「本当ですね~お久しぶりです~」
「キュイ!」
「坊主達じゃねぇか。久しぶりだな」
すると王都行きの馬車を探している最中で何処か見覚えのある馬車が停まっていることに気が付いたため、そのまま近づいていくと、そこには過去に何度もクルツ村や王都などでの移動でお世話になっている御者が出発前の準備をしているではないか。
そのため、コウ達は挨拶がてらに話しかけてみると、御者もこちらに気付いたのか、久しぶりだとニカっと笑いながら手を上げて挨拶を返してきた。
「こんなところで一体何してんだ?何処か行くのか?」
「依頼で今から出掛けるんだよ。おっさんも今から馬車を出すのか?」
そんな御者から何処かに行くのかと話を振られたため、コウはこれから依頼だと答えつつ、今から馬車を出すのかと今度は聞き返していく。
「俺か?まぁそろそろな。少しだけゆっくりしようと思って今から家に帰んだ」
「へぇ...おっさんも帰る家があるんだな。馬車が家だと思ってた」
「馬鹿言ってんじゃねぇ。俺の家はそらもう目の前に海が広がる綺麗な場所に建ってんのよ」
「海が見えるんですか~?でしたら王都方面でしょうか~?」
「おうよ。まっ...王都からは少し離れた漁村みてーな場所だ」
そして詳しい話を聞いてみると、どうやら御者はこれから自身の家に帰るようで、その家がある場所はというと、それはまさにコウ達が今向かいたい場所である漁村とのことであった。
それにしてもこれは漁村に向かいたいコウ達にとってはかなり好都合な話であり、ここは是非とも馬車へ一緒に乗せてもらいたいところではある。
「だったら俺達も乗せてってくれないか?」
「一緒に?まぁ問題ないぜ。どうせ帰る途中だし坊主達はお得意さんだから今回はタダにしといてやるよ」
「おぉ~!太っ腹です~!」
「おっ...それは有り難いな」
「キュ!」
そのため、コウは交渉として御者に一緒に乗せてってもらえないかどうかを聞いてみると、それなりに馬車を利用してくれたお得意さんということもあってか、有り難いことに漁村まで乗せてくれるようで、しかも料金はタダにしてくれるらしい。
ということで、コウ達は漁村へ一直線に向かう馬車を無事に確保することが出来たため、早速ではあるが馬車へと乗り込んでいき、暫く待っていると馬車は動き出してローランを出発することとなるのであった...。
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次回の更新予定日は多分3月30日になりますのでよろしくお願いします。




