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277話

「うっぷ...昨日の夕飯は凄い量だったな...」


「うぅ~まさかあそこまで出てくるとは思ってなかったです~」


「キュ~イ...」


 前日の夜に村長の心遣いによって果たしてこれは全ての料理を食べ切れるのかと思うぐらいの量の料理が出てきたのだ。


 ただ残すのを勿体ないし失礼と感じたコウ達は出てきた料理を目一杯、腹の中に詰め込むと、なんとか完食することが出来た。


 しかしすべての料理を食べ切った結果、その日の夜は動けず、翌日の朝である今になってもまだ消化が終わっていないのか胃袋の中に残っているような感覚があった。


 そのため、今では全員がお腹を撫でながら食べた物の消化のためにクルツ村内を運動として歩いていた。


 因みに朝起きるとともに朝食もお出ししますよと村長に声を掛けられるも、流石に朝から昨日の夜のようなフルコース料理を振る舞われそうになったので、こっそりと村長の家から逃げ出していたりもする。


 そんなコウ達が今現在、胃袋の物を消化させながら何処に向かって歩いているのかというと、前日にライラが耳にした村長の悩みの種の井戸である。


「ゴォー!」


「おっ...ゴーレムか。一緒に井戸を見に行くか?」


「ゴッ!」


 クルツ村を歩いていると途中で村の中をゴーレムが巡回しており、小走りでコウの近くまでゴーレムは駆け寄ってくると話しかけられた。


 もしかしたらこのゴーレムは井戸の問題の解決に何か役に立つかもしれないと思ったコウは一緒にくるかどうか誘ってみると、フェニが乗っている反対側の肩に飛び乗ってくる。


 新しく仲間を引き入れたコウ達は、そのままライラの案内に任せて歩いていると、どうやら目的の井戸に到着したのか声を上げた。


「あっ!あれですね〜到着です~」


 ライラが指をさした方向には、変哲(へんてつ)もないただの石造りの井戸があり、上部には滑車(かっしゃ)が取り付けられており、縄の先に汲み取り用の(おけ)(くく)り付けられているものであった。


 もっと魔道具などで水を汲み上げたりしているのではないかと思っていたが、まさか歴史の教科書に載っているような昔のタイプの井戸だとは思わず、驚きである。


 とはいえ井戸という物の実物を見たのはコウにとって初めてであり、興味本位で近づいて井戸の底を覗いてみるが、案の定真っ暗ということで、底の部分は全くもって何も見えない。


「何か見えましたか〜?」


「いんや何も見えないな」


 井戸を覗いているとライラから何か見えるかどうか聞かれたので、何も見えないと答えると井戸の中はかなり深いのか、コウの声が洞窟の中のように反響する。


「一応水は汲めるんだよな?」


「量は少ないらしいですけどね〜」


 原因を解決するために井戸の底の状況を見ておきたいところではあるのだが、井戸の底は深いし、這い上がってこれる保証もないため、流石に入るのはやめておきたいところではある。


「うーん...どうするかなぁ。...って人が真面目に考えてるのにライラは(ほほ)を突くな」


 目を閉じ、うんうんと頭を悩ませているとコウの頬を両サイドからつんつん何かに突かれ、ライラの悪戯かと思い目を開く。


「も~何でもかんでも私じゃないですよ〜!」


 不満そうにライラが声を上げるが、どうやらコウの頬を突いていたのは肩に乗っていたフェニとゴーレムであったようで、何か言いたげである。


「どうしたんだ?」


 とりあえず何が言いたいのか聞いてみるとコウの目の前でゴーレムの体を上手いことフェニが掴み、そのまま飛ぶと眼の前の井戸に向かって入ったり出たりを繰り返していた。


「あぁなるほど。俺らの代わりに井戸の底を見てきてくれるってことか」


「キュイ!」「ゴッ!」


 何をしているのか全く分からなかったが、すぐにコウはフェニとゴーレムの行動の意図について理解すると、2匹は正解!と言わんばかりの声をあげる。


 ふむ...確かにフェニならばどれだけ深い井戸であろうと飛んでいけるだろうし、ゴーレムならば水の中に落ちたとしても息をしていないので、井戸の底にあるであろう原因を解決できるかもしれない。


「ん~やってみるか。そういえばゴーレムって泳げるのか?」


「ゴォー?」


「試しに泳げるかどうか試してみるか」

 

 井戸の底にまでゴーレムが様子を見に行くのは良いのだが、肝心なゴーレムが戻ってこれなければ情報を持ち帰ってこれず、原因が分からないままになってしまうので意味がない。


 またゴーレム自体が水に濡れても大丈夫なのか?ということも思ったが、以前魔物の死骸の中に入って血だらけになりながら魔石を取り出していたりしてたので、濡れることに関しては多分問題はないだろう。


 とりあえずコウは得意な水魔法で真四角の水槽を作り出すとゴーレムに向かって泳いでもらうように指示を出す。


 正直言ってゴーレムなので体が重かったりして泳げるわけもないだろうと思っていたが、結果は真逆であった。


 ゴーレムはコウが魔法で作り出した水槽の中に飛び込むとクロール、平泳ぎ、バタフライなど自由自在に泳いでいたのだ。


「おぉ凄い」


 意外にも作り出した水槽の中を泳げているゴーレムの姿を見たコウは驚き、これなら井戸の底の様子を見に行くことが出来るだろうし、原因を見つけさえすれば解決してもらえばいいので、とりあえず任せてみることにしたのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は12月3日になりますのでよろしくお願いします。

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