633話
「いてて...何なんだ...って...ここは何処だ?」
黒い謎の渦に吸い込まれたコウは頭から地面に落ちたため、痛む頭を擦りながら周りはどうなっているのか見てみると、メークタリアから出た外の風景ではなく、少し薄暗い部屋の中となっており、状況がいまいち掴めない
そしてここは一体何処なのだろうか?と思いつつ、立ち上がるも残念ながらコウの質問に答えてくれるような人の気配はしないため、それは望み薄と言ってもいいだろうか。
とりあえず自身の置かれている状況を確認するためはここから移動しなければわからないということで、コウはその場で立ち上がると、部屋の扉に向かって歩き出す。
そして建付けが悪く、開きにくい扉を開けて部屋の外へ出てみると、左右に分かれる長い通路となっていたのだが、部屋の中と同様に薄暗いものとなっていた。
「右に行ってみるか」
とりあえず進む方向は右か左しか選択肢がなかったため、コウは何となくではあるが右に歩き出すことにし、足元に注意をしながらゆっくり薄暗い通路を進んでいると、曲がり角から誰かが飛び出してきた。
「おっと...」
「あら?ようやく来たのね」
そんな曲がり角から飛び出してきた人物はというと、コウも見たことがある顔なのだが、それはメークタリアで観光している際にあの黒い渦を作り出す謎のミサンガをくれた赤い髪を持つ女性であった。
「おい。あんたのせいで理由のわからないことになってるんだが?」
「ふふっ...もしかして私の正体に気付いてないのかしら?」
「正体...?」
そして目の前の女性は身体から真っ赤に燃えるような炎を作り出し、それを全身に纏うと、まるで赤いドレスへと変化していき、赤い髪も腰辺りまで伸びていく。
「その炎...お前はレヴィーエル!?」
「この姿で会うのは初めてかしら?それに私のことはレヴィって呼んで欲しいって言ったわよ?」
コウの中で今の姿に見覚えはないが、その真っ赤に燃えるような炎は過去に見たことがあり、一瞬でレヴィーエルという魔族を思い出さされることとなった。
そのため、コウはまさかこんなところで魔族であるレヴィーエルに出会うとも思っていなかったということで、驚きつつも警戒心を一気に上げてその場から後ろに飛び退く。
そして敵意を一切感じないのが逆に不気味さを感じるが、ともかくここが何処なのか?そして先程の黒い渦は何なのか?を目の前にいるレヴィーエルしか聞く者がいない。
「ふぅ...ここは何処だ?あの黒い渦は何なんだ?」
「答えてあげるわ。ここは私達の仮拠点であの黒い渦は魔族の魔法といったところかしら?」
そのため、一呼吸を置いてからレヴィーエルへここは何処なのか?そして黒い渦はいったい何なのか?について聞いてみると、魔族の仮拠点であり、黒い渦は魔族の魔法ということを答えてくれた。
とりあえず魔族の仮拠点ということと、あの黒い渦の正体が分かったのはいいが、どちらにせよ問題が解決した訳でもないし、これからどうするべきか考える必要があるだろうか。
「質問はここまでにするわね。アイン」
「わかってるっすよ!」
「なっ...!」
そんなことを考えていると、レヴィーエルが質問は終わりと告げつつ、指をぱちん!と鳴らすと、何処からともなく、以前首を跳ねて倒した筈のアインが背後に現れ、隙を突かれてしまったコウは手に持った縄でぐるぐると全身を縛られてしまうのであった...。
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