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228話

 コウのピンチに駆けつけてきてくれたのは今では信頼している仲間達のイザベルやライラそして1番最初に出会った相棒であるフェニであった。


 まさか駆けつけて来てくれるとは思っていなかったため、心の中に温かい何かがじんわりと広がっていく気がした。


 また駆けつけて来てくれた中にローランにいる筈のジールが混ざっているのはコウとしては予想外であり、女装姿を見られてしまったことだけは複雑な気持ちである。


 生きて帰ることが出来た暁にはジールとしっかり"お話"をする必要があるか記憶を上手いこと失ってもらうしかなさそうだ。


「ディザーが来ると思ってたけどまさかジールが来るとはねぇ...」


「だから俺は早くしろと言ったんだ」


「まぁいいじゃないの。僕は懐かしい人に会えて少しだけ嬉しいさぁ」


「あたし達まで巻き込まないでよねー」


 裏ギルドの者達は仲間割れをするように言い合いをしているがきちんとイザベル達に対して警戒はしているようで目に見える隙はなく、仕掛けづらそうである。


「よう久しぶりだな」


「やぁ元気そうで何よりだよ。ここは昔のよしみということで見逃してくれないかなぁ?」


「そいつぁ無理だな。俺はお前さん達を捕まえに来たんだからよ」


 目の前に立っている男の口からはジールの名が出ていたのでやはりというか昔からお互いに知り合いのようであるが決して仲が良さそうには見えない。


 お互いの立場的に敵対関係であるからなのかそれとも過去に何か合ったからなのかは分からない。


「そっかぁ...これだけの騒ぎなら騎士団も来るだろうし相手にするのは面倒だなぁ。そこにジールも加わるとなると逃げるのは厳しいねぇ」


 貴族街で騒ぎになっているためその内、王都に在中しているであろう騎士団も動き出すかもしれないということでさっさと裏ギルドの者達はこの場から逃げ出したいようだ。


 1人の男はうんうんと唸りながら悩んでいたが、すぐに何かを思いついたらしくポンと手を叩きフードから一瞬だけちらりと見えた口元は半月のように曲がっていた。


「じゃあこうしようかぁ。そこに転がってる子を助けに来たんだっけ?その子の頭を飛ばしたくないよねぇ?」


 コウが転がって横になっている位置は裏ギルド3人組とイザベル達の丁度中間であり、男は腰に差している剣に片手を置いて少しだけ抜きながら刀身をチラつかせるように見せてきた。


 確かにあの剣技レベルを持つ者ならば転がっているコウを殺せる範囲内であってもおかしくはない。


 コウとしては頭と身体が別れてしまうのは簡便して欲しいところであるのでジールをちらりと見るとため息を付いて捕らえることを諦めるような顔をしていた。


「確かにお前さんの射程範囲内だな...背に腹は変えられん何処へでも行くと良い」


「よぉし交渉成立だねぇ。君はジールに感謝すると良いよぉ」


 せっかく裏ギルドの頭であろうと思われる者達をギルドマスターが諦めてコウ1人の命で逃してしまうのは何も知らない者達からすれば非難されるかもしれない行為だろう。


 とはいえこの場にいるのはイザベル達やジールだけであり、他にそのことを知る者はいないのは唯一の救いであった。


 交渉が成立したことによって手に陶器で出来たような白い笛を持っている者が笛を吹き、美しい音色を奏でると足元が揺れ始め、貴族の屋敷である建物の床に亀裂が走っていく。


 するとその亀裂の間からコウを捕まえた緑色の植物の蔦が裏ギルドの3人を取り囲むように生えてきており、それらの蔦は大蛇が巻き付くかの如く折り重なり、いつの間にかボールのような円球の形へと変化していった。


 そして裏ギルドの者達をを取り囲むように折り重なり円球の形になった蔦はそのまま床を破壊し、大きく周囲を揺らしながら大穴を作りつつ沈んでいく。


 暫くすると揺れも収まったのでイザベル達は立っていた壁上から降りてくると身動きの取れないコウの元へ駆けつけ、手足を縛ってあるロープのようなものを取り除いてくれた。


「みんなすまん。俺のせいで取り逃がしてしまった」


「んなこと気にすんじゃねぇよ。またあいつらは捕まえればいい」


 自身が捕まってしまったために裏ギルドの頭を捕まえるチャンスを逃してしまったことについてコウは申し訳ない気持ちになり、頭を下げて謝罪するもジールに頭をポンポンとされながら慰められる。


「とりあえずまだやるべきことがあんだろ?そいつを終わらせにいこうぜ」


 確かにジールの言う通りまだ今回一番の目的であったことは終わっていない。


 それは捕まっている女性冒険者達を助け出すということだ。


 そのためコウ達はまだ地下の檻の中に捕まっている女性冒険者達を助け出すためにこの壊れた部屋の隅にある地下への入口である石の階段を降りていき、コウの案内で入り組んだ地下道を進んでいく。


 そして捕まっている女性冒険者達の元へ到着すると解放しては次々と保護していくのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は8月27日になりますのでよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 何で?こんなアホ見たいな交渉で犯人を逃がすの? どう考えても、雑魚主人公に価値何て無いじゃん そもそも、冒険者は全て自己責任では?自分で判断し、挑んで負けた奴に情を欠けても無意味では?…
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