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186話

「もぉーなんですかこれ?」


 サーラはコウが机の上に置いた手紙を手に取り、裏側の封蝋を見た瞬間、フリーズしたパソコンの様にぴたっと動きが止まる。


「大丈夫か?」


「だ、だ、大丈夫じゃないです!王国の紋章って王族の方の手紙じゃないですか!」


「おーわかるもんなんだな」


「なんでコウさんが王族の方の手紙を持っているんですかぁ!」


「良いことをしたら成り行きで貰えた」


 多くの冒険者は出払っているためか、広々とした空間である冒険者ギルド内にサーラの声が響くので、サーラの反応は期待を裏切らないものである。


 まぁ無理もない。王族からの手紙なんて物は普段生活していても見る機会は無いのだから。


「と...とりあえずギルドマスターに渡さなきゃ」


 サーラはその場からすぐにジールがいるであろうギルドマスター室へ向かって足をパタパタとさせながら走り、手紙を持っていく。


 暫くするとサーラが受付まで戻ってきて今度はコウを連れてくる様に頼まれたらしくギルドマスター室へ連行される。


「コウさんを連れてきました!失礼します!」


「おういいぞ」


 コンコンとノックをした後、連れてきた旨を伝えると中から渋めの声が聞こえ、扉を開けるといつもの椅子にジールがどっしりと座っていた。


「久しぶりだなコウ。まーた変なものを貰ったな」


 部屋に入った瞬間に開幕早々、ジールにそんなことを言われるのは心外である。


「良い物じゃないか」


「王族からの推薦状を貰ったら実質Bランクに上げろって言われているようなもんだぞ!」


 イザベルやマルクなどの高ランク冒険者からの推薦ならばまだわかるが第一皇子からの推薦となると実質的に上げろと言われているものである。


 しかし冒険者ギルドのルールでは試験を受けないといけないのでルールを無視して上げる訳にもいかない。


「試験に受かればいいだけだろ?」


「まぁそうだけどよ。ほら...この3枚の依頼から選べ。それが試験になる」


 楽観的なコウにため息をつきつつ、ジールは机の上に3枚の依頼書を並べていくので一枚一枚手に取って確認していく。


 1枚目はとある物好きな貴族からの依頼で珍しい魔物を探して剥製にしてほしいとのこと。


(これは無いな。フェニが目をつけられそう)


 2枚目はそれなりに名の知れた商人が3ヶ月間各地の街を巡るので護衛してくれという依頼。


(これもなぁ...期間が長すぎる)


 そして最後の3枚目は東部にある渓谷に住み着いたロックドラゴンの排除。


 東部の渓谷はローランからそれなりに近いため早めの対応をして欲しいらしい。


「これの中からって3枚目しか選択肢が無いんだが」


「ロックドラゴンぐらいならお前さんでもいけるだろう」


「絶対わざとこれを選ばせるようにしただけでしょ...」


 依頼の内容を選べはしなかったがBランクになるための依頼書を手に入れることが出来た。


 文句があるとすれば試験に落ちて欲しくなければもう少し簡単そうな依頼を受けさせてもらいたかったとこである。


「そういえばパーティで試験依頼をこなしても良いのか?」


「それなら問題ない。というかこのランクになると1人の奴は普通おらん」


 ふと疑問を覚えて確認するが本来、冒険者を1人で活動する者は少なく、普通は数人で組んでランクを上げるらしい。


 一応、試験依頼は実力やランクが近い人同士が組んで受けることを推奨されてはいるようだ。


 その点ライラなら実力もランクも近しいため問題は無いはずである。


 とりあえず依頼書を手に入れたということなのでジールとの話を切り上げてギルドマスター室からサーラがいるであろう受付へと戻る。


「王族の方からの手紙はなんだったんですか?」


「さぁ?知らん。あとこれを頼む」


 別に手紙の内容を知られても何一つ問題は無いがまたいちいち説明するのも面倒なのでシラを切りながら受け取った依頼書を提出する。

 

「ギルドマスターからの依頼ですか?」


 Bランクの試験依頼とは全く知らないサーラはコウから依頼書を受け取るといつも通り判子を押したりして受付を行う。


「ロックドラゴンの討伐じゃないですか。本来ならBランクの依頼ですよ?」


「色々あってジールさんからの依頼だからしょうがない」


「う〜ん...無茶はダメですからね?」


 釘を刺されるように言われながらも受付は無事に終わったので冒険者ギルドを後にし、次は宿の確保をしないといけない。


「さて...次は今日泊まる宿だな」


「野宿は嫌ですからね〜いつものとこですよね〜?」


 いつもの所というと小鳥の止まり木という宿であり、コウがローランに来てからずっとお世話になっている宿である。


 冒険者ギルドを後にして来た道を戻るように歩くと小鳥の止まり木の周辺を掃除しているミランダに出会った。


「あら?コウさんでは無いですか?いらっしゃいませ」


「部屋は空いてるか?できれば2部屋」


「えぇお部屋なら御座いますよ」


 ミランダは掃除の手を止めると宿の受付へ移動し、宿に泊まる手続きをしていく。


 ライラも増えているため出費は2倍になるが王都の依頼でそれなりに荒稼ぎしたのでそこまで懐にダメージはない。


 本来なら部屋は一緒にして少しでも出費は抑えたいところではあるが年若い男女が同室になるのは良くはないのでしょうがない。


 ミランダから部屋の鍵を受け取ると各々は明日のロックドラゴンを討伐に備えて部屋に向かい身体を休めるのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は6月1日になりますのでよろしくお願いします。

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