656話
あの後、フェニが戻ってきたということで、コウ達はそのまま魔物が増えてきた原因について報告するためにローランへと向かうことにした。
「よし...無事に到着したな」
「何だか疲れましたね~...」
「キュ~...」
そんなこんなで無事にローランへ到着したのだが、何だかんだ帰宅する際に多くの魔物から襲われたりと色々あったためか、結局移動が遅れたりしてしまい、到着する頃には既に多くの人がベッドの上で横になりながらゆっくりと過ごしているであろう時間帯となっていた。
一応、こんな時間でも冒険者ギルドはやってはいたりするのだが、流石にギルドマスターであるジールなどは既に仕事を終えて1日の疲れを癒やすために街中で飲み歩いているだろうか。
ともかく今の時間帯から冒険者ギルドに向かっても今回の件を報告出来るような人物はいないだろうし、何よりも自身達のお腹から腹の虫が早く何かしらの食べ物を胃袋へ納めろと主張してくる。
また久しぶりに依頼を受けたということで、身体的疲労そして精神的にも疲労しているので、早く宿にてゆっくりと休みたい気持ちもあったりするため、今回の魔物が増える原因と思われることについては翌日の報告とすることにした。
そのため、コウ達は鉛のように重くなった足を動かしながら部屋を借りている小鳥の止まり木という宿に向かって腹を空かせながら歩いていたのだが、街中ではこんな時間でもまだ幾つか大衆料理店には明かりを灯らせながらも客で賑わっており、良い香りで自身達を誘惑してきたりする。
「もう宿で夕食も食べれないだろうしこの際もうそこらの店に寄ってくか?」
「そうですね~その方が良さそうですね~」
「キュ!」
そんな大衆料理屋を横目で見ながらふとコウは今から宿に帰ったところで、既に夕食の時間は過ぎていることもあり、もしかすると食事することは叶わないのではないか?ということに気づく。
まぁ実際のところ頼めば夕食は食べれるだろうが、流石に今の時間帯から頼むのも何だか忍びないという気持ちもあった。
ということで、コウ達は宿の夕食は既に食べることは出来ないだろうと考え、ここは手頃に夕食を済ませるために大衆料理店へ寄り道していくことにした。
「ここでいいか。結構な人が入ってるし」
「良い匂いもするから悪くないんじゃないですか〜?」
「キュ〜♪」
そんなコウ達が夕食を食べるために選んだ大衆料理店というのは何処なのかというと、自身達の目の前に建つ客入りの良さそうな店である。
他にも大衆料理店はあるのだが、わざわざ少し離れた場所まで歩いたりするのは面倒だし、何よりも1番客入りが良さそうではあるため、目の前に建っている店を選んだのだ。
そしてそのままコウ達は近くにあった大衆料理店の中に入ると、やはりというかそれなりに繁盛してはいるが、まだ空いている席は幾つかあったので、店員などに案内されることなく自由に座ると、店員と思われる無愛想な表情を浮かべた男が目の前に現れた。
「らっしゃい。こいつが今日のおすすめだ」
目の前に現れた無愛想な表情の男は口下手なのか、少し小さな声で壁に掛けられたメニュー表に指を向けながらどの料理がお勧めなのかを教えてくれた。
「じゃあそのお勧めのやつで頼む。あと果実の盛り合わせも」
「私もお勧めでお願いします〜」
「あぁ分かった」
ということで、コウ達はその男にお勧めされた料理を注文してからというもの今度は壁に掛けられたメニュー表を改めてじっくりと見ることにしたのだが、それにしても聞いたことも見たこともない料理名のものが多い。
「ライラは知ってる料理があったりするか?」
「ん〜聞いたことない料理ばかりですね〜」
そのため、ライラに店の壁に掛けられたメニュー表の料理を知っているかと聞いてみるも、やはりコウと同じように名前も知らない料理ばかりとのこと。
そんな今回コウ達が頼んだ料理もこれまた聞いたことが無い名の料理であり、もしかするとこの店独自の料理なのかもしれない。
とはいえ、お勧めの料理ならばそう変なものは出てこないだろうと思いつつ、料理が出来上がるまで暫くの間、ライラと雑談をしながら待っていると、先程の男がこちらに向かって果実の盛り合わせと共にきつね色に焼かれたパンや2人分の料理を乗せた大皿を片手に持ってきた。
「これが今日のお勧めと果実の盛り合わせだ」
「まじかよ...」
「これは私はちょっと〜...」
「キュ〜...」
そして机の上に先程の男は手に持っていたきつね色に焼かれたパンや出来たてほやほやの料理が乗せられた大皿とフェニ用として注文した果実の盛り合わせを置かれることとなるのだが、コウ達はまさかの料理にその場で目を丸くしながら絶句してしまうこととなるのであった...。
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次回の更新予定日は多分1月31日or2月1日になりますのでよろしくお願いします。




