666話
ということで、小鳥の止まり木というコウ達が現在泊まっている宿へ戻った訳なのだが、なんやかんや丸一日、外出していたということもあって既に時間帯は夕方前となっていた。
そしてそのまま宿の中に入ると、そこにはいつも通りミランダが受付に座って筆を走らせながら黙々と記帳をしており、コウ達の存在に気付いたのか、座ったままぺこりと軽くお辞儀をしてくるので、同じように頭を軽く下げて挨拶を返していく。
「お帰りなさいませ。夕食はどうなさいますか?」
「ん...夕食は部屋で食べようかな」
「私も夕食は部屋で食べます〜コウさんの部屋までお願いします〜」
そんな受付に座っているミランダに近づいていくと、時間帯が夕方ということもあってか、今日の夕食はどうするのか?についてを確認されながら出掛けた際に預けていた部屋の鍵を手渡してきたので、コウは部屋の鍵を受け取りつつ、部屋で夕食を食べると返事を返していく。
また同時にライラも夕食は部屋で食べると答えたのだが、どうやら一緒に食事をしたいのか夕食をコウの部屋まで運んで欲しいと言い出す。
「そこは自分の部屋で食べろよ...」
「別に良いじゃないですか〜一緒に食べた方が美味しいですよ〜」
「それはそうだけども...」
「ふふっ...仲がよろしいことですね。では後ほど夕食の方をご用意させて頂きます」
まぁ確かに1人で食べるよりかは誰かと一緒にご飯は食べた方が美味しさも増すので、別に問題はないが、そんな2人のやり取りをミランダは微笑ましく思っているのか、ニコニコと笑みが溢れていた。
「よろしく頼む。あー...あと家を買ったからここに居るのもあと少しかも」
「あらそうなのですか...それでは少し寂しくなりますね」
そしてミランダに新たな拠点となる住宅を購入したことによって借りている部屋から退室する旨を伝えると、寂しげな表情していた。
まぁ宿を拠点としている高ランク冒険者達が新たな拠点を構えたりするのはよくあることなので、そこはしょうが無いと割り切っているのだろうか。
「では本日の夕食はお祝いも込めて豪勢にさせて頂きますね。お部屋で少々お待ち下さい」
そんなミランダはコウ達が借りている部屋を退出するからなのか、それとも新しい門出としてなのか今回の夕食は豪勢にすると言い残すと、パタパタと足を動かし、そのまま裏にあると思われる厨房へ行ってしまう。
「まぁとりあえず部屋に戻るか」
「そうですね〜」
さて...ミランダに話すべきことも伝えて部屋の鍵も受け取ったということなので、部屋に戻ることにし、コウ達は傍にあった2階へ続く階段を上っていく。
「また着替えたらコウさんの部屋に向かいますね〜」
「分かった分かった」
そして最初に辿り着いたのはコウの部屋の前なのだが、ライラから着替えたらまたこちらへ来ると言い残され、そのまま自室に向かって歩き出したので、コウは片手でひらひらとしながら適当な返事を返しつつ、着替えるために自室の中へ入っていく。
「キュ!」
「あぁフェニ。先に帰ってたのか」
するとそこには相棒であるフェニが先に帰ってきており、ベッドの上で毛繕いをしながらくつろいでいたのだが、部屋の中に入ってきたコウのことにすぐ気付いたようで、こちらに視線を向けながら声を掛けてきた。
「フェニ。一応伝えておくけど新しい拠点の家を買ったから次からはそっちで生活するぞ」
「キュイ!」
とりあえず早速フェニには新たな拠点となる家を購入したということを伝えてみると、理解しているのかしていないのか分からないが、元気な返事は返ってきたので問題はないのだろう。
「さてと...俺もライラが来る前に着替えるか」
ということで、コウは明日以降、何をするのかについての予定を頭の中で組み立てながら部屋着に着替え、部屋に訪れる筈のライラと届けられる夕食をフェニと共にのんびりと待つことにするのであった...。
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次回の更新予定日は多分3月3日になりますのでよろしくお願いします。




